象印 ZOJIRUSHI

第3回
和歌山県 和歌山市立四箇郷北小学校

夢先生は元シンクロナイズドスイミング日本代表の石黒由美子さん!

写真

石黒 由美子(いしぐろ ゆみこ)
愛知県出身。1992年にザ・クラブピア・88に入団、シンクロナイズドスイミングを始めました。2001年にFINAジュニアワールドカップに出場。チーム2位となりました。翌2002年には日本選手権水泳競技大会シンクロナイズドスイミング競技でデュエット3位。同年に行われたスイスオープンに日本代表として出場し、チームとコンビネーションで優勝を果たすと、2004年大会まで3連覇を達成しました。2007年の同大会では、ソロ、チーム、コンビネーションの3部門で優勝。2008年の北京オリンピックでは5位入賞を果たしました。また、同年のワールドトロフィーにも出場し、チーム4位、コンビネーション5位の好成績を残しました。同大会を最後に現役を引退。また競技と両立して、愛知教育大学で幼稚園から高校までの教員免許を取得しました。神戸大学大学院を経て、現在は奈良女子大学大学院にていじめ問題をテーマに研究する一方、全国で講演活動も行っています。

第3回「夢の教室」活動レポート

6月5日(金)、和歌山県和歌山市立四箇郷北小学校にて、
第3回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2015」が開催されました。
夢先生は、石黒由美子さんが務め、3・4時間目(5年1組)と
5・6時間目(5年2組)に「夢の教室」を行いました。

写真あきらめずに、チームプレイで乗り越えることが大切。

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。蒸し暑いこの日は、体を動かすゲームで子どもたちも汗だくに。ゲームが始まる前には、アシスタントの式田さんから水分・塩分補給の大切さについてのお話がありました。
最初のゲームは、チーム戦。残り時間のカウントダウンが始まっても、子どもたちはあきらめず、チーム一丸となって仲間を応援しました。ゲームの時間最後は、クラス全員でチームを組み、校長先生と勝負!勝つためにいろんな意見を出し合い、一生懸命頑張りました。石黒先生からは、どんなスポーツでもチームワークが大切!というお話がありました。

写真

運動して汗をかいた後は、しっかり水分・塩分補給!麦茶と沖縄の塩でつくった、麦茶ソルトドリンクをゲームの時間のあと、みんなで飲みました!

失意の中で見つけた夢が、大きなチカラに。

「夢の教室」後半55分はトークの時間。石黒さんのこれまでの経験を話したり、子どもたちと一緒に夢について語り合いました。
石黒さんは小さいころ交通事故にあい、目と耳が不自由になっただけでなく、記憶まで失ってしまいます。失意の中、治療を続けていた石黒さんでしたが、ある日テレビで流れていたシンクロの放送を目にして、一つの大きな夢を抱きます。それは「シンクロでオリンピックに出る!」というものでした。それからは夢に向けて、お母さんと二人三脚の日々を過ごしました。事故の影響で言葉を話すことができなかった石黒さんは、学校でいじめを受けるなどつらいことがたくさんありました。それでも、シンクロが少しでもうまくなるようにと毎日学校で人知れず練習を続けました。当初はまっすぐ泳ぐこともできなかった石黒さんですが、日々の努力が実を結び、ついには関西選手権で優勝を手にすることができたのです。
写真

写真夢への強い気持ちがあれば、治らない病気なんてない。

着実に夢に向かって歩みを進める石黒さんでしたが、中学一年のころに再び試練が訪れます。腎臓病という重い病気にかかってしまったのです。お医者さんからずっと寝たきりかもしれないと言われ、石黒さんは「もう治らない、オリンピックには出られないかもしれない。」とひどく落ち込みました。それでも、「オリンピックの選手になるんだから絶対に自分で治すんだよ」というお母さんの言葉を胸に、その後も練習を続け、高校二年生のときに全国選手権で二位になることができました。
当時、石黒さんの泳ぎは、「最初の30秒は断トツでうまいのに・・・」と言われていました。病気の影響で石黒さんには、最後まで泳ぎ切る体力がなかったのです。しかし、これを聞いた石黒さんは「病気さえ治れば必ず優勝できるはず!」と前向きに捉え、自信を持って泳ぐようになりました。そして高校三年生でついに日本代表に選出。しかも、信じられないことに、腎臓病という重い病気も克服していたのです。夢へと向かう強い気持ちは、自分を変える大きなチカラになると実感した瞬間でした。

