象印 ZOJIRUSHI

わが家の自慢料理

第12回 象印・わが家の自慢料理コンテスト 入賞作品
第12回「象印・わが家の自慢料理コンテスト」、料理研究家の土井善晴氏の厳正な審査の結果、「最優秀賞」(1点)をはじめ、「優秀賞」(1点)、「入賞」(5点)、「特別賞」(1点)が決定しましたのでご紹介いたします。
土井先生 総評
とても共感できるお料理ばかりでした。コンテストの意図、意義がよく理解されて、とても良い応募内容でした。家庭料理の工夫は、家族の健康、気遣い・・すべて食べる人への愛情によるのだと思います。作り手の都合や満足で、工夫されたことではなくて、食べる人のことを思って作る料理こそが家庭料理だと思います。すばらしい料理コンテストだと思います。

象印賞-最優秀賞
1点
賞品:ご希望の象印製品20万円相当+商品券10万円

作品名:餃子ボール
餃子ボール
作者 たかはし 様
コメント
これは、私が育ち盛りの頃、母がよく作ってくれたものです。これが夕飯に出てきた時は、嬉しくて仕方が無かったのを覚えています。でも、私たちが成長するにつれ父の健康を気遣ってか、あまり揚げ物を作らなくなってしまったので、いつしか忘れられたメニューとなっていました。しかし、父の還暦祝いの際に「若い人も来るから・・・」と久しぶりに作ってくれました。
従弟たちも久しぶりの餃子ボールを見て「懐かしいな」「いつも持ってきてくれるのを楽しみにしていたよ」と大喜びしていました。唯一初めて食べたのは私の主人です。「これ、すごく美味しい。家でも作ってよ」と。我が家に戻り、早速作ってみましたが、餃子の具を作って、豚肉で巻いて、衣を付けて、オーブンで焼いて、最後に油で揚げる・・・自分で作ってみると結構手間がかかる。それを母は従弟家族へおすそ分けする時など、時には20個以上も作っていたのです。大変そうな顔一つしないで。改めて母への感謝と尊敬の気持ちが湧いてきました。
今、我が家の息子は10歳。餃子ボールが大好きで、食べている時から「これ美味しいよね。今度いつ作ってくれる?」と言います。私は「結構作るの大変なんだよ」と、つい余計な一言出てしまう。やっぱり、母にはまだまだ遠く及ばないのかな。

土井先生のコメント
さまざまな野菜を具にして餃子の具を作る。それを豚の薄切り肉で巻いてオーブンで焼く。さらに油で揚げるというとても手の込んだ料理。添えられたたかはしさんのコメントにも、「結構作るのが大変なんだよ」と家族のリクエストに答える。実はお母様のレシピを再現してみて気がついたこと。そこに、「ありがたい、感謝」って気持ちが現れていて、すばらしいと思います。料理の作り方を省略して合理的にできるかもしれないけれど・・・一度オーブンで焼いてから揚げるところに、きちんと火を通したものを、安心できる食べ物を、子供たちに食べさせようとする思いが、この「作り方」に現れていると思います。すばらしいお料理ですね。たかはし家のご馳走として作り続けてください。おめでとうございます。
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優秀賞
1点
賞品:象印圧力IH炊飯ジャー+商品券3万円

作品名:お宝入りロールキャベツ
お宝入りロールキャベツ
作者 風穴 様
コメント
このレシピは母から受け継いだロールキャベツです。野菜はたっぷり、お肉は豚と鶏を合わせることで食感の違いを楽しめます。そして一番のポイントはうずらの卵が隠れていることです♪
子供のころ、兄弟でうずらの卵が入っている部分を取り合いして見つけた時は宝物を見つけたような気分になりました。
母は他界していますので、どうしてロールキャベツにうずらの卵が入っているのかそのわけは未だにわかりませんが楽しく食事ができるように母なりの工夫だったのかな。だから、今でもこのロールキャベツを作ると子供のころに返って「うずら見っけ〜」と楽しんでます。

土井先生のコメント
肉や野菜を何種類も具に混ぜ合わせるのは、「家族の健康」と「材料をきちんと使い切る」という母心の現れでしょう。とても家庭的で良いお料理だと思います。うずら玉子は、昔私たちが子供の頃のお母さんたちは、よく使ったように思います。小さな玉子というだけでかわいくて、子供たちは大好きです。とても共感できる一品です。大切になさってください。おめでとうございます。
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入賞
5点
賞品:象印VE電気まほうびん+商品券1万円

