加藤さん、アシスタントの西山さんとジェスチャーゲームで盛り上がった後は、
みんなで水分補給について考えました!

過酷な経験も仲間と支えあって乗り越えよう!

「夢の教室」のはじめには、加藤さんからオリンピック会場の様子を収めた写真を見せてもらい、オリンピックの舞台の臨場感に子どもたちも興味津々でした。

加藤さんは、小学1年生の時に水泳を始めました。水泳に通う度にアイスクリームを買ってもらっていたお兄さんがうらやましく思ったことがきっかけだそうです。当時は他にもバスケットボールやピアノを習ったり、塾に通ったりと色々なことにチャレンジしながら、週に1回、水泳教室に通っていました。

小学5年生の時、加藤さんはバスケットボールと塾を辞めて選手コースに編入することになりました。大好きなピアノは続けながら、週7回と水泳の練習量は一気に増えました。選手コースの小柳コーチは厳しくて、当時の加藤さんにとっては怖くて近づきにくい存在でした。

選手コースに入ってからの合宿は、とても過酷でした。合宿所は山奥にあり、プールの水温は低く、極寒の中1日16kmを泳ぐハードな練習。3人前はある食事を残してはいけないルールもあり、どうしても食べきれない加藤さんは、泣きながら食べていたそうです。そんな過酷な合宿でしたが、チームの仲間で支えあいながら乗り越えることができました。そして、この合宿で加藤さんはうんと実力をつけ、小学6年生ではじめて出場した全国大会では見事6位となり、成長を実感することができました。しかし同時に、自分よりも速い選手が同い年に5人もいることに悔しさも感じていました。

このころから、自分よりも速い選手へのあこがれに気がつき「いつかオリンピックのような大舞台で活躍できる選手になりたい。」とぼんやりと夢を持つようになりました。

ハイレベルな環境で選手として成長する。

加藤さんは中学校に進学してから、バスケットボール選手だった両親の勧めもあってどの部活に入るか悩みましたが、小学校の頃に全国大会で感じた刺激を思い出し、本当にやりたい水泳を続けることに決めました。

中学1年生の時には、最年少でナショナル合宿に参加しました。高校3年生まで上位の選手が集まるハイレベルな合宿です。内気だった加藤さんは高校生の先輩たちに目を付けられないよう、目立たないようにひたすら練習に打ち込みました。すると、一生懸命練習したおかげで合宿のMVPを受賞することができました。目立つことは得意ではありませんでしたが、頑張っている姿は必ずだれかに見てもらえるということを知って、これからも頑張ろうという気持ちになりました。

ひたむきに練習に打ち込んだおかげで、加藤さんは中学3年生の時に全国大会で優勝することができました。少しずつ結果が出てきたことで、水泳がどんどん楽しく感じるようになりました。高校2年生の時には、日本選手権で2位となり、はじめて日本代表に選出されました。最年少で選出されたので、周りにはテレビで見るような選手や社会人など、年上の選手もたくさんいました。「誰この子?」と思われないよう、加藤さんはここでも目立たないよう、練習に打ち込みましたが、ここでは代表の先輩たちが親身になって優しいアドバイスをくれたことが大きな自信につながりました。