6月24日(金)、大阪府吹田市立西山田小学校にて、
第4回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2016」が開催されました。
夢先生は、中嶋一貴さんが務め、
3・4時間目(5年2組)と5・6時間目(5年1組)に
「夢の教室」を行いました。
「夢の教室」前半35分はゲームの時間。この日はあいにくの雨で湿気が多く、汗をかきやすい天候でした。ゲームが始まる前には、アシスタントの法師人さんから水分・塩分補給の大切さについてのお話がありました。ゲームの内容は仲間と助け合うことで、クラス全員がクリアできるものです。はじめは自分がゴールすることだけを目指していた子どもたちも、みんなで集まって作戦タイムをとってからは、周りの友達を助けようと協力しました。その結果、両クラスとも最後には見事に成功。中嶋先生からは「今日のゲームのようにみんなで協力し合えば、クラスの絆も深まると思います。これからも仲間を助け合うことを大切にしてください。」とお話がありました。ゲームの時間の最後には、子どもたちから中嶋さんへ記念タオルが贈呈されました。
「夢の教室」後半55分はトークの時間。夢先生である中嶋さんが自分の経験を通して子どもたちに夢を持つことの大切さを伝えました。中嶋さんは授業の最初に自身のレース映像を交え、レースという競技を子どもたちに紹介しました。普段触れることのなかったスポーツに子どもたちは興味津々で、時速300kmを超えるスピードで走る中嶋さんに驚いた様子でした。
中嶋さんは小学校5年生の頃にレースを始めます。当時レーサーだったお父さんの姿に憧れて、よく公園でゴーカートに乗って遊んでいたことがきっかけでした。もちろん当時から夢は「F1レーサーになること」。練習を重ね、中1の頃には初めて大会に出場しました。しかし、結果は残念ながら第1コーナーでリタイア。悔しい結果でしたが、中嶋さんはその後も練習を続けました。
中嶋さんはその後2年間練習を続け、高1の頃には全国大会に出場、翌年には企業支援を得るためのオーディションを受けました。結果は不合格となりましたが、この経験が将来を考える中嶋さんにとって大きな転機となったそうです。それまでの中嶋さんにとって、F1レーサーになることはなんとなく抱いていた「夢」にすぎませんでした。しかしオーディションで悔しい思いをしたことで、中嶋さんは、F1レーサーになることをぼんやりとした夢ではなく、より現実的な「目標」として意識するようになったのです。それ以降は「オーディションに受かるようなレーサーになるためには、暑くて苦しい環境でもしっかり走れるように体を鍛えなければいけない」など、目標に向けて今何ができるかを考えるようになりました。そして高3で迎えたオーディションでは見事合格。目標に向けた中嶋さんの努力がようやく報われました。こうしてデビューした中嶋さんですが、レーサーとして成長するにつれて、乗る車も次第に大きくなっていきます。
レーサーとして成長を続ける中嶋さんは22歳で念願のF1に乗る機会を得ました。はじめてF1に乗って出場した大会はピットイン時にブレーキのミスがあるなど、ほろ苦いものとなりましたが、F1レーサーになるという夢が叶ったことは中嶋さんにとって大きな自信となりました。しかしそれからの数年間、中嶋さんはレースで思うような結果を出せず、フル参戦2年目が終了した25歳の時に、シートを失ってしまい「無職」という辛い時間を過ごさなければならなくなったのです。帰国した中嶋さんは、「このままではいけない」と、初心に戻りもう一度目標を探しました。そこで見つけた目標が、「日本で1番になること」。中嶋さんは若い頃にF1で海外に出ていたため、日本のレースで1番になるという経験をしていませんでした。26歳の時に日本のレースに復帰した中嶋さんはスーパーフォーミュラへ参戦して2年目となる2012年にチャンピオンの称号を手にし、日本で一番になるという目標を達成しました。一度挫折を味わっても次の目標を見つけ、それに向かって努力する中嶋さんの粘り強さがこの結果を生んだのです。中嶋さんは現在、FIA世界耐久選手権ルマン24時間という海外の大会に挑戦しています。1台のマシンを3人のドライバーで24時間ずっと走り続ける、とてもハードな大会です。中嶋さんはこの大会で優勝するという新たな目標に向かって、日々努力を続けています。 授業の最後には、「成功するまで続けることが大切。何事も諦めずに続けていれば、きっと夢を叶えるチャンスはやってくるよ。」というメッセージが、中嶋さんから子どもたちに向けて送られました。
浅原さん【将来の夢:新体操選手】
みんなと協力することの大切さ、あきらめずに努力することの大切さを学びました。
悪い成績が出ても、気落ちせずに頑張って続けたいと思います。
浅井くん【将来の夢:プロサッカー選手】
プロになっても満足せずに、努力することが必要だと感じました。
ドリブルやシュートを練習して基礎技術を学ぶことです。
川西くん【将来の夢:大学に進学し、研究をすること】
何度も挫折を味わいながら夢に向かって進む先生の姿がとても印象的でした。
今は理科が苦手なので、克服できるようにまずは暗記できる部分を頑張って覚えようと思います。
稲田さん【将来の夢:ピアノの先生】
夢先生のような人でも成功だけでなく、多くの失敗を経験していることが印象的でした。
学校では先生の話をきちんと聞き、家に帰ってからはシューベルトやショパンの曲を沢山練習したいです。