「夢の教室」の前半は、体育館で行う「ゲームの時間」からスタートしました。まずは集まった児童たちにこの時間の感染症対策に関するルール説明。そしてその後、水分・塩分補充の大切さについてお話がありました。
「ゲームの時間」では、進行をするアシスタントから出題されるゲームの課題を夢先生の小林さんとみんなで協力して、チャレンジしていきます。課題をクリアするたびに、ゲームのレベルはどんどん上がっていきますが、途中で小林さんと子どもたちの作戦タイムをはさみ、どうすればゲームをクリアできるのかを一緒に話し合い実行しました。
みんなで考えた作戦で、見事最後のゲームまで、すべての課題をクリアすることができました。
憧れの人の存在と、初めてできた夢
夢の教室の後半は、教室でトークの時間。小林さんが夢に出会ったきっかけから夢をかなえるまでにどんな経験をしてきたのかを聞いたり、子どもたちの夢について一緒に考えました。
小林さんがサッカーを始めたのは、小学1年生の時です。お兄さんがサッカーをしている姿に憧れたのがきっかけです。この頃小林さんは、サッカーだけでなく、水泳やピアノなど、他の習い事もやっていました。どの習い事でも自分の中で小さな目標を作り、それを達成できるように一生懸命工夫していたそうです。例えば、サッカーのリフティングの練習では、最初は5回、次は10回、と回数を少しずつ増やしていくことで、何回もできるようになりました。
中学生になった小林さんは、サッカーを上達するためには、強いチームで練習する必要があると考えて、部活動ではなく、クラブチームに入りました。隣の練習場では、日本で一番強い女子サッカーチームが練習しており、そこで小林さんは自分の目標となる人を見つけました。
小林さんが中学3年生の時、オリンピックが開催されました。そのオリンピックでは、初めて女子サッカーが正式種目として採用され、その日本代表チームに、小林さんが憧れている人も選ばれていました。この時初めて、自分もその人のように「オリンピックに出場したい」という夢ができたそうです。好きなことを一生懸命続けてできた、小林さんにとっての初めての夢でした。
夢をかなえるために、自分の苦手なことにもチャレンジ!
ボールを蹴る練習、止める練習などをたくさん繰り返し、サッカーの技術をたくさん磨いた小林さんは、憧れていた人と同じチームに入ることができました。しかし、周りの人は自分よりもさらにサッカーがうまいので、なかなか試合に出られませんでした。試合に出られる日があっても、10分ほどしか出場できなかったそうです。
そこで小林さんは、どうして試合に長時間出させてもらえないのかを考えました。その原因は、自分の体力でした。練習中も周りの人と同じタイムで長距離を走ることができずにいたので、それを改善するために、好きな練習ばかりに取り組むのではなく、苦手だった走る練習にも前向きにチャレンジしました。それを継続することで、周りの人との差を埋められるようになり、試合にも少しずつ出られる回数が増えていったそうです。
夢を叶えるためには、時には苦手なことにも取り組まなければならない時があります。そんな時は、周りの人と比べるのではなく、自分のペースでやってみましょう。また、自分が不得意なことでも、それを頑張っていれば、応援してくれる人や、それを支えてくれる人が必ず現れます。反対に自分の周りで、頑張っている人がいたら、今度は自分が応援しましょう。そのようにして周りの人と励まし合いながら、一生懸命頑張ることが、大切です。
努力はつらいことではなく、自分で考えて行動すること
小林さんは試合でも活躍できる場面が増えました。その姿が日本代表チームの監督の目に留まり、ついに日本代表に選ばれました。そのタイミングでオリンピックの予選大会があったのですが、負けてしまい、オリンピックには出られませんでした。オリンピックに出場するためにはさらに努力が必要です。努力と聞くと、しんどいこと・辛いことというイメージがありますが、小林さんにとって、努力とは自分で考えて行動することでした。日本がオリンピックに出場するためには、海外のチームに勝たなければなりません。だから、小林さんは海外でサッカーをすることを選びました。日本とは文化も言葉も異なり不安でしたが、小林さんはとにかく自分の知っている言葉で挨拶や感謝の思いを伝え続けました。そのように自分ができることを精一杯続けた小林さんは、自分の成長を実感でき、日本に帰ってきてからできることが増えたそうです。
そして、ついに2回目のオリンピック予選。オリンピック出場には、今までなかなか試合で勝つことができなかった朝鮮民主主義人民共和国に勝たなければなりませんでした。その大一番の試合でも勝つことができ、見事オリンピック出場を果たし、小林さんは自分の夢をかなえることができました。
「トークの時間」の最後には、子どもたちも自分の夢を発表してくれました。アナウンサー、エンターテイナー、医者、声優など、たくさんの夢がありました。小林さんも私たちもそんなみなさんの夢がかなうことを願っています。
佐野さん
【将来の夢:声優】
小林さんがあきらめずに努力し、夢に向かって頑張っているのがすごいと思いました。
言葉に感情を表すことができるうようになりたいです。