象印 ZOJIRUSHI

第2回 東京都 板橋区立紅梅小学校
夢先生は
元オリンピック体操日本代表の
上村 美揮さんと
元プロサッカー選手の
加藤 大志さん!

上村 美揮さん
上村 美揮(うえむら みき)
和歌山県出身。小学生時に体操競技を始め、名門・朝日生命体操クラブに加入しました。
中学3年時に日本代表に選出されると、以降、10年にわたって国内外の大会で活躍。高校時代には、インターハイの女子団体総合で3連覇を成し遂げました。
2005年には、全日本体操競技選手権大会の個人総合で初優勝。翌年には連覇を達成しました。
2008年にはチームのキャプテンとして北京オリンピックに出場。女子団体総合で5位入賞を果たしました。
2009年にも体操JAPANCUP、世界体操競技選手権でチームキャプテンを務め、JAPANCUPでは女子団体総合の銅メダル獲得に貢献。同年11月の全日本選手権を最後に現役を引退しました。
翌2010年にJOC指導者海外研修にてアメリカにコーチ留学。帰国後は、日本体操協会ロンドンオリンピック強化部員、NHK女子体操競技解説者を務め、2017年に東京オリンピックジュニア強化部員に就任しました。
加藤 大志さん
加藤 大志(かとう だいし)
埼玉県出身。幼少期にサッカーを始め、中学生時に全国中学校サッカー大会に出場。
桐光学園高校を経て2002年に湘南ベルマーレに加入しました。1年目から公式戦27試合に出場するなど活躍。U20(20歳以下)日本代表、U22日本代表に選出されました。
2005年に京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.C.)に移籍。同シーズンにJ2優勝を果たし、J1昇格に貢献しました。
2009年には横浜FCに加入し、同シーズン終了後に現役を引退。その後、指導者に転身して2010年に武蔵大学サッカー部コーチに就任しました。
2017年には同サッカー部監督に就任。さいたま市立大宮東中学校サッカー部の外部指導員も務めています。

第2回活動レポート 1日目

上村 美揮さん

10月8日(木)板橋区立紅梅小学校にて、第2回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2020」が開催されました。
ユメセンサーキットとしてはじめてのオンライン授業です。
1日目の夢先生は、上村美揮さんが務め、5年4組と2組に「夢の教室」を行いました。

みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!
アシスタントの武田さん

授業のはじめに画面の向こう側の上村さん、アシスタントの式田さんと一緒にゲームをして盛り上がった後は、
水分塩分補給の大切さについて勉強しました。

できなかったことができるようになる喜びを求めて

上村さんが体操を始めたのは、小学2年生の頃でした。鉄棒が大好きで、休み時間のたびにいつも遊んでいた姿を見て、校長先生が体操競技を勧めてくれたそうです。

当初は、あそびの延長のような感覚で体操を楽しんでいました。最初から難しい技ができたのではなく、倒立、バク転、宙返り・・・など、できなかった技が少しずつできるようになる達成感が楽しくて、4年生になるまでの間は毎週3-4日2時間の練習に取り組みました。

オリンピックへの強い気持ちを胸に、練習に取り組む毎日

上村さんが5年生の頃、アトランタオリンピックの代表選考会で一緒に練習している先輩がオリンピックの代表に選ばれました。選考会を観戦していた上村さんは、身近な先輩が日本を代表する選手になったことがうらやましくて、「いつか私も選ばれるような選手になりたい。」と思い、オリンピックの舞台を夢見るようになりました。それからは、週6日4-5時間の練習を繰り返し、夢に向かって一直線の毎日を過ごし始めました。

上村さんはまだ年齢を満たさないため、4年後の次のオリンピックには出場できません。出場できるのは、さらに4年後の2004年。上村さんにとっては、年齢面から最初で最後のチャンスです。目標が定まり、週7日間、練習に取り組むようになりました。友達や家族と過ごす時間もありませんでしたが、「なんとしてでもオリンピックに出る!」という強い気持ちで練習に取り組みました。そんな練習が身を結び、上村さんはナショナル選手(12名が選ばれる強化選手)に選ばれました。国際大会を経験できる貴重な機会です。そこでは、自分の課題だけでなく、外国の選手のしなやかさや美しさが刺激になり、さらにモチベーションを高めることができました。

みんなのエールを胸に、度重なる挫折を乗り越える

しかし、上村さんのもとに大きな壁が立ちはだかりました。練習中に怪我を負ってしまったのです。段違い平行棒の練習中に、高さのある鉄棒から落ちてしまい、顔を強打しました。ケガの恐怖心から「辞めたいな・・・」と思うこともありました。練習できない期間が2-3週間。もどかしさを感じていましたが、「怪我治ったら、また一緒に頑張ろうよ」と、いつもの練習仲間が励ましてくれたおかげで、上村さんも前向きの気持ちになることができました。怪我をしていてもできることはたくさんあることに気がつき、スクワットや懸垂など、上村さんは今できることを頑張ろうと誓いました。周りの支えや応援があったからこそ、もう少し続けてみようという前向きの気持ちになることができたのです。

