みんなで協力し合ってゴールを目指そう!

「夢の教室」前半35分はゲームの時間。ゲームが始まる前には、アシスタントの小宮山さんから水分塩分補給の大切さについてお話がありました。
その後、クラスで1つのチームになって協力して取り組む「だるまさんが転んだ」にチャレンジ。小宮山さんのフェイントに苦戦しましたが、作戦タイムでたくさんの意見を出し合い、一生懸命取り組みました。
ゲームの時間の最後には、肘井さんから「運動が得意な子、苦手な子それぞれ意見を出し合い協力し合い、とてもいいクラスでした。これからも助け合うということを忘れずに頑張ろう!」とメッセージがありました。

ゲームの時間のあと、
みんなで冷たいスポーツドリンクを飲みました!

何をやっても負けず嫌いだった小学校時代

「夢の教室」後半55分はトークの時間。肘井さんのこれまでの体験談を聞いたり、みんなの夢について一緒になって考えました。トークの時間の最初には、現役時代の映像が紹介され、プロ野球の大舞台で活躍する肘井さんの姿に歓声が上がりました。

肘井さんは小学4年生の時、お父さんの影響と友達の誘いで野球を始めました。小学1年生の時から柔道もやっていて、よくケンカするやんちゃな子だったそうです。運動が得意だった肘井さんは、チームで一番野球がうまかっただけでなく、どんな競技をやっても一番でした。

しかし、当時所属していた野球チームは、隣の全国レベルのチームに何度対戦しても勝つことができず、負けず嫌いだった肘井さんは、1人で頑張っても勝てない野球に嫌気がさし、小学6年生で野球を辞めてしまったそうです。

全国大会出場!プロ野球選手が夢に!

中学校に進学した肘井さんは、野球と一緒に小さい頃から続けていた柔道部に入るつもりでした。柔道なら自分の力を試すことができると思ったからです。それでも、小学校時代に同じ野球チームに所属していた親友からの強い説得があり、最後には野球部に入部することを決めました。

肘井さんの中学校は、近くの強豪チームから選手が集まるような学校でした。そのメンバーの中でも活躍を続ける肘井さんのもとには、全国の有名校からスカウトが来るようになりました。沢山の高校からスカウトを受けたことが自信につながり、肘井さんは高校進学を機にプロ野球選手を夢見るようになりました。

全国の高校からいくつもスカウトが来ましたが、肘井さんは地元の公立高校に進学することにしました。夢は甲子園出場ではなくプロ野球選手だったため、強豪校でグランド整備などの雑用から入るのではなく、1年生から試合で活躍できる高校でアピールしようと考えたのです。肘井さんが考えていた通り、入学後は歴代最強の新入生と学校中で話題になり、1年生の時からレギュラーで活躍することができました。

二度のケガから学んだ「支え合い」の大切さ

高校の野球部で活躍していた肘井さんでしたが、1年生の時に腰をケガしてしまい、手術をして1か月運動できない日が続きました。肘井さんはすっかり気を落としてしまい、ケガが治っても練習をサボるようになってしまいました。
そんな時、「今まで仲間に支えてもらったんだから、今度はお前がチームを支える番だよ」という監督の言葉で、部員がグラウンドの準備や道具の片付けをしてくれていたのに、今まで自分勝手にやってきたことに気付かされました。
それから、肘井さんはチームのことを第一に考えるようになりました。チームに足りていない部分を考えるようになった結果、視野が広がり、自分の足りていないところにも気がつくようになりました。
結果的にチームは強くなり、2年生の時に兵庫県ベスト4まで進出。肘井さんは県選抜にも選ばれました。その成果が認められ、肘井さんは夢見たプロ野球の舞台に進むことができました。

最初の1年は二軍生活で、トレーニングをしてご飯を食べる生活を繰り返しました。一軍に昇格した2年目。試合でも少しずつ結果を出せるようになってきた頃、デッドボールが顔面に当たり、肘井さんは大ケガを負ってしまいました。2度の手術と、2か月間の病院での生活。当時は生きることに必死で野球を続けることは考えられませんでした。
そんな肘井さんを救ってくれたのは、兵庫から東京に駆けつけてきてくれたお父さんでした。「プロ野球選手になることがゴールじゃない、夢はレギュラーになることじゃなかったの?」その言葉でスイッチが入り、肘井さんは1年間リハビリと練習を続けやっとの思いで一軍復帰を果たしました。その時は涙が出るほど嬉しかったそうです。

しかし、一度顔面にボールを受けた体験が恐怖心を生み、うまくバッティングができなくなってしまいました。2018年10月には、チームから戦力外通告を受けたことがきっかけで、肘井さんはプロ野球選手を引退しました。
肘井さんは、高校、プロ野球時代に二度の大きなけがを経験し、その中で「支え」の大切さを学びました。何をするにも、誰かの支えが必要で、支えてもらうにはまず自分が相手を支えることが大切だということです。
トークの時間の最後には、「どんなに頑張ってもかなわない夢はある。大変なこともたくさんあるけど、それを乗り越えると夢に近づける。大変なことから逃げずに頑張ろうね。」と肘井さんから子どもたちにメッセージが送られました。