5月28日(火)、青森県三戸郡五戸町立南小学校にて、第2回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2013」が開催されました。
南小学校は、今年度をもって閉校し、来年度からは近隣の蛯川小学校、豊間内小学校とともに、五戸小学校に統合される予定です。
そこで、水沼貴史さんを夢先生に迎えた今回の「夢の教室」は、蛯川小と豊間小の生徒を南小に招き午前の部(南小・蛯川小の4・5年生)、午後の部(南小・蛯川小の6年生と豊間小の5・6年生)と3校合同開催の形で授業が行われました。
ゲームの時間では、手と手を取り合いみんなでゴールを目指すゲーム形式のプログラムを実施。今回は3校合同開催ということもあり、別々の学校の生徒同士も一緒になって協力していくことが求められます。
ゲームが始まる前からきちんと整列し、夢先生をサポートしてくれる井手口純さんと大きな声で挨拶を交わす子どもたち。夢先生を呼び込むときには大きな拍手と掛け声で、体育館が一体感で包まれました。また、夢先生の水沼さんからの自己紹介を兼ねた挨拶では、なんと本日が53歳の誕生日であることが伝えられ、子どもたちからは大きな歓声があがりました。
ゲーム開始直後から、積極的に元気よく動いていた子どもたち。ゲームも回数を重ねるごとに意見交換が活発になり、目的を達成するために必要なことは何かを確認。作戦タイム後に再開されたゲームでは、しっかりと結果を残しました。
今回はすべてのゲームで課題をクリアし、夢先生からも、「すべての課題をクリアする学校はなかなかない。しかも、今回は違う学校の生徒とも協力しながらの結果。素晴らしい」とのお褒めの言葉をいただきました。
トークの時間では、主に、夢先生がこれまでの体験を話したり、子どもたちと一緒に夢について語り合ったりしました。
埼玉県浦和市に生まれた水沼さん。地元でサッカーが盛んだったことから、いつしか、夢はサッカー選手へ。しかも、ただサッカー選手になるだけではなく、オリンピックに出るということが大きな夢になっていきました。みんなで練習し、ひとりでも練習し、体を大きくするためにご飯もたくさん食べる…日々の繰り返しが大きな成長へとつながり、中学時代には全国優勝、高校でも日本一になるなど、輝かしい実績を積み上げていき、やがて世界と戦う舞台がやってきます。
U-20 の世界大会が日本で開催されることを知った水沼さんですが、その目前で一度、監督から必要のない選手だと言われ、メンバーから落選します。厳しい練習やライバル争いに耐えかねて、不平・不満ばかり口にしていたからです。しかし、チームを離れ考えたとき、サッカーはひとりでやるんじゃない。11人で、チームでやるんだと気づき、もう一度、サッカーと向き合い、あきらめずに練習を続けました。すると、その姿を見ていてくれた人から、監督に水沼さんが腐らず頑張っていることが伝えられ、最終メンバーに選ばれました。世界の舞台では、1勝もすることができませんでしたが、水沼さん自らのゴールで1点取ることができました。世界との差を感じた大会でしたが、苦しい練習を乗り越えて奪った1点は、チームで喜びを分かち合う大切なゴールでした。
攻撃的な選手として活躍を続けた水沼さんですが、ある時期、また代表に呼ばれなくなりました。それは、守備をしない選手、守備の下手な選手という理由でした。しかし、水沼さんは攻撃に磨きをかけるよう取り組んでいきます。好きなこと、自信があることを伸ばしていくなかで個性を強くする。そこから生まれてくる心の余裕が、意識に変化をもたらし、苦手な守備にも少しずつ取り組み、続けていくことができました。
オリンピック出場国を争う、中国とのホーム&アウェーの戦い。アウェー戦1-0で勝利を収めた日本ですが、ホームで0-2と敗れ、夢を叶えることはできませんでした。その後、Jリーグがはじまり、横浜マリノス(現・横浜Fマリノス)で活躍し、35歳で引退。以降、TVの解説者としても活躍されていますが、その間も、もう一度オリンピックにでるチャンスはないかと考え、監督、また、コーチとして出場する道を目指し、今も夢を追い続けています。53歳の誕生日を迎えたこの日、改めて、そのことを子どもたちの前で約束してくれた水沼さんでした。
トークの時間後半では、子どもたちひとりひとりが夢シートに自分の夢と、夢を叶えるために取り組むことを記入し、みんなの前で発表しました。
また、「夢の教室」当日が誕生日だったこともあり、授業の最後には子どもたちからバースデーケーキのサプライズが!最後まで子どもたちと一緒になって盛り上がった素敵な夢の時間となりました。