夢はたまたま叶うものじゃなくて、自分でつかみ取るもの。

シンクロで結果を出し始めた石黒さんですが、大学二年のときに大きな挫折を味わうことになります。この年は、アテネオリンピックの選考会がありました。補欠を含め9人が選出された中、石黒さんは10位と、あと一歩のところでオリンピック出場を逃したのです。石黒さんは大きなショックを受け、頑張ることが嫌になりました。しかし、それから立ち止まって考え直すうちに、石黒さんは自分がうぬぼれていたことに気がつきます。それからは、自分のためだけではなく、お母さんやサポートしてくれている人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、また、「夢は必ず叶う」ことを証明するために、謙虚な気持ちで毎日の練習に励みました。そして迎えた、北京オリンピック選考会。石黒さんは8位で代表メンバーに選出されました。夢に見た、オリンピック。大会当日は、お母さんの誕生日だったそうです。これまでで一番の恩返しになった、これも必然だったんだと話してくれました。
授業の最後には、これまでのエピソードを振り返り、「夢は偶然叶うものではなく、必然的に叶う。自分でつかみ取るものなんだよ。」と子どもたちへ熱いメッセージが送られました。

写真

「夢の教室」を終えて。〜担任の先生と子どもたちの感想〜

「夢の教室」で印象に残ったことは何ですか?
石黒先生の話を聞いて、これから夢を叶えるためにやってみようと思ったことはありますか?

古久保くん【将来の夢:野球選手】

古久保くん(左)岩﨑先生(中)山口さん(右)

夢はあきらめなければ必ず叶うということを学びました。

毎日コツコツと練習を続け、努力したいと思います。

山口さん【将来の夢:警察官】

努力をすれば夢は必ず叶うということを学びました。

恐れずに夢への道を突き進んでいきたいです。

岩﨑先生の感想
いつも子どもたちに夢を持つことの大切さを教えるように心がけておりましたが、石黒先生のお話を聞いて新たに気づかされる部分が多く、夢に対する本当の姿勢を学ぶことができたと思います。特に、ピンチになっても諦めずに夢を追いかければ、きっと実現するということが子どもたちに響いていたのではないかと思います。
今日学んだことを、今後は私の口からも子どもたちに伝えていければと思っています。

雲出くん【将来の夢:宇宙飛行士】

道尻さん(左)増田先生(中)雲出くん(右)

どんな悲しいことも、頑張れば乗り越えられるということを感じました。

宇宙や星に関する本をたくさん読んで勉強したいと思います。

道尻さん【将来の夢:キャビンアテンダント】

ゲームがとても楽しく、授業では気持ち次第で夢は叶うんだということを学びました。

なんでも一生懸命頑張り、外国に行ってみたいです。

増田先生の感想
「すべては偶然ではなく、必然なんだ」という石黒先生のお言葉が強く印象に残っており、気持ちさえ負けなければ、オリンピックにも出られるし病気も治るんだということを感じました。
これから苦しいことや悲しいことがたくさんあっても、あきらめなければ夢は叶うんだよということを子どもたちに伝えていければと思います。

開催校について

学校の写真

学校名
和歌山市立四箇郷北小学校
http://www.wakayama-wky.ed.jp/sikagokita/
所在地
和歌山県和歌山市有本321番地
開校
1979年
児童数
344名(平成27年5月現在)
特徴
正門を入るとまず目に飛び込んでくるのが校舎壁面に書かれた「ゆめ」の2文字。「子どもたちと先生、また保護者の方々と地域の皆さんが手を携えて“ゆめ”いっぱいの学校をつくりたい!」そんな願いのこもった言葉です。
開校以来37年目を迎える本校は、和歌山市を流れる紀ノ川の河口近くにあり、河川敷公園や田畑など自然に恵まれた地域にある学校です。そんな環境のもと、理科・生活科を中心に研究を進めており、子どもたちのもつ「ふしぎの心」や「科学の芽」を育てることに力を注いでいます。また、本年度の科学技術分野の文部科学大臣表彰では「創意工夫育成功労学校賞」を受賞しました。

開催校一覧に戻る ユメセンサーキットトップに戻る