2003年、世界選手権で団体12位以内に入れば、日本は翌年の本戦に出場することができます。上村さんは残念ながら国内7位に終わり、団体メンバーに入ることできませんでした。個人競技の選考会でも3位に終わり、翌年のオリンピックに出場できない結果となりました。夢をかなえることができなかった上村さんは、体操競技を諦めかけていましたが、当時のコーチや仲間たちが「できるできる!まだチャンスはあるよ!」「みきが体操しているところはかっこいいから、もう少し続けてよ!」と励ましてくれました。「そうだ。体操が大好きなら、今やめなくてもいい。応援してくれている人ために頑張ろう」と、上村さんはまたしてもみんなに支えられて、前向きの気持ちになることができました。

「日本で1番になる」という新しい目標を見つけ、再びコツコツと練習を続けました。そして2007年、上村さんは団体競技のメンバーに選出され、世界選手権で見事12位以内に入ることができました。翌年の代表選考会でも6名の中に選ばれ、ついにオリンピック出場の夢を叶えることができました。

「夢の教室」最後には、「怪我、失敗など挫折がたくさんあったけど、周りの友達や仲間の支えがあったからこそ乗り越えられたんだ。みんなも苦しいときは、一人じゃないってことを忘れないでほしい。あきらめずに、コツコツと努力を積み重ねようね」と上村さんから子どもたちへメッセージが送られました。

夢の教室を終えて

担任の先生と子どもたちの感想

夢の教室で印象に残ったことは何ですか?

お話を聞いて、これから夢を叶えるためにやってみようと思ったことはありますか?

(左)Uさん(中)加藤先生(右)Hくん

Uさん
【将来の夢:ピアニスト】

周りの人の支えがあれば、苦しいことも乗り越えられるということを知りました。

毎日の練習で、指の耐久力を上げたいです。

Hくん
【将来の夢:プロバスケ選手】

夢を諦めないことの大切さを学びました。

練習でもっと走り込み、ディフェンスを鍛えたいです。

加藤先生の感想

1年で360日も練習に取り組む上村さんの努力に圧倒されました。子どもたちには、周りの友達と支え合って頑張ってほしいです。

(左)Kさん(中)南先生(右)Sくん

Kさん
【将来の夢:なんでもできる人になりたい】

上村さんの夢を聞いて、もっとしっかりとした夢を見つけて頑張りたいと思いました。

色んなこと毎日違うことに挑戦したいです。

Sくん
【将来の夢:ゲームクリエイター】

諦めない気持ちの大切さ、仲間の力で挫折を乗り越えられることを知りました。

ゲームの研究をして、みんなを笑顔にできるものを作りたいです。

南先生の感想

はじめてのオンライン授業で、新鮮な気持ちでした。これからは、子どもたちに夢や好きなことに対してのきっかけを与えたいと思います。

第2回活動レポート 2日目

加藤 大志さん

10月9日(金)板橋区立紅梅小学校にて、第2回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2020」が開催されました。
2日目の夢先生は、加藤大志さんが務め、5年3組と1組に「夢の教室」を行いました。

みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!
アシスタントの武田さん

授業のはじめに画面の向こう側の加藤さん、アシスタントの式田さんと一緒にゲームをして盛り上がった後は、
水分塩分補給の大切さについて勉強しました。

憧れのJリーグの舞台を夢見て

加藤さんがサッカーを始めたのは、小学2年の頃でした。お姉さんの影響で習いはじめたピアノを好きになれず、やめたい理由を探していたところ、ある日サッカーチームの練習に参加する機会があったそうです。「ピアノを辞めるチャンス!」と意気揚々と練習に向かいましたが、練習場所は在席していた小学校から少し離れた第一小学校。友達がひとりもいなくて、加藤さんは寂しさのあまりボールを蹴ることも無く帰ってしまいました。それでも2回3回と続けるうちに友達も増えて、サッカー自体が楽しくなってきました。

小学4年生の頃、日本ではプロサッカーリーグのJリーグが発足しました。加藤さんは、早速地元チームの浦和レッズの試合を見に行ったそうです。2万人が入るような大きなスタジアムで見たのは、息をのむようなスーパープレーの数々。歓声を受けながら活躍する選手がかっこよくて、「いつか僕もこの舞台に立って応援されてみたい。」と、Jリーグの舞台を夢見るようになりました。それからは朝6時に公園で走ったり、学校から帰ったら友達とボールを蹴ったり、うまくなるためにできることを見つけてチャレンジを続けました。

どんな困難でも、みんなで協力すれば乗り越えられる

中学入学後、加藤さんはサッカー部に入部しましたが、2年生の頃に困難に直面することになりました。今まで教えてくれていた先生が海外へ転勤してしまい、指導者がいなくなってしまったのです。代わりに来た先生はサッカー経験がなく、上手になれる環境がなくなってしまいました。さらに、加藤さんはシュート練習で足の親指を骨折してしまい、全治2ヶ月の怪我を負ってしまいました。「こんな調子でJリーガーになる夢は叶えられるのかな。」と、不安な気持ちでいっぱいでした。

