象印 ZOJIRUSHI

第5回
山口県 岩国市立美川小学校

夢先生は元バスケットボール日本代表の原田裕花さん!

原田 裕花(はらだ ゆか)
山口県出身。小学生時にバスケットボールを始め、藤蔭高校時代には全日本ジュニアに選出されました。高校卒業後の1987年に共同石油株式会社(現 JX ENEOS)に入社し、同社のバスケットボール部「共同石油サンフラーズ(現JX ENEOSサンフラワーズ)」に所属。リーグ戦開幕前に全日本に選出されるなど活躍し、1年目からリーグ制覇に貢献、新人王に輝きました。翌1988年には膝靭帯断裂の大ケガに見舞われるものの翌年に復帰。リーグと全日本バスケットボール選手権大会の2冠を達成し、カムバック賞を受賞しました。2度のリーグ優勝や全日本バスケットボール選手権大会制覇などチームの黄金期を築きました。個人としても数々の賞を獲得。日本代表主将を務めるなどメンバーとしても実力を発揮、2度目の膝靭帯断裂を克服して1996年のアトランタオリンピックに出場するなどチームの司令塔として日本女子バスケットボール界を牽引しました。アトランタオリンピック終了後に現役を引退し、現在はバスケットボールの普及活動を行いながら北京オリンピックのバスケットボール解説など解説者として、また、スポーツコメンテーターとして活躍しています。

第4回「夢の教室」活動レポート

7月7日(火)、山口県岩国市立美川小学校にて、
第5回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2015」が開催されました。
夢先生は、原田裕花さんが務め、
3・4時間目と5・6時間目に「夢の教室」を行いました。
今回は美川小学校、美和東小学校、美和西小学校、錦清流小学校、本郷小学校の
5校合同開催となり、各校からたくさんのこどもたちが参加しました。

意見交換が大切!何度失敗しても、みんなで協力して乗り越えよう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。この日は台風の影響からか、朝から蒸し暑く汗をかきやすい天気でした。ゲームが始まる前にはアシスタントの井手口さんが水分・塩分補給の大切さを子どもたちに教えてくれました。
その後、夢先生の原田さんが入場し、「だれかひとりのせいにするのではなく、全員で協力してゲームに勝とう」ということをテーマに、ゲームの時間がスタートしました。今回はみんなでひとつのチームとなり、井手口さんと対戦するゲーム。はじめはなかなか勝てませんでしたが、原田さんを中心に何度も作戦タイムで意見を交換することで、チームがまとまりはじめ、最後には井手口さんもあっと驚くようなアイデアでゲームに勝つことができました。原田さんからは「ひとりで闘うより、いろんな意見に触れることが大切だよ。」というメッセージが送られました。

運動して汗をかいた後は、しっかり水分・塩分補給!麦茶と沖縄の塩でつくった、麦茶ソルトドリンクをゲームの時間のあと、みんなで飲みました!

「うまくなりたい」という思いが夢に繋がる。

「夢の教室」後半55分はトークの時間。こどもたちは原田さんのこれまでの経験を聞き、夢について語り合いました。山口県出身の原田さんは小学3年の頃、友達に誘われたことがきっかけでバスケットボールをはじめました。キャプテンを務めた中学3年の頃には、「10年後にはTVでも放送されるような試合で活躍する」という目標を立てました。より高いレベルの環境に身を置くために、原田さんは地元を離れて大分の強豪校へと進学します。先生から厳しい指導を受け、練習後は倒れ込んでしまうほど過酷な環境でしたが、「苦しく、心が折れそうなときでも、決して笑顔を忘れない」ことを心がけ、原田さんは夢中で練習に打ち込みました。するとジュニアの日本代表に選出され、アジア大会で3位を獲得することができたのです。世界のレベルを知ることで、原田さんの目標は徐々に高いレベルのものとなっていき、この時期から「日本代表」という存在を意識するようになります。

常に次のレベルを目指し続け、オリンピックが目の前に。

その後、原田さんは実業団に入団、新人賞を獲得します。3年目には実業団のキャプテンを任されますが、それからは勝てない時期が長く続き、「自分がだめだからかもしれない」と、キャプテンとしての自信を失いかけてしまいます。原田さんは、もともと人前で自分の意見を話すことが苦手でしたが、今の自分のやり方ではいけないのではと考えるうちに、「キャプテンとしてもっと仲間に信頼されること」が必要であることに気がつきました。仲間をそれまで以上に思いやり、練習にも主体的に取り組むうちに、原田さんへの信頼度、チームの状況も少しずつよくなり、8年目にはリーグ戦優勝を成し遂げたのです。
辛い時期を乗り越え、満足のできる結果を得られたことから、原田さんは引退を意識し始めました。しかしその時、アジアで1つしかなかったオリンピックの出場枠が、3つに増えたというニュースが飛び込んできたのです。原田さんは迷わず引退の意思を撤回し、アトランタオリンピックという新たな目標を胸に、再び選手として歩み始めました。

