象印 ZOJIRUSHI

第8回
奈良県 奈良市立東市小学校

夢先生はプロBMXライダーの阪本章史さん!

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阪本 章史(さかもと あきふみ)
大阪府出身。9歳から本格的にBMX(Bicycle Motocross)を始めました。11歳のときに年齢別の全日本BMX選手権大会で優勝。14歳時に国内トップカテゴリーである「スーパークラス」のレースに出場し、何度も表彰台に上りました。2000年に18歳で全日本チャンピオンに輝くと、プロレーサーとしてBMXの本場アメリカでプロデビュー。その後、国内外の大会で優勝を重ね、2006年にアメリカの「A PRO」クラス(最高クラス「AA PRO」の一つ下)で日本人初の優勝、世界のBMXレース界最高クラスの「AA PRO」にアジア人として初の昇格を果たしました。2008年には、BMXが初めて正式種目として採用され、北京オリンピックに出場。2010年にはアジア競技大会で銀メダルを獲得しました。現在も日本BMXレース界の第一人者として、また、日本唯一のプロBMXライダーとして活動しています。

第7回「夢の教室」活動レポート

9月27日(火)、奈良県奈良市立東市小学校にて、
第8回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2016」が開催されました。
夢先生は、阪本章史さんが務め、3・4時間目(5年1組)に
「夢の教室」を行いました。

写真みんなで協力すれば、難しい課題もクリアできる。

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。天候にも恵まれ、絶好の「夢の教室」日和となりました。ゲームが始まる前にはアシスタントの川股さんから水分・塩分補給の大切さについてのお話がありました。
その後登場した阪本さんは、さっそく自転車に乗ってパフォーマンスを披露してくれました。これを見た子どもたちは大興奮。メインゲームにも力が入りました。ゲームの内容はチームで取り組む鬼ごっこです。鬼ごっこと聞いて喜んでいた子どもたちでしたが、少しずつ難しくなるゲームに悪戦苦闘。それでも阪本さんを中心に作戦タイムを繰り返し、最後には見事なチームワークでクリアしました。ゲームの時間の最後には、阪本さんから「チーム一つになって課題を乗り越える経験は貴重だよ。これからもクラスみんなで頑張ろうね」とお話がありました。

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運動して汗をかいた後は、しっかり水分・塩分補給!ゲームの時間のあと、みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

きっかけは、親友のBMXへのあこがれ

「夢の教室」後半55分はトークの時間。夢先生の阪本さんが映像でBMXレースという競技を紹介しながら、子どもたちに夢を持つことの大切さを語りました。阪本さんがBMXレースに出会ったのは8歳のとき。友達が練習をする姿がかっこよくて、BMXを買ってもらうために何度もお父さんにお願いしたそうです。1年後にようやく念願のBMXを買ってもらった阪本さんは、BMXに乗ることにすぐに夢中になりました。最初は遊びのつもりで続けていた阪本さんでしたが、乗り続けることでいつの間にか技術が身につき、12歳のときに参加した全国大会でなんと優勝してしまいました。いきなり日本チャンピオンになったのです。阪本さんのBMXレーサー人生は、順調なスタートを切りました。
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写真はじめて世界レベルに触れたことで決意した「夢」。

その翌年に日本代表として挑んだ世界選手権アメリカ大会。そこで阪本さんは大きな衝撃を受けました。40秒ほどのレースの中で、周りの選手に20秒以上の差をつけられ大敗したのです。同時に開催されたプロの試合も見学し、世界レベルを実感しました。「自分もあんな風になりたい・・・」そう思った阪本さんは、アメリカでプロになることを夢見るようになりました。はじめは夢を笑われることもありましたが、自分で決めた夢を信じて一生懸命練習に取り組みました。そして5年後、18歳になった阪本さんは、武者修行のため単身アメリカに移る決意をします。言葉が通じない、初めての一人暮らしなど、乗り越えなければならない壁はたくさんありましたが、時間が経つとともにアメリカでの生活にも慣れ始めました。しかし肝心のレースは初戦敗退が続き、弱音を吐く毎日が続きます。それから5年間全く結果が出ず、23歳となった阪本さんは、失意のもと日本に帰る決心をしてしまいました。アメリカから逃げ帰ってきたことで、夢を叶えることを諦めかけていましたが、ある日、初めて優勝した12歳の頃の映像を見返していると、当時のモチベーションが昨日のことのように思い出され、「なぜ日本に帰ってきたんだろう」と、自分の決断が間違っていたことに気が付きました。そして阪本さんはあることを決心しました。それは「プロになってもなれなくても、もう一年だけ頑張ろう。すべてを注いで悔いなくやってみよう。」ということ。こうしてアメリカに戻り挑んだ最初のレース。阪本さんは日本人で初めてのチャンピオンとなりました。

