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電子レンジイメージ

「常識破り」な電子レンジを
開発した象印の勝算

「真の調理家電」を目指し、
技術力を注ぎ続ける

AD:象印マホービン
制作:東洋経済企画広告制作チーム
※2022年7月29日に広告企画として掲載

2022年7月27日、象印マホービン(以下、象印)がオーブンレンジ「EVERINO(エブリノ)」の発売を発表した。この「EVERINO」には食べること、作ることを「毎日」「みんなに」「楽しんで」ほしいという願いが込められ、“まいにちの、みんなの、とことん使えるオーブンレンジ” というコンセプトが掲げられている。

多くのメーカーがひしめく電子レンジ市場に新たに参入したのは、生活者が従来のレンジに不満を持っていることがわかったからだ。日常的に調理に使ってもらえるレンジをお客様に届けたい――。調理家電の雄だからこそ開発できた新発想のオーブンレンジは、いかにして生まれたのか。その挑戦を追った。

オーブンレンジの「理想と現実」

国内だけで1200億円超の電子レンジ市場※1。そのうちの半分近くは、レンジの単機能だけでなくオーブンやグリルの機能が付いたオーブンレンジだ。また、オーブンレンジの約半分を占める高機能モデルには「過熱水蒸気」「2段コンベクション」などの調理機能が搭載されている。

高機能モデルを購入するユーザーはこれらの機能を駆使し、調理を存分に楽しんでいる――。というのは「理想でしかない」と話すのは、象印の技術開発室室長、山根博志氏だ。

象印マホービン
執行役員 生産開発本部副本部長 兼 技術開発室室長
山根 博志 氏

「クッキーを焼いたり鶏の丸焼きを作ったりするのは、一年でも特別なときだけ。リサーチしたところ※2、実は普段は温め機能を使うことがほとんどで、オーブンレンジによる調理はあまり行われていないという実態が明らかになりました」

象印の調べによると、実はレンジ・オーブンレンジ※3所有者の3人に1人は、現在所有している電子レンジに不満を持っているという。その主な内容は次のとおり。

  • 温度ムラができる(47.2%)
  • 調理に時間がかかる(23.4%)
  • 揚げ物などの総菜をレンジ機能で加熱した際のベチャつきが気になる(22.0%)
  • 機能が複雑で使いこなせない(16.5%) など

これらの不満が、レンジ調理は使いにくいというイメージを生み、温め機能中心の使い方につながっていたのだ。

ただ、食材を中から加熱するレンジ機能、外側に焼き目を付けるグリル機能、じっくり加熱するオーブン機能をうまく使えば、効率よくおいしく調理できることも事実だ。既存のオーブンレンジに対する不満点を解消すれば、特別なときだけでなく普段からレンジ調理を楽しむことが可能になる。そうした考えが、調理家電で長年の実績を持つ象印を動かした。

「象印は、生活者の視点に立ち、普段の暮らしで本当に喜んでもらえる製品を提供する『日常生活発想』を開発思想にしています。生活者のニーズが明らかになった以上、そこから発想して新しい電子レンジを開発することが私たちの使命でした」(山根氏)

※1 象印の推計による

※2 調査時期:2022年4月14日~18日。インターネット調査。対象者600人(20歳~69歳の既婚男女で、レンジまたはオーブンレンジを所有し、週に1回以上料理をする人)

※3 レンジ:主に温めだけの単機能レンジ
オーブンレンジ:グリル機能やオーブン機能などもある多機能レンジ

レンジとグリルの
自動切り換えで素早く調理

山根氏の「レンジを真の調理家電にしたい」という想いから、象印のレンジ参入プロジェクトは始まった。ただ、生活者のニーズを起点とした開発となるため、当然これまでどおりの機能を搭載すればよいわけではなく、イノベーションが求められる。象印は試行錯誤の末、生活者の不満を解消する3つの新機能を開発し、「EVERINO(エブリノ)」に搭載した。

1つ目は、「芯まで レジグリ」だ。これはレンジとグリルを、自動で切り換えてくれる機能。例えばハンバーグなら先にレンジ機能で中まで素早く熱を通し、その後、グリルで表面に焼き目を付けておいしく焼き上げる。

レンジとグリルの自動切り換えは簡単に思えるかもしれない。しかし、「従来はレンジとグリルで2回の調理や操作が必要。場合によっては庫内の角皿を替えなければならず、それが『調理に時間がかかる』という不満にもつながっていました」(山根氏)

この課題をどうやって解決したのか。開発チームの1人、石井琢也氏は次のように解説する。

象印マホービン
技術開発室 マネージャー
石井 琢也 氏

「角皿にはレンジのマイクロ波を通すセラミック素材のものを使用することで、角皿を取り替えることなく1回の操作でレンジとグリルの連続使用を実現しました。レンジの特性とグリルの特性を有効に活用するため、時間のかかるハンバーグも約13分※4という非常に短い時間で、しかもおいしく調理できます」

「レジグリ」機能で作ったハンバーグ

この機能は、レンジ利用者の不満としても多い「調理に時間がかかる」を解決する機能といえるだろう。

さらに、いつもより大きく肉厚のハンバーグを焼き上げたければ、時間は「レジグリ」よりも少し長い約27分※4かかるが、グリルからレンジに自動で切り換える「グリレジ」が便利。

