COLUMN

2020.01.30

SpecialCOLUMN

未来へつなぐ、私のバトン

フジロックを日常へのきっかけに。 届け、マイボトルに込めた願い。

象印マホービン株式会社 出張!給茶スポット サポートスタッフ

象印がマイボトルユーザーを支援するべく、町なかのカフェや日本茶専門店でマイボトルに飲み物を入れてもらえる「給茶スポット」の取り組みをはじめたのが2006年。その後、地域のイベントに赴き、無料でマイボトルにお茶を支給する「出張!給茶スポット」の活動も開始。2011年には初めて、全国規模となる大きなイベントでの「出張!給茶スポット」開催にこぎつけた。それが、今ではすっかり毎年の恒例となった「出張!給茶スポット in FUJI ROCK FESTIVAL」だ。

毎年フジロックが行われる新潟・苗場まで駆けつけ、マイボトルの普及・啓蒙のために給茶サービスを行っている象印。その背景や想いを、現地で活動するスタッフに聞いた。

 

フジロックだからこそ伝わる、マイボトルの魅力と込められた想い

「フジロックは、世界的にも知られている日本最大級の音楽イベント。エコでクリーンなフェスとしても有名で、まほうびんの長所である保温・保冷機能や、ごみを減らせるエコなプロダクトとしての親和性を感じました。こちらから話を持ちかけて、2011年から協賛させていただいたのがはじまりです。」

確かに、フジロックほどマイボトルと相性のいい場所もなかなか無い。音楽を楽しんだあとは、容器ごみが出ず、自然に負荷をかけないマイボトルで冷たく冷えたお茶を飲む。炎天下にもなる苗場の会場では、熱中症対策にもぴったりだ。大自然相手の過酷なフェスだからこそ、まほうびんの良さを実感できる。

「フジロックは世界中から音楽好きが詰めかける日本を代表するフェスティバル。象印のこうした取り組みを世界に向けて発信できるいい機会とも捉えています。来場者だけでなく、取引先の方などからも、『フジロックでの給茶の取り組みっていいよね』と声をかけていただけることも増え、社会的に影響を与えられているという実感もありますね。」

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フジロックが世界的に有名になるに伴い、苗場を訪れる海外の音楽ファンも急増している。象印のブースにも非常に多くの外国人が訪れ、給茶やフォトスポットなどを楽しんでいた。彼らがシェアするSNSを通じて、象印の取り組みが少しずつ世界に発信されていく。

 

マイボトルを広げた、地道な積み重ねと象印の信念

「活動をはじめた当時はまだ、フジロックでの活動が知られてはおらず、ペットボトルとの違いなど、知らない人も多かったんです。」

来場者としっかりコミュニケーションを取って、活動を伝えていく必要があり、大変だったと、当時を知るスタッフは振り返る。

「ブースに来ていただいても、最初は皆さん、『何これ?』という反応がほとんど。会話の中での学びなどから試行錯誤して、説明を工夫したり、POPを作ったり。そうした積み重ねで、やっと認知がここまで広がってきました。給茶スポットで受け付けているのは、マイボトルやタンブラーなど、原則としてリユース可能な容器のみ。ペットボトルの持ち込みは活動の意図と反するため、お断りし続けてきました。そこだけは譲らず、自分たちの信念を曲げずにやり続けてきた結果、今では非常に多くの方にマイボトルを持参いただけるようになりました。」

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「特にここ数年は認知も広がり、たくさんの方々が給茶スポットを訪れるようになりました。とても嬉しいことなのですが、ブース前の進行の妨害にならないよう、列の整理に気を使うなど、別の課題も生まれています。」

 

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給茶スポットを出展しているのは、フジロックのメインステージであるグリーンステージから、会場第二の規模を誇るホワイトステージへと向かう主要な通路脇。多くの方が足を止めてくれる一方、通行の妨げにならないよう、スムーズな列整理に尽力するスタッフの姿が目に留まった。来場者の喉の乾きをサポートし、周りのお客様にも気を配る。まるで給茶スポットが、単なる企業のブース出展ではなく、フジロックの運営そのものと一体になりつつあるかのような印象さえ受けた。

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フジロックに欠かせない、毎年恒例の取り組みへ

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「思い出の共有という意味では、国内外に無料で手紙を送ることができるワークショップも併催しています。デジタル社会の中、手紙を書くというアナログな体験は、お子様はもちろん、大人の方々にもとても喜んでいただけています。ご両親に届けようという若い世代の方々もいれば、母国に送りたいという海外の方もいて、ほのぼのとしていて心温まりますね。海外にも無料で送ることができると伝えると、とても驚かれます。」

象印がフジロックで給茶スポットをはじめて9年。オリジナルボトルの販売や、フォトスポットの設置なども含め、フジロッカーにとってはすっかり毎年の恒例となっているようだ。

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サポートスタッフを社内で公募

ブースには給茶スポットを主催・運営する広報部以外にも、様々な部署から苗場までやってきた社員の姿が伺える。

「毎年、広報部や、運営の支援をいただいているイベント会社のスタッフ以外からも7人ほど、社内のメンバーがサポートスタッフとして参加しています。商品知識を生かせる物販ブースや、人気で人手が足りなくなりがちなフォトスポットなどのお手伝いですね。新入社員からの応募も多く、こうした自社の社会的な活動を肌で感じてもらえるいい機会になっています。」