夢は、一人では叶えられない。

アメリカに戻って最初の大会で優勝したことで、「もしかしたらプロになれるかもしれない」と期待していた阪本さんでしたが、その先に待っていたのはプロへの道ではなく、大けがでした。腰の骨を折る大きなけがです。1ヵ月間も入院しなければならない上に、阪本さんはレース代を治療費に回してしまったため、自力では、レースに参加すらできない状況でした。阪本さんは大きなショックを受け、「もうすべて諦めて、日本に帰るしかない・・・」そう思うようになりました。しかしそんな阪本さんを助けてくれたのは、8歳の頃にBMXを教えてくれた、あの親友でした。阪本さんの夢をずっと応援し続けてくれていた彼は、阪本さんのけがを知ってから、治療費でなくなってしまったレース代を募金で集めてくれたのです。復帰後のレースは練習も少なく、阪本さんはとても不安でしたが、夢を諦めきれずに入院中もトレーニングを重ねていたおかげで、レースの技術は衰えていませんでした。その時々でやれることを続けていた阪本さんは、この復帰戦でなんと2位という素晴らしい結果を残すことができたのです。そしてついに、1年間で最後のレースがやってきました。このレースで4位に入ることができればプロになれる・・・夢が目前となり、これまでにない緊張感に襲われる阪本さんでしたが、レース直前、客席を見ると大きな日の丸の旗が目に入りました。よく見ると、そこには日本でレース代を集めてくれた親友の姿がありました。阪本さんはその姿に勇気をもらい、見事4位に入ってアメリカでプロになるという夢を実現しました。その後26歳でオリンピックへの出場を果たした阪本さん。現在は2020年の東京オリンピックで活躍する選手を育てることを新たな目標に、日々努力を続けています。授業の最後には、「夢は一人では叶えられない。自信をもって友達に夢を伝えれば、それだけ応援してくれる人が増えるんだよ。だから自分の夢に自信をもって頑張ろう。」と子どもたちにメッセージが送られました。

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「夢の教室」を終えて。〜担任の先生と子どもたちの感想〜

「夢の教室」で印象に残ったことは何ですか?
阪本先生の話を聞いて、これから夢を叶えるためにやってみようと思ったことはありますか?

河内さん【将来の夢:バレーボールの日本代表になること】

河内さん(左)大井先生(中)奥田くん(右)

夢に向かって頑張ればみんなも応援してくれるということに気が付きました。

リベロのポジションの技術を身につけるために、日本代表の試合をテレビで見て勉強したいです。

奥田くん【将来の夢:プロサッカー選手】

ゲームの時間では、チームワークの大切さを学びました。

日々の練習の時間を大切にしたいと思います。

大井先生の感想
子どもたちはみな何かしらの夢を持っていると思います。今は恥ずかしいかもしれないけど、阪本さんから「夢を伝えることで、周りの友達が応援してくれる」という心強いメッセージを頂いたので、これからは仲の良い友達にどんどん夢を伝えてほしいと思います。

開催校について

学校の写真

学校名
奈良市立東市小学校
http://www.naracity.ed.jp/ele01/index.cfm/14.html
所在地
奈良県奈良市古市町268番地
開校
1872年
児童数
199名(平成28年9月)
特徴
本校の教育目標は、「ゆるぎない自信と誇りを持った児童を育てる~つながりの中で自己肯定感を高める教育活動の展開~」です。本校は、長い歴史を持つ人間尊重の精神を基に、家庭や地域や大学と連携し、子どもたちの持つ可能性を引き出し、自分が生まれ育った学校や地域を誇りに持ちながら、社会を力強く歩んでいける子どもの育成をめざしています。また、『TNP』(東市日本一プロジェクト)として、「自分から元気な挨拶」「きれいな学校」「感謝を言葉に」「仲間を大切に」にも取り組んでいます。

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