みんなの意見を聞いて作戦を考えよう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。はじめにアシスタントの川股さんから水分・塩分補給の大切さについてお話がありました。簡単な準備運動の後は、クラスで1つのチームになって取り組む課題にチャレンジ。鬼役の川股さんから仲間を守るゲームでしたが、川股さんの足の速さに大苦戦!それでも夢先生の松本さんと一緒になって、たくさんの作戦を練りました。
ゲームの時間最後には、松本さんから「難しいゲームだったけど、みんなの意見を聞いて1つの作戦をやり抜いたね。これからもみんなで作戦を考えて、チーム一丸となって頑張ろう!」とアドバイスがありました。

ゲームの時間のあと、
みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

毎日の練習を楽しみながら、どんどん成長!

「夢の教室」後半55分はトークの時間。松本さんのこれまでの体験談を聞いたり、みんなの夢について一緒になって考えました。授業のはじめには松本さんがオリンピックで活躍する様子が映像で紹介され、子どもたちからは拍手が沸き起こりました。
 松本さんが水泳をはじめたのは小学3年生の頃。バルセロナオリンピックで金メダルを獲得した岩崎恭子さんが通っていたスクールだけあって、オリンピックという存在を近くに感じながら練習していました。当時の松本さんはとても元気なだけでなく、勝負ごとでは一番の負けず嫌いでした。一緒にスクールに通う友達に負けないために、お母さんに相談して選手コースに入り練習の回数を増やしてもらうなど、水泳に打ち込む毎日が続いたそうです。何より水泳が大好きだった松本さん。練習がどれだけハードでも、いつも楽しんで練習に打ち込むことができました。

表彰台に立つために、もう一度頑張ろう。

しかしその後入学した中学校では、部活動に水泳が含まれておらず、松本さんはバスケットボール部に入部することになりました。部活の練習に参加しバスケの魅力に引き込まれるほどに、水泳への気持ちは薄れてしまい、気がつくと練習回数も月二回にまで減ってしまいました。「今も水泳でオリンピックに出たいけど、部活も楽しいし友達との時間も大事にしたい。」と葛藤する毎日。水泳を辞めようと思う気持ちをスクールのコーチに伝えると、「あなたはきっと表彰台に登れるから、週一回でもいいから練習してみない?」と声をかけられ、少し気持ちが楽になったそうです。ちょうどその時期、世界ではアテネオリンピックが開催されていました。北島康介選手が金メダルを2つも獲得し、TVでその様子を見ていた松本さんは、「私にも表彰台に立つチャンスがあるなら、やってみよう!」と、再び水泳への情熱を取り戻しました。

「出たい」ではなく、「絶対に出る!」

 松本さんは2008年の北京オリンピック出場を目指し、高校では水泳部に入部。「オリンピックに出たい」その一心で練習に取り組みました。朝練を始めるなど、練習量も増やすうちにタイムも伸び続け、高校2年生で出場した総体ではなんと優勝。夢への道は順調に進んでいるように見えました。
高校3年生の1年間は、北京オリンピックを翌年に控える勝負の年です。再び全国大会のシーズンがやってきましたが、昨年優勝した記憶のせいか「練習しなくても勝てるかもしれない。」と気のゆるみが生じ、練習に身が入らなくなってしまいました。迎えた本番、松本さんは3位という悔しい結果に終わりました。オリンピックメンバーのリストに松本さんの名前はなく、夢を叶えることができませんでした。自分に対する甘さを許せなかった松本さん。悔しさを抑えきれず競泳人生ではじめて涙を流しました。そして、「オリンピックに出たいと思うだけでは足りない。周りのみんなは絶対に出るという気持ちで頑張っているんだ。」と、気持ちで負けていたことに気がつきました。
松本さんは、気持ちを入れ替えて2012年ロンドンオリンピックを目指しました。2009年の世界水泳で日本代表に選ばれたことが自信になり、2010年、2011年と続けて日本一になることができました。オリンピック出場も視界にとらえ「前回と同じ失敗は許されない。油断せず、最後までタイムを伸ばすんだ!」と決してペースを緩めずに頑張り続けます。そして2012年、松本さんはロンドンオリンピックメンバーに選出され、ついに夢を叶えることができました。その後、リオデジャネイロオリンピックにも出場しました。
「夢の教室」最後には、常に新しい夢に向かって走り続ける松本さんから、「みんなにも夢に向かって頑張ろうと思ってもらうために、私はみんなと約束します。 2020年の東京オリンピックに必ず出場して、かっこいい姿を見せるから、みんなも夢を諦めずに頑張ってね。」と子どもたちに向けてメッセージがありました。