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「予想以上にブースを訪れる人が多くて、象印の取り組みがここで必要とされていることをすごく感じました。」

そう語るのは、春に入社したばかりの新入社員。

「お客さんから、『(自分のボトルのブランドが)象印じゃなくても給茶していいんですか?』と心配の声をかけられることもあったのですが、企業の枠を超えて、社会のために取り組んでいる活動を誇らしく感じました。」

マイボトルの普及・啓蒙のためであれば、他社のボトルであろうと関係なく、気兼ねなく無料でお茶を提供する。そういった象印の姿勢に驚く来場者も多くいるだろう。

 

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「普段は営業の現場などで、販売店の方を相手に商談をしています。当然、向こうも商品のことをよくご存知で。ただ、こういった場で一般の方に説明をすると、機能やメリットが意外と知られていなかったり、詳しい説明を聞けて喜んでいただけたりするのが新鮮です。もっとしっかり伝えていかないといけないですね。」

 

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社内公募のサポートスタッフは、毎年ここでの経験を仕事に生かしているという。

「フォトスポットで撮影のためにお客様のスマホを預かる際は、ディズニーランドのキャストを見習って、両手でしっかり受け取ったり、手渡したりするようにしています。些細なことですが、そうやって感謝されると嬉しいものですし、そういった心がけをなるべく普段の仕事でもしていきたいですね。」

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お茶で感動を届けたい。老舗店舗としての想い

給茶スポットでは当初、玄米茶を提供していたが、日当たりに弱い性質のため、2年目以降は、象印本社にほど近い、大阪・今福にお店を構える創業150年の老舗『袋布向春園本店(たふこうしゅうえん)』のほうじ茶に切り替えた。冷たいお茶はもちろんのこと、雨が降り、体が冷えたときなどは、温かいほうじ茶にもポンチョ姿のフジロッカーが列をなす人気ぶりだ。

その袋布向春園から、毎年サポートスタッフとしても参加している井上さんにお話を伺った。

「お茶屋をやっている私としては、お茶の『うまっ!』という感動の体験を伝えたいというのもありますね。特に、あまりこうした本格的なお茶に慣れ親しんでいない若い世代や海外の方も多いですから。そうした方に、ここフジロックでお茶のおいしさの感動を味わっていただいて、日常でふと思い出していただけたら。そのきっかけになればと。」

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給茶してもらったほうじ茶を一口飲んでみると、忘れかけていたお茶本来のおいしさが渇いた喉を駆け抜け、思わず「うまっ!」と実際に声に出してしまった。とても無料とは思えないそのおいしさは、きっと多くのフジロッカーにも伝わっていることだろう。

「これくらい長く続けていると、常連になられている方もいて、『今年も来ました!』と声をかけていただけるのは、現場に立っている身として嬉しいですね。大阪の店舗までわざわざフジロックでの感動を伝えに来てくれるお客さんもいるくらいなんです。」

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フジロックから日常へ。象印が届けるバトン

「フジロックという、非日常の場面でこうした活動に触れてもらい、マイボトルの良さを体験いただいて、少しずつ日常でも使ってもらえたら。そのきっかけになれば嬉しいですね。今ではアウトドア用のボトルなども販売されていますが、象印のボトルはこうしたフェスやアウトドアの場面だけでなく、オフィスなどの日常生活でもしっかり使えるのが魅力なので。」

「フジロックといえば、お酒を飲んだり踊ったり、大人が楽しめる場所というイメージもありますが、私たちがブースでやっているのって、お茶を飲んだり、手紙を書いたり、写真を撮ったりという、大人も子どもも、家族で楽しめるような体験が中心。同じように象印も、いろんな世代に愛されるようなブランドになっていければいいですね。」

2011年からスタートした「出張!給茶スポット in FUJI ROCK FESTIVAL」。毎年こうした活動を積み重ね、2020年には10回目を迎える。また、今ではフジロックの他にも、音楽フェスやイベント、環境・ロハス系のイベントなど、大小様々なイベントに出張し、給茶のサービスを行っている。

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フジロックに代表されるように、自然豊かな環境で行われることが多いフェスなどのイベント。繰り返し使えるボトルを通じて、そういった豊かな自然を未来へとつなぐ。一人ひとりがマイボトルというバトンを手にする未来を願い、象印はこれからも普及・啓蒙活動を続けていく。

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*内容は2019年8月取材時のものとなります。

 

FUJI ROCK FESTIVAL

フジロックフェスティバルは、毎年7月末に行われる、国内最大級の音楽フェスティバルです。
3日間で約12万人が来場する、自然と音楽をこよなく愛する人たちのフェスティバルで、
200組以上の国内外の有名アーティストが同時に10以上のステージに出演します。
象印は2011年より協賛し、「出張!給茶スポット」としてマイボトルを持参した来場者の水分補給をサポートしています。
※「FUJI ROCK FESTIVAL」、略称「フジロック」およびロゴマークは、株式会社スマッシュの登録商標です。

提供するお茶について
フジロックフェスティバルでは、大阪・今福にお店を構える創業150年
の老舗『袋布向春園本店』の冷ほうじ茶を提供いたします。
今年も冷たいお茶だけでなく温かいほうじ茶も提供いたしますので、
保温力の優れたまほうびんタイプのマイボトルをご持参ください。
※ボトルの形状・材質によっては温かいお茶を提供できない場合があります。

袋布向春園本店のホームページはこちら

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