みんなで決めた目標に向かってチャレンジしよう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。ゲームが始まる前には、アシスタントの法師人さんから水分塩分補給の大切さについてお話がありました。準備運動の後は、クラスで1つのチームになって、ボールを回すゲームにチャレンジ。みんなで目標タイムを設定し、クリアするために作戦を考えました。失敗を重ねるうちにチームの絆が強くなり、最初の目標を達成してからはどんどんタイムを縮めることができました。
ゲームの時間の最後には、「まずは夢や目標を見つけることが大切。みんなで決めた目標に向かって、失敗を恐れずにチャレンジしていこうね。」と中嶋さんからアドバイスがありました。

ゲームの時間のあと、
みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

F1ドライバーという夢に向かって

「夢の教室」後半55分はトークの時間。中嶋さんのこれまでの体験談を聞いたり、みんなの夢について一緒になって考えました。授業のはじめには、中嶋さんのレースの様子が映像で紹介されました。はじめてレースの世界に触れた子どもたちも多く、中嶋さんの解説にも興味津々でした。
中嶋さんが初めてカートに乗ったのは、10歳の頃でした。当時、レーシングドライバーだったお父さんの影響でレースに興味を持ち、遊園地でもゴーカートに乗ることが多かったそうです。はじめは鈴鹿サーキットのスクールに通い、2年間の練習で技術を磨きました。中学生で初めてレースに出場。高校に入学すると、徐々にレースの機会も増え実戦の経験を積むようになりました。当時、レースに夢中だった中嶋さんの夢は、もちろんF1ドライバーになることでした。

夢見るだけではなく、具体的な目標を持つことが大切!

夢を叶えるための第一歩となるF4のレースに出場するには、自動車免許を取るだけでなく、企業のスポンサードが必要でした。そこで中嶋さんは、トヨタのオーディションを受けることを決心しました。3日間のスクールで車の走らせ方や細かい技術を学び、最終日の選考で1~2人が合格となる、とても厳しい内容。高校2年生の頃に初めて参加した選考会では、惜しくも合格とはなりませんでした。悔しい経験をした中嶋さんは、「夢見るだけなら誰でもできる。夢を叶えるために、自分は今何をしなければならいないんだろう?」ということを考えるようになり、この時から1つ1つの練習にこだわって取り組むようになったそうです。車を速く走らせる技術、それに必要な体力など、細かいところまでこだわってトレーニングを行うことで、翌年のオーディションでは見事合格。念願のF4ドライバーに進むことができました。

一度決めた夢や目標に向かって、決して諦めずに努力する。

カーレースには日本だけでなく海外にもさまざまな大会があり、世界で二十数名しかいないF1レーサーになるためには、そういった海外のライバルたちと戦う必要がありました。
そこで、F4ドライバーになっても、「夢を叶えるために今、自分にできることは何か」と考え抜く中で、中嶋さんは世界を舞台に闘うために必要となる英語の勉強を始めました。海外のレースに出場する機会が多くなった中嶋さんは、より強いライバルたちと切磋琢磨することで実力をつけ、一気にF1の舞台まで上り詰めました。英語の勉強はレースの技術には直接結びつきませんでしたが、海外のレースに出場するチャンスをより多くつかめたことや、海外のライバルたちとの会話の中でモチベーションを高めることができた経験は、中嶋さんにとって大きな財産となりました。
しかし、F1レースは常に良い結果を出さなければ生き残ることができないような、とても厳しい世界です。デビューしてから三年間、中嶋さんは思うように結果を残すことができず、F1ドライバーを引退することになりました。それでも中嶋さんはレースの世界から決して逃げださず、新しい夢を探しはじめました。そこで心に決めたのは、日本で一番になること。2011年から国内最高峰のレース「スーパーフォーミュラ」に出場し、今自分に必要だと思う練習を積み重ねました。その結果、2012年には見事チャンピオンになることができました。
日本で優勝したことで、再び海外のレースに出場するチャンスを掴んだ中嶋さんは、世界三大レースの一つ「ルマン24時間」優勝を新たな目標に、再び世界の舞台で闘いました。この大会では、クラッシュによる怪我やレーシングカーの故障などのアクシデントにより惜しくも優勝を逃すなど、辛い経験がたくさんありました。しかし、中嶋さんは決して諦めることなく、7年もの間チャレンジを続けました。その結果、2018年にはついに優勝。中嶋さんの夢への強い気持ちと諦めない心が、世界で優勝するという夢を実現しました。世界優勝を実現した中嶋さんですが、今は世界大会の年間優勝を目標に、日々のトレーニングを積み重ねているそうです。
「トークの時間」最後には、「夢を叶えるために自分が今、しなければいけないことを考えよう。決して諦めず、続けることが大切だよ。」と、中嶋さんから子どもたちにメッセージが送られました。