仲間と協力して、最後までやり遂げよう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。ゲームが始まる前には、アシスタントの法師人さんから水分塩分補給の大切さについてお話がありました。その後、クラスで1つのチームになって協力して取り組むゲームにチャレンジ。
ゲームの難易度が上がっていくにつれて苦戦しましたが、平瀬さんを中心に何度も作戦会議をし、そのたびにいろいろな作戦を試して、最後には見事クリアすることができました。
ゲームの時間の最後には、平瀬さんから「みんながあきらめずに最後まで頑張ったから、クリアできました。今日のゲームのように仲間と協力すること、あきらめずに最後までやり遂げることはとても大切なことです。」とアドバイスがありました。

ゲームの時間のあと、
みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

上達するために毎日練習!

「夢の教室」後半55分はトークの時間。平瀬さんのこれまでの体験談を聞いたり、みんなの夢について一緒になって考えました。トークの時間の最初には、平瀬さんの現役時代の映像が紹介されました。画面の中で活躍する平瀬さんの姿を、子供たちは目を輝かせて見ていました。
平瀬さんがゴルフを始めたのは小学6年生の時、ゴルフが趣味の一つでゴルフクラブを持っていたお父さんに勧められたのがきっかけだそうです。平瀬さんの両親はとても厳しく、取り組む以上は毎日練習しなさいという方針でした。ボールに紐が付いた練習セットを買ってもらい、毎日学校から帰ると100球打つ練習を一日も休まず続けました。

当時熊本に住んでいた平瀬さんには、県外に出てみたいという思いがありました。そして小学6年生の時に、水泳をしていたクラスメイトが、夏休みの間に大会に出場したことを話してくれました。それを聞いた平瀬さんは、ゴルフを頑張れば今まではテレビの中の世界だった東京や大阪、さらには海外にも行けるかもしれないと思うようになりました。

中学1年生の時初めて出場したゴルフ大会では、歳は変わらないのに、自分よりも上手なゴルファーがたくさんいました。それをうらやましく思った平瀬さんは、「頑張って上達したら楽しいかも」と思い、それまでお父さんに言われてなんとなくやっていた練習を、1つ1つこだわって頑張ろうと思えるようになりました。

ゴルフで結果を残せば、大会でいろんな国に行ける

夏休みに開催される福岡の大会で上位2名に入ると、東京の全国大会に出場できることを知った平瀬さんは、東京に行ってみたいという思いで毎日基礎練習を続けました。そして中学3年生で迎えた大会では見事2位を獲得し、全国大会に出場することができました。初めて東京の試合に出ると、同年代のゴルファーがみんな上手でおしゃれだったそうです。
そして、平瀬さんは全国大会で出会った同年代のゴルファーに勝ちたい、そしてもっといろんな所に行きたいという新たな目標を持ちました。

熊本に帰ると、基礎練習を繰り返す毎日に戻りました。ゴルフをするには、道具、場所代などでお金がかかりますが、ゴルフ場が厚意で練習場所を提供してくれたり、両親も一生懸命働いてサポートしてくれました。
すると、高校1年生の時、全国大会で優勝することができました。日本一になれて、とても嬉しかったそうです。この結果が認められ、ナショナルチームに選出されました。
日本代表として、インド、コロンビア、ハワイ、カリフォルニアなど、生まれて初めていろいろな国の大会に出場することができ、「ゴルフでいろんな場所に行く」という目標を叶えました。

諦めず地道に努力の日々

順調にゴルファーとして活躍していた平瀬さんでしたが、高校を卒業する頃、福岡のゴルフ場のオーナーから、「うちで働きながらプロゴルファーを目指さないか」と誘われ、ゴルフ場に就職することに決めました。いくつかの大学からスカウトの声がかかっていましたが、平瀬さんの家には大学に進学するお金はなく、平瀬さんに残された選択肢はプロになるか、ゴルフをやめて就職するかの2つしかなかったのです。

それから平瀬さんは、ゴルフ場の仕事をしながらお客さんが少ない時間に練習をする生活を繰り返しました。オーナーもゴルフを教えてくれたり、困った時に助けてくれたり応援してくれました。
仕事と練習を繰り返す生活を続け、平瀬さんはプロテストに一発で合格することができました。プロテストは約200人中6人しか合格できない難関で、ゴルフ場のオーナーや、仲間の支えもあり、見事合格しました。

プロになって初めての大会で平瀬さんは、108人中8位入賞を果たすことができました。多くの人に認めてもらい、平瀬さんにとって最高のプロデビューとなりました。しかし、約400人いるプロの中で、試合に出られるのは108人、最初はなかなか試合に出られる機会がありませんでした。プロになっても、福岡のゴルフ場での仕事と練習の繰り返しで、同じ生活が続き、たまに出場する試合でも思うような結果が出せず、このまま試合に出られず終わってしまうんじゃないかと不安に思っていました。

そんな時、ナショナルチームの合宿で指導してくれた鍋島監督のことを思い出しました。監督の指導がとても勉強になったので、東京に住んでいる監督にまた教えてほしいとお願いの電話をしました。それから平瀬さんの熱意が伝わり、東京と福岡の遠距離で、電話を通してメンタル面や練習への取り組み方などのアドバイスをもらいました。少しずつ結果が出るようになり、試合にも出られる機会が多くなってきました。そして、予選では108人中50位で通過できるようになり、本選でも少しずつ上位に入るようになりました。その後もプロの上位50人がもらえるシード権を獲得するなど、結果が出るようになったことで、次は優勝したいという思いが増してきました。

それでも鍋島監督は厳しく「いつも謙虚でいよう、地道に基礎練習を繰り返して上達しよう」とアドバイスをくれたことで、平瀬さんはその通り地道に努力を続けました。
そのおかげもあり、平瀬さんは見事大会で優勝することができました。目標に対する強い気持ちと、一日も休まず地道にやり続けること、応援してくれる人たちへの感謝の気持ちがあったから目標を達成することができたそうです。

最後には「目標をもって一歩一歩進んでいってほしいと思います。みんなも夢を諦めずに頑張ってください!」と平瀬さんから子どもたちにメッセージが送られました。