みんなと協力し合ってゴールを目指そう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。ゲームが始まる前には、アシスタントの川邉さんから水分塩分補給の大切さについてお話がありました。
簡単な運動で身体をほぐした後は、クラスで1つのチームになって取り組む「だるまさんが転んだ」にチャレンジ。はじめは川邉さんのフェイントに苦戦しましたが、作戦タイムを重ねる毎にみんなの連携も深まり、クラスみんなで円陣を組んで見事クリアできました。
ゲームの時間の最後には、「みんなが全力を出し合ってやれば楽しいよね。次は絶対勝つぞという強い気持ちで頑張ろう!」と、アドバイスがありました。

ゲームの時間のあと、
みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

はじめて抱いた夢は、オリンピックの舞台に立つこと

「夢の教室」後半55分はトークの時間。田中さんのこれまでの体験談を聞いたり、みんなの夢について一緒になって考えました。
はじめに、田中さんが世界選手権で活躍したときの様子が映像で紹介され、大技を次々と決める姿に歓声が沸き起こりました。

田中さんは5歳の頃に新体操に出会いました。当時人見知りだった田中さんを見て、お母さんが新体操教室に連れていってくれたそうです。小学校に入学してからも、田中さんは踊ることや外で遊ぶことが大好きでした。

ある日校長先生とお話をしているとき、たまたまテレビで放送されていたオリンピック開会式の様子が目に入りました。校長先生から「オリンピックはスポーツのお祭りだよ。琴乃ちゃんならいつか出られるかもしれない!」と教わり、「いつか私も出場してみたいな・・・」と、世界の舞台を夢見るようになりました。しかしその夢は友達から笑われてしまい、田中さんはとても傷ついたそうです。

昨日の自分に負けない!をモットーにコツコツと練習を積み重ねる

田中さんは小学6年生の頃、県大会に出場することになりました。はじめての大きな大会でしたが、田中さんの将来を心配するお父さんからは「3位以内に入れなかったら、諦めて勉強に集中しなさい。」と伝えられ、新体操を続けるには結果を出すしかありませんでした。それでも本番で勝負強さを発揮した田中さんは見事優勝し、人生で初めてメダルを獲得しました。この頃には、田中さんは上達することの楽しさに気がつき、すっかり練習の虜になっていました。昨日の自分に負けないことを胸にコツコツと練習を積み重ね、中学3年生の頃にはなんと日本一に輝くことができました。

この活躍がきっかけで、夢の実現に一気に近づくチャンスがやってきました。フェアリージャパンのチームからオファーが届いたのです。新しいチームに入るためには地元を離れ、東京で毎日8時間の練習を続けなければなりません。それでも田中さんはオリンピックへの出場を叶えるため、迷わずフェアリージャパンでチャレンジすることを決心しました。

夢はオリンピックの舞台で、みんなに感謝すること

単身東京へ移り練習に取り組む中、田中さんは新しい発見をしました。それは、周囲への感謝の気持ちです。実家の生活ではお母さんが当たり前のようにしてくれていた食事の用意や洗濯。1人暮らしを始めてから、毎日家事を続けることの大変さに気がつき、家族や仲間たちへの感謝の気持ちを大切にするようになりました。良い結果でみんなに恩返しができるよう、練習にも一層力が入りました。過酷な選考会を乗り越えた田中さんは、ついに北京オリンピック出場メンバーに入ることができました。

しかし、新しくメンバーが加わり、競争は一層激化。自分より細くて身体が柔らかいライバルが多く、本番が近づくにつれて不安な気持ちが大きくなりました。「もっと細くならないといけない。」田中さんはそう思い、食事を我慢することが増えました。そんな毎日が当たり前になり、気がつくとご飯を食べることができない病気にかかってしまったのです。練習を続ける体力も失われ、ついに田中さんは練習中に肉離れを起こしてしまいました。「もうだめかもしれない。」夢の舞台は目の前にあるのに、最後の最後で叶わないかもしれない。田中さんは不安になる一方でした。

そんな田中さんを救ってくれたのは、やはり家族の支えでした。お母さんが合宿所に顔を出して、ご飯に連れて行ってくれたのです。「ご飯は本当に美味しいんだよ。」と、田中さんが食べられるようになるまでずっと付き添ってくれたおかげで、少しずつ食事ができるようになりました。お母さんの支えのおかげでケガも癒えた田中さんは、なんとか復帰して北京オリンピック本番を迎えることができました。夢にまで見たオリンピックの舞台。10位と残念な結果でしたが、それ以上に後悔することがありました。それは、見に来てくれた家族に向かって笑顔で手を振ってあげられなかったこと。東京に行って感じた家族への感謝の気持ちを夢の舞台で伝えるため、田中さんはもう一度練習を頑張りました。

そして4年後、ロンドンオリンピックの舞台に立つことができました。結果は7位とメダルには届きませんでしたが、真っ先に家族の姿を探して、「ありがとう。」と笑顔で手を振って、一番大きな目標を達成できました。悔しそうな表情の後輩にも「わかるよ。でも今は笑顔でいよう!ほら、みんなも見てるよ。」と、支えてあげることができました。

トークの時間の最後には、「将来、良いこともあれば悪いこともある。でもきっと、楽しいことはその先に待っているから、信じて努力しよう。そして、辛いときは怖がらずに仲間を頼ってみようね!」と田中さんから子どもたちに向けてメッセージが送られました。