6月21日(金)、静岡県伊豆市立天城小学校にて、第4回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2013」が開催されました。
夢先生には元バレーボール女子日本代表の落合真理さんを迎え、3,4時間目(5年1組)5,6時間目(5年2組)を使って「夢の教室」の授業が行われました
ゲームの時間は、夢先生の落合さんと、アシスタントの平間さんの2人で進めていきます。落合さんは子供たちと一緒になってゲームに参加しました。
まずはウォーミングアップも兼ねて、2人組でボールを使ったゲームを行いました。子供たちは初めてのゲームのようでしたが、すぐにルールを飲み込み楽しく盛り上がります。体も温まってきたところで、次のゲームは「だるまさんが転んだ」です。このゲームのポイントは、落合さんとクラス全員が一つのチームになり、全員で手をつないでスタートし、全員がゴールラインを超えることが条件になります。
ゲームが始まり、ゴールライン近くまでは行けるのですが、その先がなかなか進めません。どうしても誰かが動いてしまい、スタートラインからのやり直しになってしまいます。
そこで、どうすればチーム全員でゴールできるのか子供たちと落合さんで作戦会議を行いました。男の子の作戦、女の子の作戦と、それぞれ違います。その中でクラスで1つの作戦を決定しました。それは「走らない」こと。ゴールまで時間はかかりますが、横一列の和が乱れることなくゴールラインに近づきます。何度か動いてしまいそうなピンチもありましたが、見事全員でゴールラインにたどり着くことができました。
みんなの決め事をつくって、最後までやり切る。簡単なようで難しいことでしたが、クラスでまとまることができ、協力することの大切さを感じ取ることができたゲームの時間でした。
体育館から教室に移動後、トークの時間では、主に、夢先生がこれまでの体験を話したり、子どもたちと一緒に夢について語り合ったりしました。
父、母、姉の4人家族で育った落合さん。バレーボール一家だったこともあり、小学校3年生から落合さんもバレーを始めます。
4年生になり、日本代表選手の指導があるバレーボール教室に参加したことがきっかけで、将来は自分も日本代表の選手になるという夢を設定しました。
中学校は、地元の学校にバレー部がなかったこともあり、バレーの強豪校への進学を自分で決定しました。高校も同様にバレー強豪校へ進学し、1年間で休日が2日という厳しい練習にも耐えて頑張りました。その結果、全国で3位という結果と、17歳以下の世界選手権で、キャプテンという立場で優勝という大きな結果も残すことができました。日本代表という夢は、すぐそこにあって掴めると感じれた時でした。
高校卒業後、社会人のチームに入団しました。そこで1つ目の壁に直面しました。所属チームが、時代背景もあり廃部になってしまったのです。夢を叶えるという以前の話で、バレーボール自体ができる場所が無いという状況になってしまいました。その後、所属チームがなんとかみつかり、心機一転というところで大きな怪我をしてしまいました。練習に参加できず、体育館の隅で座って練習を見る。そうした日々が続く中で、初めてバレーをやめたいとも思いました。
そうした中で支えになったのは家族とチームメイトでした。当時、落合さんは実家の東京から遠く離れた神戸に住んでいました。怪我のことで思い悩み、実家の母親に「辞めたい」と電話したところ、次の日の朝に神戸の家の玄関のチャイムが鳴りました。そこには東京から来た母親の姿があり、両手には落合さんの好きなものがぎっしり詰まった袋がありました。「もう一度だけ頑張ってみよう」と涙を浮かべた母親から言われたとき、「自分だけが辛いと思っていたけれど、家族も辛さを共有してくれているんだ」と実感することで、怪我にも前向きに取り組めるようになりました。大きな怪我だったので、復帰に長い時間がかかりましたが、チームメイトの「真理まってるよ!頑張ろうね!」という日々の励ましが、リハビリに励む自分の大きな支えになりました。
ようやく怪我もなおったころ、さらなる壁が落合さんに立ちはだかります。
練習中に腹痛を感じ、病院に行ったところ、そのまま当日に手術。ベッドに寝たままで、食べることも歩くこともできない日々が続きました。笑うことも忘れてしまった日を過ごす中で、ようやく食事をとる許可が病院から出ました。そのときに食べた「おかゆ」の味と嬉しさは忘れられないものでした。
そこから、身の回りの1つ1つのことができるようになっていく中で、「当たり前のありがたさ」や「小さな幸せ」を感じることができたそうです。
その後病気もよくなり、チームにも復帰することができました。怪我、病気を乗り越えたことが評価され、キャプテンに任命されました。結果、見事日本一になることができ、夢だった日本代表選手にも選ばれました。
一番好きな言葉は「ありがとう」です。人は誰でも夢に向けて、上手くいくときもあれば、上手くいかないときもあります。ただ、どんなときでも「ありがとう」という感謝の気持ちを常に持つことは、自分の夢実現への近道へ導いてくれるものになるからです。
また、夢をかなえるには3つのC「Challenge」「Change」「Chance」がポイントです。
なんども挑戦(Challenge)することで、自分や相手、環境などを変え(Change)成功(Chance)する。繰り返すことが夢実現へつながるものに必ずなるからです。
トークの時間の後半は、子供たちひとりひとりが夢シートに、自分の夢と、その夢に向けての取り組みを記入後発表しました。
最後はクラス全員と落合さんとの記念撮影。
90分の夢の時間を存分に楽しむことができました。