家族の喜んでいる顔が見たくてはじめた野球

神奈川県の川崎市で育った今野さんのスポーツとの出会いは6歳のときでした。野球一家で育った今野さんでしたが、最初は当時仲のよかった友達と一緒にサッカーをはじめます。しかし、野球をやれば大好きな家族と一緒に過ごせる時間が増え、家族も喜んでくれると思い、8歳からは野球に取り組みました。当時、西武ライオンズに所属していた秋山幸二選手の大ファンで、秋山選手がホームランを打って、バック転をしてホームインする姿を見て、「将来は自分もスポーツ選手になって人を喜ばせられる人になりたい」と夢を持ちました。

自分を好きになる方法を模索した中学生時代

野球をはじめた今野さんにはお手本がありました。それはお兄さんです。お兄さんの練習を観察することで、自分はどうすればうまくなれるか考え続けました。その結果どんどん上達していき、小学校6年生のときにはチームの中心選手として活躍します。そのまま中学でも野球を頑張ろうと思っていたのですが、ご両親の離婚にともない、お母さんと一緒に新潟県長岡市に引越しをしました。それまで練習をみてくれていたお父さん、お手本であったお兄さんがいなくなり、今野さんの野球に対する気持ちも弱くなっていきました。しかし、お母さんから「野球で頑張っているところを見たい」と言われたことで、改めて野球を続けることを決めます。それでも野球を続けながら、「なぜ自分は野球を続けるのか?」という思いもあったそうです。家族の喜ぶ顔が見たくて始めた野球でしたが、自分が野球を好きになるには、一生懸命に努力する自分を好きになることが必要だと思い、進んで自主練習を続けました。結果、甲子園に出場することはできませんでしたが、チームとしても自分としても納得のいく結果を残すことができ、自分自身のことも認めることができようになったそうです。