象印 ZOJIRUSHI

INTERVIEW
インタビュー
VOL.02

「日本のおにぎり」と「EXPO酒場」。その共通項は、共創でした。

岡本さんが熱い想いを胸にdemo!expoの活動に邁進しようとしていたその時に連絡を差し上げたのが、象印マホービンの新事業開発室でした。2025年に行われる日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)に向けて「日本のおにぎり」をどんな企画にしようか探し続けていた象印が岡本さんと出会い、日本のさまざまなエリアを巻き込んだ活動へと発展していきます!

前編はこちら

株式会社オカムラ 働き方コンサルティング事業部
ワークデザイン統括部 WORK MILLコミュニティマネージャー
岡本栄理さん

オフィス家具の大手・株式会社オカムラで共創空間を足場に働き方コンサルティング事業を手がけると同時に、まちごと万博をつくるプロデューサー&クリエーター集団であるdemo!expoのボードメンバーのひとり。

自然発生的な共創のはじまり

ちょうど日本各地の有志の方々から声をかけてもらい、「EXPO酒場」というイベントを全国で進めていた頃に、象印の新事業開発室長の岩本雄平さんから「一緒に何かやりませんか?」と声をかけていただきました。岩本さんは、「日本各地のいろいろな方と、おにぎりを作れたらいいなと思っていて」とのことで、気がつけば意気投合し、日本各地で「EXPO酒場」に一緒に参加してもらって、現地の方と一緒におにぎりを作って提供してもらうようになりました。序盤から明確なビジョンが描けていたわけではないのですが、象印さんが考えている「日本各地の名産品でおにぎりをつくり、最終的には大阪・関西万博で『日本のおにぎり』として提供する」という文脈と、「全国のEXPO酒場から同時多発的に大阪・関西万博を自分ごととして盛り上げていく」という文脈が一致していたのだな、と今はわかります。これまでに、和歌山、松原、高松、京都、出雲とご一緒しました。各会場では、「万博に向けての取り組みであること」をご紹介しながら、現地の方と考えたおにぎりを、「炎舞炊き」で炊いたごはんでおにぎりにして提供していただきました。象印さんのこだわりで、なるべくお米、塩、海苔も現地のものを使うんですよ。どの回も、非常に盛り上がりましたね。

象印さんの「日本のおにぎり」の取り組みですごいなと思うのは、実際に各地域に足を運び、現地の方々から一次情報を受け取るという姿勢。事前にオンラインで会話できていても、できるだけ生産者の方々を自ら訪ね、場合によってはその方からまた別の方を紹介してもらうなどして、その地域で地産地消できる素材で(それぞれの地域で考案される)「日本のおにぎり」のレシピを完成させていくんです。各地で一度形にしたレシピを持ち帰り、さらにブラッシュアップして「EXPO酒場」で提供くださるおにぎりへの本気の姿勢が素晴らしいなと思います。各地の方々が、自分達の地のものでおいしいおにぎりができたということを本当に誇りに感じ、嬉しそうにされている様子を見るたびに、いい取り組みだなと思っています。

おにぎりは、地域の宝を詰め込んだ料理

そういう意味でも改めておにぎりってすごいなと感じますね。お米も塩も具材も、実は日本各地にそれぞれの名産がある。おにぎりひとつが、地域の宝を詰め込んだ料理として完結しているんです。作るのも簡単だし、片手で食べられるし、人手があれば量産もできる。すごいパワーを秘めた料理ですよね。酒場でおにぎり?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ものすごく人気です。めちゃくちゃおいしいことに加え、背景にあるストーリーが魅力的なのでしょうね。昔からその場にあった宝物が、象印さんの「日本のおにぎり」というコンテンツで再発見され、地元の生産者さんと「おにぎり」以上の価値を生み出している。それはまさに共創。EXPO酒場も日本のおにぎりも、大阪・関西万博のために何ができるか、という視点ではなく、大阪・関西万博をひとつのきっかけとして、いかに各地で想いを束ねて自主的に盛り上がっていくか、という方に意識が向いている。あくまで主役は街であり、万博は街が束なっていくための一つの手段。そうなってはじめて、万博が終わった後にも続いていく新たな価値が生まれていく。そういう共創活動が自然発生的に生まれていく現場を目の当たりにすることは、働き方や働く場のこれからを見つめるオフィスメーカーであり、私が所属する株式会社オカムラとしても嬉しいのです。

この活動を通して、人間は集まれば何でもできるのだな、と強く実感しています。そして、一人だと時には無力さを感じて批判的になるかもしれないけれど、複数人集まると批判ではなく提案ができるのだな、と知りました。それぞれが持ち合わせている知恵や技術を少しずつ差し出せば、自分たちでできることは意外とある。その機運が高まっていく一つのきっかけ作りができ、誰かと何かを共創できることは、とても嬉しいことだし、本来「仕事」って、そうして有機的に生まれていくものでもあると改めて思います。

株式会社オカムラ
https://www.okamura.co.jp/

WORK MILL(ワークミル)
https://workmill.jp/

demo!expo(デモエキスポ)
https://demoexpo.jp/