みんなと協力し合ってゴールを目指そう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。はじめに市河さんから正しい走り方を教えてもらい、みんなでランニングの練習を行いました。その後、クラスで1つのチームになって協力して取り組むゲームにチャレンジ。クリアを重ねるごとにゲームは難しくなりましたが、作戦タイムでたくさんの意見を交換し、見事クリアすることができました。
ゲームの時間の最後には、市河さんから「このクラスはチームワークが素晴らしい!作戦タイムでもいろんな意見が出て、前に進めたね。これからも協力し合って頑張ろうね!」とメッセージがありました。

ゲームの時間のあと、
みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

オリンピックの夢に向かって夢中で練習を重ねる

「夢の教室」後半55分はトークの時間。市河さんのこれまでの体験談を聞いたり、みんなの夢について一緒になって考えたりました。

小学生の頃から活発だった市河さんは、水泳や屋外での遊びなど、とにかく身体を動かすことが大好きでした。マラソン好きのお父さんの影響もあり、当時は一緒にランニングをしていたそうです。

市河さんが小学6年生の頃、ソウルオリンピックが開催されました。テレビでマラソンを走る選手の姿を見て「かっこいい。私もあんな選手になりたい。」と、いつかオリンピックの舞台に立つことを夢見るようになりました。市河さんにとって、これが初めての「夢」でした。

市河さんは小学校を卒業して、中学の陸上部に入部しました。夢の実現に向けて気合十分でしたが、周りの部員はモチベーションが低く、練習をさぼってばかり。市河さんは「周りなんて気にしない。自分だけでも頑張ろう!」と強気な姿勢で練習を頑張りました。時には孤独を感じることもありましたが、努力を続ける市河さんはめきめきと実力をつけ、市内の大会では優勝できるレベルになりました。それでも県内大会では強敵が多く、優勝は叶いませんでした。市河さんはよりレベルの高い環境で練習を積むために、名門高校への進学を目指すようになりました。

努力は必ずいい結果に結びつく

当時、市河さんはライバルに比べて速さでは劣っていましたが、気持ちは誰にも負けませんでした。「もっと速くなりたい」という気持ちを全面に押し出す走り方が監督の目に留まり見事名門の市立船橋高校へ入学することができました。

しかし、陸上部入部後は周りのレベルの高さを痛感して落ち込む日々が続きます。自分より速いライバルがあまりに多く、時には自信を失うこともありました。それでも市河さんは、グラウンドに一番乗りしてストレッチを行うことや、日記をつけて課題を見つけることなど、たくさんの努力を積み重ねました。無茶をして怪我をしてしまったときは、走らなくてもできる筋肉トレーニングを行って、「速くなるためには、何が必要か」を常に意識して行動しました。

そんな努力の積み重ねが実を結び、高校2年生の頃には全国駅伝大会に出場するチャンスを得ることができました。さらに、同大会では区間賞を獲得し。諦めずに努力を重ねたおかげで、市河さんはようやく自分の走りに自信が持てるようになりました。

夢に向かって、諦めずに努力することが大切

市河さんは高校卒業後、実業団に入ってレベルの高い環境で練習を行いました。毎朝6時から朝練、午後も練習を行って夜10時に就寝、1年の半分は高地トレーニングといった陸上漬けの毎日で、1か月に1,000kmを走りきるハードな練習が続きました。しかしオリンピックの舞台を目指す市河さんにとって、それは上達するための理想の環境で、当たり前のようにトレーニングを続けることができました。レベルの高い環境になっても慢心せず努力を重ねたことで、市河さんは世界大会への予選で2着となり、セビリアで行われる世界陸上への切符をつかむことができました。この大会では見事団体の金メダルを獲得。夢見るオリンピックの舞台も目前に迫っているようでした。

迎えたオリンピック選考会。夢の舞台まであと一歩のところでしたが、市河さんは10km地点で転倒してしまい、代表に入ることができませんでした。自身にとっては0点の走りで夢を叶えるチャンスを逃してしまい、とても悔しい経験となりました。オリンピックの挫折の経験から立ち直り、市河さんは直後の北海道マラソンでは優勝という素晴らしい結果を残すことができましたが、その後は怪我が続き、引退を決意せざるを得ない状況になりました。それは走ることが大好きな市河さんにとって、とても辛い選択でした。それでも、「走ることを教える立場になりたい」という新しい夢が見つかってからは、市河さんはこれまでと同じように、夢を叶えるための努力を重ねました。

トークの時間最後には市河さんから「結果が出る時も、出ない時もある。それでも、目標に向かって努力することが大事なんだ。努力はきっとみんなを成長させてくれるから、諦めずに頑張るんだよ。」というメッセージが子どもたちに向けて送られました。