象印 ZOJIRUSHI

第7回
北海道 小樽市立入船小学校

夢先生はロンドンオリンピック女子柔道銀メダリストの杉本美香さん!

杉本 美香(すぎもと みか)
兵庫県出身。小学生時に柔道を始め、中学3年時に全国中学校柔道大会団体戦で優勝。高校時代には全国高校柔道選手権大会で優勝を果たしました。筑波大学進学後はシニア大会で活躍。2005年には、講道館杯優勝のほか、アジア柔道選手権大会78kg超級、無差別級で2冠を達成など数々のタイトルを獲得しました。大学卒業後も全日本選抜柔道体重別選手権大会4連覇、グランドスラム優勝、アジア競技大会優勝など第一線で活躍。2010年には、史上3人目となる世界柔道選手権大会2階級制覇を成し遂げました。2011年には皇后杯全日本柔道選手権大会で初優勝。2012年にはロンドンオリンピックに出場して銀メダルを獲得、同年11月に現役を引退しました。

第3回「夢の教室」活動レポート

7月21日(金)小樽市立入船小学校にて
第7回「ZOJIRUSHIユメセンサーキット2017」が開催されました。
夢先生は杉本美香さんが務め、
3,4時間目(5年1組)に「夢の教室」を行いました。

みんなで協力すれば、難しいことも乗り越えることができる。

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。まず始めに、クラスの代表の子どもたちが、杉本さんの投げ技を受けるデモンストレーションを行いました。オリンピックメダリストの杉本さんの投げ技を間近で見た子どもたちからは、とても大きな歓声が沸きました。その後、クラスのみんなで協力するゲームに挑戦。ゲームの最初はなかなかうまくいきませんでしたが、杉本さんを交えた作戦タイムを2回行い、クラスのみんなで掛け声をかける作戦で、見事にクリアしました。クリアした後には杉本さんから、「今日のゲームのように、難しいこともみんなで協力して乗り越えてください。」とメッセージがありました。

運動して汗をかいた後は、しっかり水分・塩分補給!ゲームの時間のあと、みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

柔道との出会いと、両親との約束

「夢の教室」後半はトークの時間。杉本さんが柔道を始めてからオリンピックでメダルを獲得するまでの経験や想いに関するお話を聞き、みんなの夢について語り合いました。小学生の頃からスポーツが得意だった杉本さんは、水泳やバスケットボール、バレエなど、様々なスポーツに取り組んでいました。しかし飽きやすい性格だったので、小学3年生で始めたテニスも飽きてしまい、2年ほどで辞めてしまいました。そんな杉本さんに転機が訪れたのが小学5年生の時でした。当時から体が大きく力も強かった杉本さんに、友達のお母さんから、柔道の練習の見学に来てみないか、との誘いがありました。道場で初めて見た柔道の投げ技の迫力に衝撃を受けた杉本さんは、「私が本当にやりたいスポーツはこれだ!」と思いました。杉本さんは家に帰って両親に入部したいと伝えましたが、今まで色々なスポーツに取り組んではすぐに飽きて辞めてしまっていたことから、両親は入部を許してくれませんでした。それでも、何としても柔道がしたかった杉本さんは、1か月間、様々な家のお手伝いをして両親を説得しました。その結果、絶対に辞めないという約束のもと、柔道を始めることができました。柔道を始めた小学5年生の10月5日は、今でも忘れられないとても大切な日になりました。

今でも大切に持っている将来の夢を描いた絵。自分の頑張りで周囲を笑顔に。

柔道を始めた杉本さんは、小学6年生の図工の授業で取り組んだ、将来の夢を絵に描くという課題で、自分が柔道選手としてオリンピックで活躍している絵を描きました。オリンピック出場という夢を初めて持ったのがこの時だった、と今でも大切にしているその絵を子どもたちに見せながら、話してくれました。明確な目標ができてからは、練習中にケガをしてしまうこともありましたが、両親との約束を守り、夢を叶えるために、中学生になっても柔道を続けます。中高一貫校で柔道に取り組んでいた杉本さんは、年上の高校生と練習する機会がとても多くありました。しかし、真剣な練習で年上の高校生に投げ技をかけた時に、その選手から、年上の選手を投げるのは良くないと指摘を受けてしまいました。この出来事をきっかけに、今の環境では自分が強くなることができないと思い、オリンピック出場の夢を叶えるために、転校することを決意しました。新しい環境で柔道に取り組んだ杉本さんは、高校1年生の時に全国大会で準優勝し、高校2年生の時に出場した全国大会では、見事に優勝しました。優勝した時に、両親や友達が笑顔で喜んでくれたことで、自分が頑張れば周りの人がこんなにも笑顔になってくれる、もっともっと頑張ろうと思うようになりました。