「グリル機能で表面を焼き上げ、旨味を閉じ込めた後、レンジ機能で素早く中まで加熱すれば旨味をギュッと閉じ込めたハンバーグがおいしく仕上がります」

2つ目は、揚げ物の温め直しが時短でできる「揚げ物 サクレジ」機能だ。

「揚げ物をレンジで温め直すと、外側がベチャッとしがちです。そこでEVERINO(エブリノ)にはサクサクに仕上げたいときの『サクレジ』機能を搭載。買ってきたお総菜の揚げ物も、レンジ加熱で中を温めてからグリル加熱で衣をサクッと焼き上げられ、短時間で温め直しができます」(石井氏)

※4 象印の「お料理ノート」による

レンジ調理をもっと身近にする
新発想※5「全方位あたため うきレジ」

3つ目のイノベーションは、「うきレジ」だ。これは食材を浮かせて温めるというこれまでにない新しい発想の仕掛けだ。開発チームの稗田雅則氏は「お客様の最も多い不満である『温度ムラ』を解消したかった」と開発の狙いを明かす。

象印マホービン
技術開発室 チーフマネージャー
稗田 雅則 氏

「通常レンジで温める際は、庫内に直置きして温めを行うため、マイクロ波が底部に集中してしまい、上下で加熱ムラが生まれます。そこで食材を入れた容器を理想的な位置で浮かせて固定すれば、赤外線センサーが、食材の温度を正確に検知することができ、しかもマイクロ波で全方位から加熱できると考えました」(稗田氏)

発想はユニークだが、前人未到ゆえに開発は一筋縄ではいかなかった。トライ&エラーの末に生まれたのが「うきレジ」だ。

「専用の耐熱ガラスボウルを角皿下部にあるレールに固定して、庫内底から浮かせる構造にしました。ボウルを浮かせる高さやボウルの厚み、カーブの角度によってマイクロ波の当たり方は変わります。

ボウルに水を入れて温めると対流して加熱の状態がわかりづらいので、卵白を入れてさまざまなパターンで繰り返し検証しました。その結果、約10ミリ浮かせることが今回のEVERINO(エブリノ)で全体加熱に最適な構造という結論に至りました」(稗田氏)

「うきレジ」で温める際は専用の耐熱ガラスボウルに食材を入れ、角皿下部にあるレールで固定する

「うきレジ」を使えば、加熱ムラを抑え、かつ、調理時間も短く済むため、煮物や副菜などを手早く簡単に調理できる。例えばかぼちゃの煮物は、温めムラを抑えることで約10分※4でしっかり味の染み込んだ仕上がりになるという。

かぼちゃの煮物は約10分で4人分が仕上がる

ここまで、今回の新製品に搭載される3つの新機能を紹介してきたが、「温度ムラができる」「調理に時間がかかる」「揚げ物などの総菜をレンジ機能で加熱した際のベチャつきが気になる」といった、レンジ利用者の不満に応える象印らしい機能であるといえよう。

※4 象印の「お料理ノート」による

※5 国内家庭用電子レンジとして、食材を浮かせて温める技術を搭載(2022年7月27日発表による。象印調べ)

象印が培ってきた
温度コントロール技術を活用

では、なぜ従来の常識を覆すような電子レンジを開発できたのか。1つには、電子レンジへは新規参入だったことが大きい。

「私たちは電子レンジを手がけていなかったので、『レンジとはこういうものだ』という固定観念にとらわれることなく、純粋に『調理するには何が必要か』と発想できました」(山根氏)

ただ、発想が新しくても、それを実現する技術力の裏付けがなければ絵に描いた餅で終わってしまう。コンセプトどおりに開発できた背景には、象印が誇る「温度コントロール技術」があった。

温度コントロール技術とは、保温や加熱において熱を加えるタイミングや火力の強さを制御する技術。象印は、祖業であるまほうびんの真空断熱技術から始まり、炊飯ジャーやホットプレート、トースターなど温度コントロールにこだわり抜いて「おいしさ」を追求してきた。近年では、釜の中でのお米の激しい対流によってごはんのおいしさを引き出す炊飯ジャー「炎舞炊き」をヒットさせている。

「開発チームの発足に当たって、炊飯ジャーの企画をしていた社員、トースターやホットプレート、電気ポット、ステンレスボトルの開発を担当していた社員など、各分野におけるエキスパートを集めました。調理家電のプロたちが温度コントロールの知恵を持ち寄ったからこそ、従来のレンジ開発者では浮かばなかった発想を形にできたのです」(山根氏)

「EVERINO(エブリノ)」はデザインに関してもこだわりが詰まっている。

「つねにキッチンに置かれる商品なので、生活空間になじむデザインを意識しました。細かいメニュー表はレンジ本体下部に格納して、引き出す構造にし、操作パネルはすっきりスタイリッシュに。見た目重視で使いづらくなっては意味がないので、ダイヤル式で直感的に簡単に操作できるよう工夫しました。まさに日常生活発想から生まれたデザインです」(稗田氏)

長年、多くの調理家電を世に送り出してきた象印といえど、電子レンジへの参入は、“後発”であることは確かだ。ただ、今回の新製品「EVERINO(エブリノ)」は“後発”であることをポジティブに捉え、象印ならではの強みを生かした、象印らしいオーブンレンジだといえる。

生活者視点で見つけた課題から出発し、これまで培ってきた温度コントロール技術が注ぎ込まれて誕生した象印のオーブンレンジ「EVERINO(エブリノ)」。その実力に注目したい。