ZOJIRUSHI

DISCOVER
旅するおにぎり
VOL.03

TOYAMA富山

菅本香菜さんと象印メンバーが各地をたずねるコラボレーション企画第三弾は「富山」。昆布や白えびなど、富山ならではのおにぎりが生まれました!

富山の風土、食文化について

日本列島のほぼ中間に位置する富山県。東・南・西の三方を山地に囲まれ、ミネラルたっぷりな雪解け水が平野に流れこむことから「コシヒカリ」などお米の産地として有名です。
富山といえば家庭に薬箱を置く「薬売り」も有名ですが、行商人が全国各地で薬を補充する際には稲作指導もしていたというくらい、古くから米どころとして栄えてきました。
北は「天然のいけす」とも称される富山湾に面し、約500種類もの魚介類が生息すると言われています。海岸近くまで深い海が広がっている地形が特徴的で、白エビやズワイガニの棲みかにもなっているそうです。また、富山は昆布の消費量が全国1位。江戸時代に北海道からの交易船「北前船」の寄港地として栄え、昆布が手に入りやすかったことが影響していると言われています。そんな昆布で刺身をはさんで熟成させる「昆布〆」は富山ならではの郷土食です。

訪問した生産者さんの紹介

しろえび倶楽部

白えびの持続可能な漁業を目指している「しろえび倶楽部」さん。
各漁船の水揚げ金額を均等配分することで過度な漁獲競争を抑え、ベテラン漁師から若手漁師への技術の伝承にも繋がっているとのことでした。普段から白えび漁を間近に見ることができる観光船を運行されていますが、今回は特別に漁船に同乗させて頂けることに。立山連峰越しの朝日と共に揚げられる白えびは本当に宝石のように輝いていて、ほんのりとした甘みが印象的でした。

https://shiroebiclub.net/

株式会社室屋

昆布の消費量日本一を誇る富山県で国産100%の昆布を選別・加工されている「室屋」さん。
倉庫には多種多様な昆布が保管されており、箱に結ばれている紐の色で等級が分かることや、同じ等級の中にも傷の有り無しや収穫方法、切り揃え方などで更に細かな分類があることなどを教わりました。また、富山の昆布というととろろ昆布が有名ですが、とろろ昆布にも「白」と「黒」があること、富山のラーメン屋さんで提供されるとろろ昆布おにぎりは「白」「黒」どちらにするかを選ぶことができることをお伺いし、富山県民の昆布に対する愛の深さを知ることができました。

https://www.muroyanokonbu.com/

土遊野

中山間地域の里山にて、先代から引き継いだ田畑で循環型の農業を実現すべく、様々な取り組みをされている「土遊野」さん。
家畜業も一緒に営むことで、養鶏の鶏糞を堆肥にして田畑に送り、そこで育った野草や飼料米を鶏の餌に。これを繰り返すことで有機物を土壌に還し、昔ながらの自然な循環を実現しているとのこと。有機栽培のお米だけでなく、そこから生まれた米粉や日本酒、平飼い卵や牛乳、焼き菓子まで色々な農産品を生産・販売されています。ご自宅にお招きいただいて食べた卵かけごはんは、つややかな米粒に爽やかな風味の黄身が絡まり、あっさりと食べてしまう美味しさでした。

https://doyuuno.net/

ワークショップの様子

取材旅の最後には、現地で教えてもらった食材を使って富山を表現する、おにぎりワークショップを開催。株式会社室屋さん、発酵料理研究家の中川さん、県内の大学生、富山県庁の方など、総勢15名ほどの方にお集まりいただきました。
富山を表現するおにぎりを作るために準備したり、参加者の方に持ち寄って頂いた主な食材は以下の通り。

・室屋さんの「昆布」各種
・しろえび倶楽部さんの「白えび」
・漁から加工までを一貫で行うIMATOさんの「ぶりの干物」
・富山湾名産の「ホタルイカ」
・富山唯一の農家を事業承継して奮闘するシテンさんの「スプラウト」
・地元スーパーで売られていた農家直送の「ピーナッツ、黒豆、花オクラ」
・ゆで野菜を味噌と和えて作る家庭料理「よごし」
・土遊野さんの「棚田米」

ワークショップでは参加者が4チームに分かれて調理を開始。それぞれのチームメンバーが持ち寄った農産物を軸に、何と組み合わせると美味しいおにぎりになるか試行錯誤を繰り返していました。また、学生さんならではの自由な発想に周りが驚く一幕もありました。

最終的にできあがったおにぎりの一部をご紹介。

・ぶり×スプラウト×白とろろ
・よごし味噌×スプラウトの焼きおにぎり
・白エビ昆布締め×オリーブオイル×白とろろ
・ぶり×マヨチーズ
・黒豆×ピーナッツ×花オクラ
・ほたるいか干物×昆布ガリ×山菜昆布締め

富山のスーパーマーケットでは、複数のゴンドラの上で様々な種類の昆布が販売されてました。また魚だけでなく牛や鶏の昆布〆があったり、パンコーナーには昆布パンがずらりと並んでいたり。
皆さんもぜひ富山の昆布愛を感じに来られ!

菅本さんコメント:

富山旅でキュンとした1コマ。取材に伺った『土遊野』さんご夫婦の娘ちゃんがメニュー表を作ってくれました(^^)とっても嬉しくて今も私の家に飾っています。
いつも旅先の皆さんの温かさに元気をもらってばかり。だから旅を続けたくなるのだと思います。

PROFILE
「旅するおむすび屋」菅本 香菜さん

食べることの楽しさや大切さを伝えるために、おむすびを通じた食育授業や全国の食文化取材などに取り組んでいる。中学高校時代に拒食症を患い死の危険に直面するも大学時代に克服し「食べることは生きること。そして生きる喜び」と実感したことが原体験。書籍出版とドキュメンタリー映画化が決定。

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