象印 ZOJIRUSHI

第9回
茨城県 水戸市立内原小学校

夢先生は女子マラソン日本代表の大島 めぐみさん!

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大島 めぐみ(おおしま めぐみ)
埼玉県出身。埼玉栄高校3年時に全国高校駅伝大会に出場。高校卒業後の1994年にあさひ銀行(現 埼玉りそな銀行)に入社、同社陸上部に入部しました。1999年に世界陸上女子5000mに出場。翌2000年にはシドニーオリンピックに出場しました。2002年には名古屋国際女子マラソンで初マラソンに挑戦。3位入賞を果たしました。2003年に、しまむらに移籍。同年の世界陸上、翌2004年のアテネオリンピックでは女子10000mに出場しました。また、2004年、2005年の名古屋国際女子マラソンでは2年連続準優勝を果たし、2005年の世界陸上では女子マラソンに出場。女子マラソン団体戦では銀メダルを獲得しました。2008年にしまむらを退社。以後、プロランナーとして活動する傍ら、IAAFレベルⅠ資格を取得するなど指導者としても活動しています。

第9回「夢の教室」活動レポート

9月13日(水)水戸市立内原小学校にて
第9回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2017」が開催されました。
夢先生は大島めぐみさんが務め、
3,4時間目(5年1組)と5,6時間目(5年2組)に「夢の教室」を行いました。

写真本気で取り組むために、チーム一丸となって勝負しよう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。ゲームが始まる前にはアシスタントの高田さんから水分・塩分補給の大切さについてお話がありました。
ゲームの時間の最初には、大島さんからマラソン大会を控える子どもたちに向けて走り方のレクチャーがあり、子どもたちはその後のゲームでも、胸を張って呼吸しやすい姿勢を保つことを意識して走りました。ゲームは最初から難しい内容でしたが、作戦会議では大島さんを中心にユニークな意見をたくさん出し合いました。クラスで一つの作戦を練って挑んだ結果、見事クリア!最初はばらばらでしたが、意見をまとめてチーム一丸となれば、難しい課題もクリアできることを学びました。

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運動して汗をかいた後は、しっかり水分・塩分補給!ゲームの時間のあと、みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

市の大会がきっかけで見つけた、オリンピック出場という夢。

「夢の教室」後半はトークの時間。大島さんから夢を持つことの大切さを教わり、みんなの夢について語り合いました。授業の最初には大島さんの現役時代の様子が映像で紹介され、大島さんのラストスパートの迫力に、子どもたちから拍手がわき起こりました。
大島さんが小学生の頃、毎朝学校でマラソンがありました。その頃から走ることが大好きだった大島さんは、一番をとるためにスタートラインの立ち位置を変えたり、走るペースを変えてみるなど、色んな作戦を考えたそうです。その結果、5年生になると見事優勝し、学校代表として市の大会に出場することができました。「1番になりたいけれど、さすがに市の大会はレベルが高いだろうなあ。」と心配でしたが、なんとその大会でも優勝することができました。そして、この経験がきっかけで「陸上競技でオリンピックに出場する」という大きな夢を胸に抱くようになりました。 写真

写真自分たちの過ちに気がつき、心を入れ替えてチャレンジ。

「陸上選手としてオリンピックに出場する」夢を叶えるため、大島さんは中学入学後陸上部に入部しました。しかし当時の陸上部には緊張感がなく、練習時間は友達と楽しくおしゃべりをするだけで、少しも走らずに帰る日が続きました。それを見かねた校長先生は、なんと陸上部を廃部にすることを決めてしまいました。それを知った大島さんたちは、はじめて自分たちが間違っていたことに気がつき、校長室に何度も通いつめました。なんとか陸上を続けることを許してもらってからというもの、部員全員が気持ちを入れ替えて、必死に練習に打ち込むようになったそうです。その結果、中学最後の大会では、部員全員が入賞することができました。自分たちの過ちに気がつき、心を入れ替えてチャレンジしたからこその結果です。
中学卒業後、大島さんはインターハイで6年連続総合優勝を果たしている強豪校に進学しました。そこでの練習は本当に厳しく、毎日が戦いでしたが、「オリンピック出場の夢を叶えるためには、必ず乗り越えなければいけない!」とあきらめずに練習に取り組みました。高校1年生から2年生にかけては、瞬発力を鍛えるために、まずは中距離の400mと800mに出場しました。中距離の結果が安定し、高校3年生になると、念願の3,000m長距離でインターハイに出場することができました。大島さんは、その大会で見事優勝。日本一になることでオリンピックの夢がぐんと近づきました。