作品名:三種鶏の胡麻甘辛煮
三種鶏の胡麻甘辛煮
作者 久戸瀬 様
コメント
この鶏の甘辛煮は、祖母の味、母の味、私の味と変化しています。
祖母は鶏もも肉のみを甘めに祖父の日本酒のおともによく作っていました。祖父が楽しそうに吉本を見ながら、”うまいなぁ〜”と美味しそうに食べていたのを覚えています。
母は鶏もも・むね肉を一緒におかずとして作り、私は母のプラス、レバーと練り黒ゴマを加えて作ります。
ご飯にも、おつまみにもぴったりでご飯がすすみます。
そして、季節によって、山椒や新生姜・ねぎを加えたり味の変化も楽しむができます。
今はお弁当のおかずにも大活躍しています。次はいつか娘たちがどんなふうに作ってくれるか楽しみです。

土井先生のコメント
胡麻の旨味と強い香りをショウガの辛みでキリッと引き締めています。調味料の選び方も日常の料理の豊かさを感じます。工夫に嫌み、無理がなくて、センスの良い一品ですね。
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作品名:熱々とろ〜り豆腐の豚肉巻きキムチ餡かけ
熱々とろ〜り豆腐の豚肉巻きキムチ餡かけ
作者  松田 様
コメント
15年近く前、主人が高脂血症になった事でこれまでの食生活を見直す事になり、その最初に作ったのがこの料理でした。
まだまだ食欲も旺盛な年頃だったので、沢山食べたいけれどでもヘルシーにしたい、そんな思いから作りました。
豚肉も油を切り落としローカロリーになる様にと工夫をし、餡かけにする事で体も温まりキムチの辛みで体もぽかぽかに。
料理は「ただ美味しい」だけではなく、家族の健康も考えていかないといけないなぁと思ったきっかけの料理です。

土井先生のコメント
ご家族の健康に気を配って作られた一品です。少量の豚赤身肉で満足できるようにと、食感や味付けのコントラストに工夫されています。お料理はまさに家族を思う愛情。敬服いたします。
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作品名:鰯のサンバ
鰯のサンバ
作者  成澤 様
コメント
良質のたんぱく質を多く含み、血中のコレステロールを下げたり、脳を活性化させるとまでいわれる鰯。そんな優等生をもっと食卓に、そしておもてなしにもと考え進化していった料理です。
カラッと揚がった鰯とにんにくとしょうがの香りが食欲をそそる甘辛だれはとても相性が良く、ごはんにぴったり。子供からお年寄りまで喜ばれるおいしさです。
鰯に薄力粉をまぶしたり、揚げた鰯と野菜をたれに漬けて盛りつけるのは子供の仕事。
最近は手際が良くなってきて、自分たちでたれを計量して準備してくれるようになりました。
つまみ食いで半分くらいになり、大笑いすることもばしば。そんな時間を大切にして、これからも家族や友人と一緒に作り、食べて、おいしさを共有する時間を沢山作っていきたいと思います。
野菜は季節に応じて色々な野菜を加えて楽しめます。サンバのように色とりどりでウキウキする気持ちからみんなで名付けました。

土井先生のコメント
一緒に子供たちとお料理する楽しさが伝わってきます。お魚が好き、それも鰯。
鰯は下準備が他の魚よりも簡単。子供たちだってできますよ。魚に触れることも、食べることも大好きになると思います。子供たちと自然体で美味しく食べられるお料理を、ご応募してくださったことが、とても嬉しく思います。
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作品名:華流海老しんじょ揚げ
華流海老しんじょ揚げ
作者  宇田 様
コメント
中国に駐在していた頃、社員食堂では、日本人の口にあうよう、コックの小姐が様々な工夫を凝らして、和食を作ってくれました。
最初の頃は、味噌汁が出汁ではなくお湯溶きだったり、お土産のたくあんは大きな塊のぶつ切りにされていたり、とても和食とは呼べないような物も沢山登場しましたが、私も暇を見つけては、仕事の合間に調理指導をして、だんだん上手になってゆきました。
今までに教えた数々の料理の中でも、特に人気が高く、頻繁に食卓に上ったのが、この海老しんじょ揚げです。
これは、私自身が現地の食材を使って発案したレシピで、日本では作ったことがなかった為、帰国してから作ろうとしたら、どうやら長芋の種類が違ったらしく、上手く作れませんでした。
中国の長芋は、すりおろした物だけで揚げても形が崩れたりしないのですが、日本の長芋は中国の物より粘りも水分も多く、上手く整形できないのです。
そこで、繋ぎの食材を足すことを思いつき、いろいろ試した結果、おからの採用が決まりました。
つけダレは当時小姐がよく作ってくれたピリ辛醤油を添えて、いただきます。

