ぼくのごはん
息子はごはんが大好き。
茶色の炊き込みごはんや赤色のチキンライスも好きだけれど、やっぱり白いごはんが一番好き。
そんな息子が1歳6ヶ月の時。食事中に勝手に席を立って、おもちゃのある部屋へ行ってしまい、わたしに怒られたことがありました。その後、ぽろぽろと涙をこぼしながら、一生懸命ごはんを食べている姿を見たときに、楽しくなければいけない食事の時間なのにちょっときつく怒りすぎたと後悔しました。
翌日。おもちゃ箱の整理をしていたら、犬のぬいぐるみの口の中に固くなったごはん粒が。その犬のぬいぐるみは義母に買ってもらったばかりのお気に入りのぬいぐるみでした。大好きなごはんをぬいぐるみにも食べさせてあげたかったのでしょう。それで食事中に席を立ったのか、とひとり納得。
息子のやさしさに怒ったことすらも申し訳なく思ってしまったのでした。
その後。息子には「このわんちゃんはごはんは食べないんだよ」とそっと教えました。
2歳7ヶ月になった今では、「まま わんちゃんは ごはん たべられないんだからねー」と教えてくれます。
ほんの1年とちょっと前の思い出なのですが、ものすごく遠い記憶のように感じます。でも、思い出すと、炊きたてのごはんのようにほわほわと温かい気持ちになるのです。