みんなに本当の笑顔を届けるために、自分も笑顔で精いっぱい努力。

大学でも柔道を続け活躍していた杉本さんは、3年生の時に日本一になり、支えてくれる周囲のみんなに笑顔を届けることができたという満足感を感じるとともに、自分がオリンピック出場に近づいたことを実感しました。オリンピック出場の夢に向かって練習に取り組んでいた杉本さんでしたが、過度の練習が原因で左ひざに大ケガを負ってしまいます。家族や仲間たちがお見舞いに駆けつけてくれましたが、みんなの顔から悲しさを感じた杉本さんは、「心配してくれている人たちに、本当の笑顔を届けたい、そのためには自分が笑顔になって活躍しなければ。」という強い気持ちを持ってリハビリに取り組みました。全治1年といわれたケガを8か月で治し、杉本さんは選手として復帰しました。その後も何度か大きなケガに悩まされましたが、笑顔を決して忘れることなく、苦しいリハビリを乗り越え、26歳の時には世界選手権で日本人女子選手として初めての2階級制覇、27歳の時には夢であったロンドンオリンピックに出場し、銀メダルを獲得しました。決勝戦で敗れた悔しさはありましたが、日本に帰国して、みんなが笑顔で迎えてくれたことで、杉本さんは初めて自分を褒めたそうです。その時の銀メダルを子どもたち披露した後、子どもたちも自分の言葉で夢を発表しました。
授業の最後には、「これから苦しいこと、大変なことがたくさんあると思うけど、笑顔を決して忘れずに、夢に向かって頑張ってください。」とメッセージがありました。夢の教室終了後、校門を出るまで子どもたちが見送ってくれ、杉本さんと子どもたちにとって、とても思い出に残る1日になりました。

「夢の教室」を終えて。〜担任の先生と子どもたちの感想〜

「夢の教室」で印象に残ったことは何ですか?
杉本先生の話を聞いて、これから夢を叶えるためにやってみようと思ったことはありますか?

山本先生(左)工藤くん(中)増田さん(右) 工藤くん【将来の夢:空手選手としてオリンピックに出場】

みんなで努力することが大切だと思いました。

夢に向かってあきらめずに、努力を続けたいと思いました。

増田さん【将来の夢:中学校の先生】

一致団結すること、笑顔を絶やさないことが大切だと思いました。

毎日の勉強を頑張りたい。杉本先生のように、苦しいことがあっても笑顔で乗り越えられる人になりたい。

山本先生の感想
体育館のゲームでは普段の授業よりも子どもたちが生き生きとしていて、いつも以上に声が出ていたことがとても印象的でした。人は出会いの中で成長すると思うので、今日の杉本先生との出会いを、子どもたちには大切にしてもらいたいと思います。

開催校について

学校名
学校の写真 小樽市立入船小学校
所在地
北海道小樽市入船3丁目19-1
開校
昭和5年
児童数
155名(平成29年4月現在)
特徴
※港町小樽の中で閑静な高台にあり、今年で開校87年目を迎えます。「素直で仲良く精一杯」「心豊かですこやかに」「工夫をこらし 進んで実行」を目標に、学習やスポーツに一生懸命取り組んでいます。本校は、近年の児童の減少により今年度いっぱいで閉校します。閉校は残念ですが、残された時間の中で一人一人が生き生きと活動する、活気に満ちた学校になるよう、児童・教職員・保護者・地域が手を取り合って生活しています。
今回、児童や保護者・地域の方々とともに思い出づくりの一貫として応募させていただきました。

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