象印 ZOJIRUSHI

"炎舞炊き"から紐解く"一膳一答"。
プロフェッショナルが
大事にする「食と時」


あなたにとっての「食」とは――。あなたにとっての「時」とは―― 。
世のプロフェッショナルたちが大事にしている共通項に必ずといっていいほど存在する「食と時」。訪れる食の名店は年間約200軒という美食評論家・中村孝則さんに、そのキーワードである”白いごはん”と”美食”の関係性について聞いた。象印が展開する圧力IH炊飯ジャー”炎舞炊き”で炊いた絶品のごはんを前に、食の神髄を知る男による”一膳一答”、いざスタート!

「これ以上ない均等の炊き上がり。かまどや土鍋のような直火炊きの力強さがありながら、ムラやソツがまったくない」

世界中を旅することにより、美食の神髄を極めてきた中村さん。その”究極の舌”は国際的にも高く評価され、2002年にイギリスで発足した「世界のベストレストラン50(The World’s 50 Best Restaurants)」の日本チェアマンにも選出されている。そんな中村さんがこのところ使い始めた”炎舞炊き”の新型は、従来3つだった底IHヒーターが6つに増強され、一段と激しい対流を起こし、お米の甘み成分を引き出す。激しい炎のゆらぎを実現した、象印独自の究極構造だからこそ、まずは白米だけで楽しみたいという。

「自宅で毎朝、炎舞炊きで炊いたごはんを食べていて感じたのが、バランスのよさです。土鍋やかまどで炊いたごはんって、米のうまみの出方が強く、モチモチしていておいしいでしょう。ただし、鍋の部分によって、味にバラつきが出るのも確か。鍋の中央と縁の部分では、食感が大きく異なります。焦げておこげもできてしまいますから」

“炎舞炊き”は、最大121通りの炊き方があり、それぞれの好みの食感に炊くことができるが、この日は王道の「白米ふつう」モードを選択。そこから1時間弱で、”炎舞炊き”のごはんが炊き上がった。

「炎舞炊きのごはんは、かまどや土鍋のような直火炊きの力強さを持ちながら、まったくムラやソツがない。どの部分を食べても、食感や味わいが変化しません。米のひと粒ひと粒が同じようにうまみを放出しているという感じ。炊飯ジャーに内蔵された6つの底IHヒーターがかまどの炎のような複雑な対流を起こし、熱を均等に伝えている。象印の開発力に度肝を抜かれました」

その”究極のごはん”を改めて味わいつつ、プロフェッショナルとして感じる「食と時」について問うと、美食評論家なりの白いごはんに対する並々ならぬ思いを語り始めた。

Question―
白いごはんはなぜ美味しいのか?

Answer―
「日本文化の礎だからです」

「美味しいごはんとは何か?と聞かれたら、私は”どんなおかずも受け止める包容力のあるごはん”と答えます。その理由は、日本が”三角食べ”の文化をもつ国だからです。三角食べとは、ごはん、おかず、味噌汁を均等に食べ進める習慣。そのため、ごはんには硬過ぎず、柔らか過ぎず、うまみが強過ぎず、弱過ぎず、といったどんな料理にも合う包容力が求められるのです。

おかずと一緒に口に入ったごはんは、口中調理を開始します。酸味、甘味、辛味など、さまざまな味と一体になり、新たな味わいを作り上げる。日本人は食事のたびに、口の中でマリアージュを行っているともいえますね。そのマリアージュのベースになっているのが、白いごはん。日本の食文化の礎であるから、白いごはんは美味しいのです。日本の伝統的な茶懐石では、一度の食事でごはんが3~4回出されます。幸せな食事の時間は、常に白いごはんが支えてくれています」

Question―
美食における”時間”とは?

Answer―
「楽しく幸せな時間を過ごすため、食前、食中、食後すべてを大事に」

「日本人は物へのこだわりが強く、美味しさに対してもクオリティを求めがち。食材の産地やブランドを気にする人が多いでしょう。もちろんそれもわかりますが、美味しさの基本は”ジョイフル”。食べる前に万全なコンディションを整え、食事中は会話を弾ませる。とにかく、楽しむことが肝心だと思います。

そして、その記憶を留めるために食後も大切。ごはんを食べると、腹のおさまりがいいというか、ほかの食材で満たされる気持ちとは違う五臓六腑におさまる感じがする。その独特の満足感を保つために、美味しいお茶を飲んで会話を楽しみながら時間をシェアしています。食前、食中、食後すべてを大事にすることで、楽しさを見出していますね」

Question―
ごはんをより美味しく食べるためにしていることは?