それでも、加藤さんは決して諦めないで、現状を変えることにチャレンジしました。どうやって練習すれば上手になれるか、強くなれるかについてチームみんなで意見を出し合いました。副キャプテンが「練習考えるよ!」と言ってくれ、メンバーからは「少しでも早起きして、朝練をやろう!」と前向きな意見も出てきました。練習や試合で助け合ってプレーすることで、チームとしての絆が深くなり、チームの戦績にも影響が出てきました。中学3年生の頃には、朝霞市の大会、地区大会、県大会、関東大会を勝ち抜くことができました。最後には全国大会のベスト8に勝ち上がることができたのです。加藤さん自身は、大会の優秀選手賞を受賞しました。この結果で、加藤さんははじめて自分のプレーに自信をもつことができたそうです。

誰にも負けない「俊足」という武器

中学時代の活躍もあり、加藤さんはたくさんのプロを輩出している名門高校に入学しました。そこで、また大きな挫折を経験することになりました。初めての練習で痛感したのは、周囲のレベルがとても高かったこと。個人技は通用しましたが、戦術面でまったく通用しませんでした。練習の度にポジションミスで怒られて自信を失ってしまい、「また明日も練習か。」と、苦しい毎日が続くようになりました。

それでも、夢を決して諦めない加藤さんのもとに、絶好のチャンスが訪れました。舞台は、入学して2ヵ月後にスタートしたインターハイ予選です。試合当日、監督から「大志、試合出るぞ!」といきなり声をかけられました。名門校にもかかわらず、入学して間もない1年生が公式戦に出ることにチームメイトも驚きました。この日は雨でピッチコンディションがとても悪く、監督には前にボールを蹴り込んでボールを回収するという、加藤さんの誰にも負けない俊足を活かす狙いがありました。「へたくそでも、役割を与えられて試合に出ることができる」「武器を活かして自分だけの特長を磨くことができる」このことに気がついた加藤さんは、一気にモチベーションが上がって、練習に打ち込むことができました。

上達を続ける加藤さんは、高校2年生の時に、U-17日本代表に選出されました。代表の環境では、周りの技術の高さに驚く一方でした。それでも、誰にも止められないくらいの速さを活かしたドリブル突破は加藤さんだけの特長で、「大志のドリブル、すごいね。」と、チームメイトが声をかけてくれることが更なる自信につながりました。そして高校3年生の秋。湘南ベルマーレからオファーがあり、加藤さんはついにプロサッカー選手になるという夢をかなえることができたのです。

「夢の教室」最後には、「みんなはまだ5年生だよね。夢をかなえたその先を描くことが大切だよ。少しでも高い目標を見つけて、頑張ってね!」と、加藤さんから子どもたちへアドバイスが送られました。

夢の教室を終えて

担任の先生と子どもたちの感想

夢の教室で印象に残ったことは何ですか?

お話を聞いて、これから夢を叶えるためにやってみようと思ったことはありますか?

(左)Hくん(中)高垣先生(右)Mさん

Hくん
【将来の夢:プロ野球選手】

色んな嫌なことがあっても、諦めないことが大切だということを学びました。

素振りやキャッチボールを続けて、上達したいです。

Mさん
【将来の夢:プロダンサー】

加藤さんのお話を聞いて、できる限り夢と向き合ってみたいと思いました。

練習を積み重ねて、上手になりたいです。

高垣先生の感想

クラスの子どもたちみんなが夢を持っていることを知らなかったので、本当にびっくりしました。まだ夢を書けてないみんなも、これからどう変化するのかを見守っていきたいです。

(左)Kくん(中)小泉先生(右)Nさん

Kくん
【将来の夢:プロ野球選手】

諦めずに、現状を変えるという加藤さんの強い気持ちが印象的でした。

素振りや柔軟をして素直に練習に取り組みたいです。

Nさん
【将来の夢:プロバレーボール選手】

夢をあきらめかけても、失敗しても、諦めないことの大切さを学びました。

時間を見つけて自主練します。柔軟を磨きたいです。

小泉先生の感想

子どもたちには本当に有意義な時間になったと思います。苦しいときこそ諦めないことを教わりました。仲間通しで支え合って、どんどんチャレンジしていってほしいです。

開催校について

学校の写真

学校名
板橋区立紅梅小学校 ホームページはこちら
所在地
東京都板橋区徳丸8-10-1
開校
1874年
児童数
728名
特徴
本校は今年度で開校146周年と歴史のある学校です。本校は農業文化の盛んな学校であり、児童に田植えや茶摘み、大根やジャガイモ等の地域の特産野菜と関わったり、「田遊び」といった農業文化に触れたりと「郷土のいたばし」にたくさん触れる機会をつくっています。
こうした農業文化の体験から人と人との関わりを大切に思う心、自分の暮らす地域のよさを知って自分を育ててくれた土地に感謝する心の育成を本校は目指しています。

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