挫折は、乗り越えることができる人にこそやってくる。

そんな矢先、原田さんは海外での試合中、右ひざに選手生命に関わるほどの大けがを負ってしまいます。「オリンピックはもう無理だ」という周囲の声もあり、「なんで自分だけこんな目に・・・」と現実から目をそむけました。
それでも帰国の日、空港まで迎えに来てくれたコーチを目にしたとき、原田さんは怪我と向き合う決意をします。オリンピック出場を懸けた試合は、病棟で観戦することになりました。結果は見事に出場権獲得。原田さんは最後まで一進一退の激戦をものにした選手たちに刺激を受け、復帰へ向けて、リハビリに打ち込みました。やっとの思いでひざの怪我を克服して、出場の夢が叶ったオリンピック。結果は20年ぶりの7位入賞でした。バスケットボールをやれることの幸せと、周りの人への感謝を感じながら、原田さんは思い切り楽しんでプレーできたそうです。挫折や困難は、それを乗り越えられる人にこそやってくるのです。最後には、「乗り越えないといけないものが目の前にあるからこそ、成長できるということを忘れずに、夢に向かって突き進んでください。」というメッセージが、原田さんから送られました。

「夢の教室」を終えて。〜担任の先生と子どもたちの感想〜

「夢の教室」で印象に残ったことは何ですか?
鶴岡先生の話を聞いて、これから夢を叶えるためにやってみようと思ったことはありますか?

白井さん【将来の夢:薬剤師】

白井さん(左)、前田先生(真ん中)、中井さん(右)

ゲームの時間では、チームみんなで協力して成功することができ、チームワークの大切さを学びました。

インターネットでお薬について調べるなど、薬剤師になるための勉強をしていきたいです。

中井さん【将来の夢:ケーキ屋さん】

ゲームの時間では、たくさんの意見を交換することができてよかったです。

ケーキはまだ作れないけど、楽しんでチャレンジしたいです。

横川先生の感想
子どもたちが意見を交換し合う「話し合い活動」をやっていることもあり、今日もたくさんの意見が出てよかったと思います。
子どもたちは、ゲームの時間ではその中でいかに協力し合うか、トークの時間では辛い時を諦めずに笑顔で乗り越えることの大切さを学べたことかと思います。
今後も粘り強い子どもたちを育てていきたいと思います。

原田さん【将来の夢:美容師】

田中先生と平端くん(左)、今井くん(真ん中)、原田さん(右)

今までのさまざまなお話が聞けて、とてもいい経験になりました。ゲームも成功できたので、とてもよかったです。

先生や両親の話をしっかり聞くようにしたいです。

今井くん【将来の夢:テニスプレイヤー】

ゲームの時間では、みんなで協力し合って成功することに達成感がありました。

練習に早く行って自主練をするなど努力を重ねたいです。

平端くん【将来の夢:ラジオのパーソナリティ】

ゲームの時間、チームワークがとても大事だということを学びました。

本の音読をして、話すことが上手になれたらいいなと思います。

田中先生の感想
今後の人生において成功と挫折を両方経験する中で、今回の授業は、子どもたちが「どうすれば挫折などの辛い時期を乗り越えることができるのか」といったことについて考える良い機会となったのではないかと思います。
実際にそのような困難に立ち向かってきた原田さんのお話を聞くことで、子どもたちは自身の夢について真正面から考えることができたのではないかと思います。

開催校について

学校の写真

学校名
岩国市立美川小学校
http://www.mke.edu.city.iwakuni.yamaguchi.jp
所在地
山口県岩国市美川町南桑2365
開校
2002年
児童数
14名(平成27年6月現在)
特徴
平成14年3月31日をもって長い歴史と伝統ある桑根小学校・河山小学校両校に幕が下ろされ、平成14年4月、統合により美川小学校が誕生しました。美川小学校の開校にあたり、新しい校風、伝統を作ろうと児童、職員、保護者、地域の方々と手を取り合いながら取り組んでいます。全職員が一丸となってさらによりよい学校づくりのため、より一層がんばっていきたいと思っています。

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