挫折を乗り越え、大きな自信を胸に。

高校卒業後、大島さんは陸上競技の実業団に加入しました。「インターハイで優勝した子が入ってくる。」その噂は瞬く間にチーム内に広がっていき、大島さんは人とすれ違うたびに「期待してるよ。」「頑張ってね。」と声をかけられるようになりました。しかし、周囲の期待は大島さんを勇気づけるのではなく、大きなプレッシャーとなって重くのしかかりました。思うように結果は出ず、「次回は期待しているよ。」という周囲の応援がプレッシャーとなって大島さんのタイムはどんどん落ちてしまいました。そんな期間が3年間続き、気がつけば陸上を辞めることを考えるようになっていました。ある日、大島さんは監督にそのこと打ち明けました。その時、監督は「一歩も走り出せないほど頑張った子に、もっと頑張れなんて言えないよ。」と、大島さんの気持ちを受け止めてくれたそうです。「確かに今は速く走れないけれど、一歩も走れないわけじゃない。」監督の言葉を聞いた大島さんは、もう一度競技人生に向き合うことを決めました。
陸上を再開した大島さんに、監督が特別なチャンスを用意してくれました。オリンピック出場選手と同じ合宿に参加することになったのです。合宿初日はプロのレベルの高さに驚くばかりでした。一緒に走っていても気がつけば周回遅れになり、実力の差を見せつけられました。それでも周りにいる選手たちの練習法や生活リズムを吸収し、練習最終日にはオリンピック選手を相手にしても、そん色ないタイムで走れるだけの実力をつけることができました。この経験が大きな自信となり、合宿後は世界選手権で5,000m長距離の日本代表に選出されました。その後迎えたオリンピックの選考会。直前に怪我をしたこともあり試合序盤は苦戦しましたが、最後の粘りで3位以内に入ることができ、見事オリンピック出場の夢を叶えることができました。
トークの時間最後には、「夢を叶えるまでに挫折するのは当たり前。大事なことは、辛いときにどうやって乗り越えるかを考えることだよ。みんなも諦めずに頑張ってね!」大島さんから子どもたちにメッセージが送られました。

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「夢の教室」を終えて。〜担任の先生と子どもたちの感想〜

「夢の教室」で印象に残ったことは何ですか?
大島先生の話を聞いて、これから夢を叶えるためにやってみようと思ったことはありますか?

藤枝さん(左)秋山先生(中)山本くん(右) 藤枝さん【将来の夢:救命救急士】

大島さんの夢を諦めない強い気持ちが伝わってきました。

小さなことから人助けをしていきたいです。

山本くん【将来の夢:テニス選手】

プレッシャーに負けずに頑張る大島さんの姿が印象的でした。

日々の練習を大切に、試合を意識して取り組みたいです。

秋山先生の感想
ゲームの時間では、普段意識する機会が少ないチームワークについて考えることができました。
また、後半のトークの時間では、まだ夢を明確に持っていない子もいる中で、これから先の将来を考えるとても良い機会になったのではないかと思います。

根本さん(左)木村先生(中)大嶋くん(右) 根本さん【将来の夢:インテリアデザイナー】

大島さんのオリンピックへの熱い気持ちがとても印象的でした。

家具のデザインを思いつく度に、書き留める癖をつけたいです。

大嶋くん【将来の夢:サッカー選手】

結果が出ずに落ち込んだ後も立ち直れたのは、さすがだなと感じました。

1つ1つの練習を大切にしたいです。

木村先生の感想
ゲームの時間では、男女一丸となって取り組む貴重な機会となり、1人1人の笑顔が輝いていました。
トークの時間では、オリンピックに出場するような選手でも挫折することがある、また挫折は悪いことではないと知ることができました。
子どもたちも、これを機に夢に向かって進んでいってほしいです。

開催校について

学校名
学校の写真 水戸市立内原小学校
所在地
茨城県水戸市内原町1451
開校
1985年(昭和60年4月1日)
児童数
408名(平成29年9月現在)
特徴
本校は,田畑が広がる水戸市の西部に位置します。近年,大型商業施設が出店したことで,住宅地も広がり、児童数も徐々に増えています。自然が豊かで,校内には,四季折々のたくさんの花を楽しむことができ,水戸市花壇コンクールでは,昨年に引き続き2年連続で最優秀賞に輝きました。また,縦割り班活動も活発で,ロング昼休みに行われる縦割り班遊びをはじめ,4色対抗運動会,大縄跳び集会,縦割り班給食など,様々な活動を展開しています。地域の方々との関わりも多く,全校で取り組む米作り活動では,田植え・稲刈り・脱穀などのご指導を頂き,秋には,本校の一大イベントである「もちの木まつり」において地域の方々とのカレーの試食会が開かれます。「一人一人が輝き 充実感・成就感に満ちた笑顔いっぱいの学校」を学校教育目標とし,様々な体験活動を通して,自己肯定感を高めるような教育活動を実践しています。

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