象印マホービン(以下、象印)が手がけるごはんレストラン「象印食堂」。はじめは期間限定のポップアップレストランとしてスタートした同店だが、じわじわと人気に火がつき、2018年には大阪・なんばスカイオに象印初となる常設店をオープン。 象印の高級炊飯ジャー「炎舞炊き」で炊いたごはんのおいしさや、丁寧に作られた料理の数々が評判を呼び、今では行列ができる話題のお店となった。そんな大阪の人気店が、ついに東京に初出店。待望の「象印食堂 東京店」を、2023年2月に東京駅前のKITTE丸の内 5階に開店させた。 今回は都内で働く岩井慶太郎さんと小山侑子さんに、「象印食堂 東京店」で実際のメニューを食べていただき、象印食堂への素直な感想や、ごはんの味わいについて話してもらった。
「象印食堂 東京店」は、JR「東京駅」丸の内南口から徒歩1分のKITTE丸の内 5階にある。象印の高級炊飯ジャー「炎舞炊き」で炊いたごはんと、「和」をテーマにした御膳スタイルの家庭料理が楽しめる。 東京駅は東海道新幹線や東北新幹線など、全国の主要都市を結ぶ日本の鉄道網の中心。また周辺の丸の内エリアは観光地やオフィス街が広がり、日本全国から多くの人が訪れるエリアだ。象印マホービン 経営企画部 事業推進グループ長の北村充子さんは、「認知度を全国に広めるには東京は欠かせない場所。東京から日本全国、東京から世界へ象印の炊飯ジャーで炊いたごはんのおいしさをお伝えしていきたい」と東京店への思いを話す。 お店の内装は、落ち着く空間でありながら高級になりすぎず、ホッとくつろげる空間を目指したという。大きな窓は店内に開放感をもたらし、また外を眺めると東京駅の赤レンガ駅舎が見えて気分が上がる。
東京進出に際し、大阪本店にはない限定メニューも用意。「華やかな春の祭典」をテーマに、器選びからこだわったランチ予約限定の「みやび会席」は、まるでアフタヌーンティーで使われるティースタンドのような食器で提供される。「和と洋の融合を意識して、食事をのせる盆は漆器のものにしました」と北村さん。ほかにもランチ、ディナーともに趣向を凝らしたメニューを取り揃えている。
丸の内エリアは日本有数のオフィス街ということで、今回は都内で働く岩井慶太郎さんと、小山侑子さんに「象印食堂 東京店」でランチを体験してもらうことに。岩井さんには看板メニューの「象印御膳」を、小山さんには東京店限定の「みやび会席」を試食してもらった。
岩井さん(写真左)の趣味は、釣りとBBQ。自宅でよく料理をし、ごはんは毎食土鍋で炊いている。小山さん(写真右)は自宅で仕事をするときは、ストックしてある食材で簡単に済ませることもあるが、オフィスに出社するときは社内外の人とランチ会食をすることも
「象印御膳」(1980円)。主菜は魚料理「真鯛とあさりの和風アクアパッツァ」、肉料理「豚肩ロースの香り焼き ベリーソース」、旬の料理「桜塩麹漬け鶏もも肉のソテー 味噌マスタードソース」の3種類から選べる(今回は旬を試食)。さらに、ごはんは2種類を食べ比べできる
「みやび会席」(3980円)。メインディッシュは「黒毛和牛ステーキ 山椒香る醤油ソース」。スタンド上段に「創作お造り」、中段に「副菜5種盛り」、下段に「ごはんのお供(3種)」が彩り豊かに提供される(ランチのみ・予約限定)
岩井さんは、一つひとつのおかずをじっくりと味わい、「ちょっとずついろいろなおかずを食べられるので、食材や食べ方の新しい発見があります。自宅でも真似しようかな」とコメント。家族に振る舞う料理のヒントにもなりそうだ。
小山さんは「まず見た目が華やかですよね。プチ旅行に来たような気分になれる。自分が好きなものばかり食べていると栄養などが偏ってしまうので、あえて普段自分が選ばなそうなものを食べようと心がけているのですが、これだけおかずの種類があると新鮮で楽しいです。お刺身だけ見ても、湯引きや和え物などさまざまな食べ方ができるのがいいですね」と絶賛していた。
