「プロサッカー選手になる」という夢をかなえるために見直した自分の時間の使い方
安永さんは小学4年生からサッカーを始めました。そこからたった5か月で小学6年生と一緒の試合に出場するくらいまで、サッカーが上達したそうです。その理由は、幼い頃からよく外で遊んで身体を動かしていたため、運動が得意だったことと、自分が一生懸命取り組んでいることを周りが褒めてくれたことで、サッカーに夢中になれたことでした。サッカー以外何もしたくないと思うくらいサッカーに夢中になった安永さんは、「どうすれば1日中サッカーをすることができるのか。」ということを考えました。それをかなえられるのは「プロサッカー選手」ということに気づき、小学6年生で「プロサッカー選手になること」を将来の夢に決めたそうです。
夢を見つけた安永さんは、今までの自分の時間の使い方を見直しました。できる限り自分の時間をサッカーに費やしたかった安永さんは、まず宿題を早く終わらせるために、学校の授業に集中しました。先生の言っていることはできる限り聞き逃さないようにし、わからないことがあれば、その場で質問して解決するようにしました。また、休み時間に宿題をやることで、家に持ち帰る宿題の量を極力減らすように努めたそうです。
中学校での大きな決断と安永さんを動かす「情熱」
中学校に入学し、サッカー部に入部した安永さんは、憧れの先輩に出会います。その先輩はU-15のサッカー日本代表選手に選ばれていました。「その先輩のように練習すれば、自分ももっとサッカーがうまくなれるのではないか」と思った安永さんは、その先輩の走り方やボールの蹴り方など、できることはなんでも真似をしたそうです。
その結果、中学1年・2年では、さらにサッカーが上達し、チームが全国大会に出場するなどの大きな経験をしました。そのような経験を通して、中学3年生ではある大きな決断をします。それはサッカーの強豪校に入学するために、地元である山口県を離れて、静岡県に行くことでした。
ここまで順調にサッカーが上達したのは、サッカーに対する安永さんの「情熱」があったからでした。毎日サッカーの練習をしている安永さんは、周りから見ると「努力」しているように見えていたのかもしれませんが、安永さんにとってサッカーをすることは苦しい「努力」ではなく、自分が「情熱」をもって無我夢中になれることだったのです。
高校入学とともに失われてしまったサッカーへの「情熱」
夢をかなえるために大きな決断をし、静岡県のサッカー強豪校に入学した安永さんでしたが、入学してすぐに現実を突きつけられます。周りのチームメイトは安永さんよりも早くサッカーを始めていて、今までの練習量にも大きな差がありました。そのようなチームメイトとサッカーをすることで、実力の差が顕著に見えてしまったのです。
そのような状況でも、監督は静岡県にはいないタイプの選手だということで、1年生の安永さんに期待し、レギュラーとして試合にも出場させてくれていましたが、それを見ていた周りの先輩からは日々厳しい言葉を言われたそうです。厳しい言葉を言われ続けた安永さんは、「どうして自分はサッカーをやっているのだろう」と感じるようになり、安永さんの中から次第にサッカーに対する「情熱」が失われていってしまいました。それからは、「情熱」をもってサッカーをするのではなく、上達するように「努力」をしなければならない苦しい日々が長く続いたそうです。
個性を活かしたプレーで、見事プロサッカー選手の道へ
そんな苦しい日々を過ごしていた時、友人が瞬発力や身体の強さなど安永さんの「個性」を教えてくれました。そこで安永さんは、足りないことを補う苦しい「努力」をするのではなく、自分の「個性」を伸ばすことに重点を置いた練習に切り替えました。
さらに、ある日の夜、グラウンドの近くを歩いている時に聞き覚えのある声が聞こえてきたので、見てみると、チームメイトたちが自主練習をしていました。「仲間はレギュラーになるために、部活外の時間に一生懸命練習しているにもかかわらず、自分はこの約1年何をしていたのだろう。」と自分が情けなくなった安永さんは、ある覚悟を決めました。
それは、自分の個性を活かしつつ、これでうまくいかないのであれば仕方がないと思えるくらいサッカーの練習に打ち込むことでした。個性を磨くことで、自分の得意なことがさらに上達し、自分らしいプレーをすることができるようになった安永さんは、試合の中でも活躍する機会が増え、徐々にサッカーや夢への「情熱」を取り戻したそうです。
高校2年、高校3年では全国大会での優勝を経験し、プロサッカーチームからも声がかかりました。そして自分がサッカーに費やしてきた時間が実を結び、見事「プロサッカー選手になる」という自分の夢をかなえたのです。
「夢の教室」の最後には、安永さんから子どもたちに「ありがとうの思いを大切に。」というメッセージが送られました。人とどのような出会いを作るのかは、自分の気持ち次第なので、よい出会いを増やすためには、周りの人への感謝の気持ちを忘れずに毎日を過ごすことが大切なのだそうです。
榊原くん
【将来の夢:プロサッカー選手】
夢を信じることの大切さです。
毎日の遊びの時間をサッカーの時間にするなど、今の時間の使い方を見直そうと思いました。