土井先生のコメント
お料理のなかに、ご家族の暮らしの歴史がきちんと入っているのですね。日本に戻られてからも大切に、日本の食材でも作れるようにアレンジされて、作り方を教えてくれた小姐もご家族も皆さん喜んでおられることでしょう。誇れる一品です。ピリ辛醤油がいいですね。
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作品名:ロール酢麩多(すぶた)
ロール酢麩多(すぶた)
作者  水谷 様
コメント
いつもは酢豚を作る時、下味をつけたり油で揚げたりと手間がかかるのですが、石川に伝わるすだれ麩の食感が肉に似ている事を利用してためしてみたら、好評だったので見映えもおしゃれな酢麩多が生まれました。
野菜が好きでボリュームのあるメニュー好きの人には野菜は炒めて作り、野菜のにがてな孫達が食べる時は、みじん切りの野菜を添えるとロース酢麩多を食べて残った野菜迄甘酢あんにからめてご飯にかけて完食!!
今日頃々は、孫と一緒に作る楽しいメニューの一ツになっています。
ロール麩多の両端は、豚のゆで汁と水を加えるとおいしい味噌汁も作れてごちそうが一品プラス!!

土井先生のコメント
日頃からお料理をいろいろ工夫されているのでしょう。お料理作るのが大好きって感じが伝わってきます。華やかな食卓、ご家族は幸せですね。
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特別賞
1点
賞品:象印IH調理器

作品名:リチャリチャ鶏
リチャリチャ鶏
作者 福田 様
コメント
「COOKINGBOOK」
大学を卒業して家を出る時、母に一冊のファイルをもらいました。子供の描いたようなイラストの表紙。
エプロンをしたふくろうがボールを抱えてお料理中です。大きな文字で「COOKINGBOOK」と書いてあり、ところどころマーカーで色が塗ってあります。
思わず苦笑いをしてしまいました。それは、私が小学校の時に描いたらくがきでした。
私が幼い頃、父の仕事の都合でインドネシアのジャカルタという所に住んでいました。
3歳から中学校に上がるまでですから8年程滞在していたと思います。
当時母は在インドネシアの邦人や、邦人と結婚した現地の女性に料理を教えていました。
主に日本の家庭料理ですが、中華料理やインドネシア料理も教えていたと思います。
その頃のインドネシアの日本の食材は高価だったため、現地の市場やスーパーで手に入るものや、比較的安価な中華の食材、缶詰、瓶詰め等をよく使っていました。
子供の私にとってインドネシアの食事は「臭かった」。スパイスの匂いや肉、魚の匂いが駄目。特に白飯の匂いが一番駄目でした。(アジア米独特の香り。今は大好きですが。)
その中で、母の料理はごく普通に美味しかった、と記憶しています。あたりまえのことのようですが、思いかえせば本当に色々な工夫がしてあったと思います。
受け取ったふくろうの「COOKINGBOOK」とは、その当時の料理教室のレシピと写真が一品ずつファイリングされているものでした。
お菓子からおかず、常備菜など、全部で56品。母のメモ付き。
注意事項!
「現地の魚は脂が少ない。一度揚げてから煮るとパサつかない」「ザーサイの缶詰は一度お湯をかけて塩っぽいので」「現地の豆腐は固いので水切りはしないで」…
今読むと母の工夫が本当に良くわかります。
今回応募させていただいたレシピはその中からの抜粋です。と、言っても母がインドネシアの材料で作っていたレシピは日本では逆に手に入らないものがあったり、材料が高価だったりしてするものが沢山あります。なので、今度はそれを一人暮らし東京版として作り直したものです。
私は母のように伝える娘はいないのですが、こういう場を借りて、誰かに「我が家の味」を伝えられたら素敵だなあ、と思います。

土井先生のコメント
お母様からもらった一冊の料理ノート「COOKINGBOOK」。娘に伝えるために残された調理のポイントにお母様がいかに、まじめに丁寧にお料理を作られていたのかが伺えます。手抜きしない料理のすばらしさですね。感動です。大切になさってください。とてもいいもの教えてくださってありがたいです。
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