Answer―
「和食を支える”安定感”です」

「日本ではメニューのことを、”献立”といいます。そもそも、”献”という言葉は、酒や、酒の元になる米を示します。つまり、和食はあくまで米が土台となるのです。米がなくては、そもそも、和食は成立しないのです。

その和食の土台に求められるのは何よりも”安定感”です。ブレずにすべてのおかずを受け止める安定した力が必要なのです」

Question―
”究極のごはん”とは?

Answer―
「力強く、ムラなく、味の好みを自分色に染めたごはん」

「私は白いごはんに対してこれまでもずっと、直火炊きでうまみの出方を研究してきましたが、どうしても鍋の部分によって、味にバラつきが出ていたのです。かまどで炊く力強さを持ちながら、まったくムラがない炎舞炊きのごはんは、その課題を自宅で克服してくれるのです。しかも味の好みを自分色に染めることもできる。だから、私はこれこそ”究極のごはん”だと、心から感じています」

圧力IH炊飯ジャー”炎舞炊き”(NW-LA型)

“炎舞炊き”は、IHジャーが発売されてから28年間、ほとんど手の入らなかったIHヒーター部分を大きく改良。1つの底IHヒーターで内釜全体を加熱する方式が基本とされていた中、象印はヒーターそのものの構造を1から見直し、業界初の技術である複数のIHヒーターを独立制御する「ローテーションIH構造」を開発。これにより、かまどの炎のゆらぎを再現するとともに、単位面積当たり4倍以上※の大火力での炊飯を実現している。”20年6月に発売開始となった新製品(NW-LA型)は、従来品(2019年NW-KB型)で3つ搭載していた底IHヒーターを”6つ”に増強。対角線上にある2つのヒーターを同時に、かつローテーションしながら加熱させることで激しい対流を起こし、お米の甘み成分をさらに引き出しふっくらとしたごはんに炊き上げてくれる。色は、黒漆と雪白の2種類。オープン価格。

※中パッパ~沸とう維持工程の単位面積当たりの火力比較 2017年当社従来品NW-AT10型 約3.0W/㎠とNW-LA10型 約12.5W/㎠との比較当社調べ。単位面積当たりの火力算出方法=中ぱっぱ~沸とう維持工程の平均電力(W)÷IHヒーター加熱面積(㎠)×発熱効率(電波法に定める電磁調理器の高周波出力測定方法にて測定)

中村 孝則(Takanori Nakamura)
1964年神奈川県葉山町生まれ。美食評論家。コラムニスト。ファッションからカルチャー、旅やホテル、ガストロノミーからワインにシガーまで、ラグジュアリーをテーマに、執筆活動を行う。また、テレビ番組の企画や出演、トークイベントや講演活動も積極的に展開。2007年にフランス・シャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士爵位)の称号を、2010年にはスペインよりカヴァ騎士の称号も授勲。剣道教士7段。大日本茶道学会茶道教授。

Text=川岸 徹 Photograph=喜多孝幸

GOETHE[ゲーテ]とは

「仕事が楽しければ人生も愉しい」をテーマに掲げ、2006年に創刊。各界の第一線で活躍する“仕事人”の生きざまを浮き彫りにし、衣食住にまつわるあらゆるジャンルの情報を発信する。ゲーテという雑誌名は、若き日からベストセラー作家として活躍、世界的な文豪として知られ、政治家、自然科学者、劇場監督など疾風怒濤の人生を歩んだ男、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテに由来する。彼は82歳の生涯を通じ、旅を、赤ワインを、そして女性を愛し、多彩な仕事を通じ、その人生を思う存分に生き抜いた。仕事の勝利や栄光や喜びを、ゲーテのように追いかけ続けたい。ゲーテのような濃密で激しい人生を送りたい。今の時代を大胆に生きる男性のためのライフスタイル誌として、ビジネスパーソンを始め、仕事を愛する各界の男たちから支持を得ている。

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