AOMORI青森
菅本香菜さんと象印メンバーが各地をたずねるコラボレーション企画第一弾は「青森」。具材愛あふれる生産者さんや「津軽のAKB」と出会い、ほたてやりんごなど、青森ならではのおにぎりが生まれました!


訪問した生産者さんの紹介
株式会社山神
ほたての養殖から加工・販売までを一気通貫で手掛ける「山神」さん。
漁師だった先代社長の「獲れたてのおいしさを食卓に届けたい」という強い想いから、水揚げされたほたてをその日のうちに瞬間冷凍する工場を自社で立ち上げ。その意思を引き継いだ現社長は今も漁師として自ら率先して海に出るそうです。
他にもほたての処理にはすべて「滅菌海水」を使ったり、ほたての大きさや色・質感を「人の手」で瞬時に見極めて丁寧に加工するなど、ほたて本来のおいしさをあじわってもらうためのこだわりが詰まっていました。
特別に見学させてもらった工場では、ボイルしたての新鮮なほたてを試食。周りの山々からミネラルたっぷりの水が流れ込む陸奥湾で育ったベビーほたては「柔らかな食感」が特徴で、肉厚な貝柱から染み出す「甘さ」が印象的でした。
津軽あかつきの会
津軽地域の伝承料理を次の世代に伝えていくために活動されている「津軽あかつきの会」さん。
地元のお母さん達がボランティアで集まり、それぞれの家庭に伝わってきた料理を互いに教えあいながら、郷土料理に興味を持たれたお客様に料理を提供されています。
メンバーが訪問した5月中旬は春の山菜から夏の山菜に切り替わる季節。佃煮にした「山ふき」から夏の到来を告げる「ミズ」の水物、根曲がり竹の炊き込みごはんを頂きました。
またぬか漬けのにしんや棒だらの煮物など貴重なたんぱく源の保存食や、いかをお刺身にしたときに残るゲソをミンチにして野菜と揚げた「いがめんち」、大きな実をつけるために間引いたりんごを塩漬けにした「りんごの漬け物」なども頂き、食を大切にする津軽の精神をお料理の中に感じることができました。
なお、取材中もあかつきの会さんはとても賑やかで常に笑いが絶えませんでした。「津軽で会えるAKB」を自称されていますが、本当にまた会いに行きたくなるお母さん達です。(AKBが何の略なのかは、ぜひ直接訪れて聞いてみてください。)
ワークショップの様子
取材旅の最後に、現地で教えてもらった食材を使って青森を表現する、おにぎりワークショップを開催。
ワークショップには「津軽あかつきの会」さんから数名と、青森の代表銘柄であるお米「青天の霹靂」を生産されている山田ファームさんとそのご友人、数年前から青森へ移住して県内外の方と一緒にりんご作りを取り組まれている農家の方など、総勢11名の方にお集まりいただきました。

青森を表現するおにぎり具材を作るために準備した、主な食材は以下の通り。
・山神さんの「ベビーほたて」
・あかつきの会さんの「りんごの漬け物」
・青森の家には必ず常備されているという焼き肉のたれ「源たれ」
・お寿司屋の大将に教えてもらった地元食材「塩ます」
・北日本の保存食材として定番の「身欠きにしん」
・現地スーパーで必ず売っているごはんのお供「ねぶた漬け」
・季節限定の通な食材「根曲がり竹」
ワークショップでは各々が「美味しそうだな」と思った食材を組み合わせたり調理して、おにぎりの具材に。「ちょっと味見してみて」や「私、これ切るね」など、初対面の方々もいる中で皆で和気あいあいと協力して準備が進められました。
また「この調理の仕方は知らなかった」「こんなアレンジ、今まで考えたこともなかった」など、参加者同士が交わることで新たな発見がそこかしこであったことも印象的でした。

最終的にできあがったおにぎり具材の一部をご紹介。
・ほたて×りんごの漬け物×バター醤油
・山ごぼう味噌×ほたて×マヨネーズ
・源たれ×ほたて
・筋子×塩ます
・塩ます×りんごの漬け物×しそ
・ばっけみそ×身欠きにしん
青森というとやっぱりりんごが真っ先に思い浮かびますが、間引いたりんごも漬け物にして保存しまうほど、本当にりんご愛があふれた街でした。
旅の合間に訪れた十和田湖や奥入瀬渓流も非常に美しかったです。ぜひみなさんも訪れてみてください。へば!


『あかつきの会』さんでの一枚。2年前に私たちが取材で伺ったときの写真を出してきてくださって思い出話しに花が咲き、「ただいま」と言える旅の喜びを感じました(^^)
私たちの旅が、みなさんにとって「帰りたくなる場所」を見つけるキッカケになったら嬉しいです!





















青森の風土、食文化について
本州最北に位置する青森県。太平洋と日本海、津軽海峡にそれぞれ面しており、大間町のまぐろを始め、海の幸が豊富。下北半島と津軽半島に囲まれた陸奥湾には、雪深いことで有名な八甲田山など周りの山々から栄養豊富な水が流れ込み、古くから美味しいほたてが獲れることでも知られています。
また青森といえばりんごの生産量が全国1位。夏でも比較的涼しく、昼夜の寒暖差が大きいことが美味しいりんごを作るのに適しているそうです。
そんな青森の食文化を語るにおいて、「冬」は重要なキーワード。厳しい冬を乗り越えるために夏から保存食を準備し、長い冬を越えて一斉に芽吹く山菜を食べて春を実感する、そのような四季感覚が郷土食として根付いています。
写真上)田植え前の水田に映る岩木山
写真下)地元の台所として愛される市場「虹のマート」