象印食堂で提供されるメニューは、すべてごはんのおかわりが自由。さらにごはんを食べ比べられるように、東京店オープン時は象印の考えるおいしさの基準である白米の「ふつう」、粘りが弱い白米の「しゃっきり」、健康応援米の「金賞健康米(もち麦入り)」が用意されている。
「白米の“炊き分け”といっても同じ種類のお米と水を使っていると聞いていたので、そんなに違いがあるのだろうか? と疑っていましたが、こんなにも食感が変わるんですね」と岩井さん。小山さんも「お米のひと粒ひと粒が大きくて甘いですね。味が濃厚でおいしいです」と高評価。
普段自宅ではごはんを土鍋で炊いているという岩井さん。以前は炊飯ジャーを使っていたが、思うようなごはんにならず、試行錯誤した結果土鍋に行き着いたのだという。今回の試食をしてみて炊飯ジャーに対するイメージは変わったのだろうか。
「変わりました。普段の食事ではおいしさを求めて土鍋でごはんを炊いていますが、炎舞炊きで炊いたごはんも本当においしいですね。一般的な炊飯ジャーとの違い、ごはんのおいしさを引き出す炎舞炊きの性能の高さを感じました。あと好みの食感に炊き分けてくれる機能が搭載されているとのことで、自分好みのごはんを誰でも簡単に追求できるのは嬉しいポイントです」
一方、小山さんは家で使う炊飯ジャーとの違いを実感したそうです。「家で使っているのは昔ながらのシンプルな炊飯ジャーです。今回炎舞炊きで炊いたごはんを食べて、“あ、お米ってこんなに味が豊かなんだな”と改めて思いました。甘みがすごく伝わってきて、食感も粒の大きさを感じました」と話す。2人とも象印食堂を通して、炊飯ジャーで炊いたごはんの印象が大きく変化したようだ。
岩井さんは、象印食堂の立地やメニューをみて「仕事の際にもぜひ使いたい」と言います。その理由を聞くと「普段はテレワークでテキストやオンラインでのコミュニケーションが多いので、オフィスに行くときは同僚や社外の人とランチで顔を合わせてコミュニケーションをとることが多いんです。でも、そういう時に丁度良い店がなかったんですよ。サッと食べてサッと帰るカジュアルな食堂でもなく、コースを楽しむような高級レストランでもない。象印食堂は、ちょうどよいバランスの店作りになってるので仕事の際に使うランチの場所としてぴったり」と説明する。
隣で聞く小山さんもうなずく。「いろいろなメニューがあり、そのメニューの中でも多彩なごはんに合うおかずがあるところがいいですよね。仕事のチームメンバーや初めてのメンバーと食事をするときに『この料理はじめて食べるね』『あなたの料理おいしそうね』など、料理がコミュニケーションのきっかけになります。東京駅からすぐ近くなので、地方から来たお客様、友人、家族と一緒に来るのにもとても使いやすいですね」と続ける。
店内飲食のほかに、テイクアウトメニューも取り揃える。作り置きではなく、オーダーを受けてから調理するので、出来たての温かい状態で食べられる
もともと期間限定で営業していた象印食堂だが、「『炎舞炊き』で炊いたごはんのおいしさを一人でも多くの方に楽しんでいただきたい」という思いのもと、2018年に大阪に常設店をオープン。行列ができるほどの人気を着々とつけ、大きな評判となった。そして2023年、ついに東京店がオープンしたことで、より多くの人が“「炎舞炊き」で炊いたごはんのおいしさ”を知るきっかけになるだろう。
炎舞炊きという高級炊飯ジャーで炊いたごはんのおいしさを実感するのはもちろん、世の中では“ごはん離れ”が進む中で、この食堂での飲食体験を通して「やっぱりごはんっておいしいね」「ごはんがおいしいって幸せだね」と食事の土台となるごはんの大切さや、ごはんの可能性を体感してもらいたい。
※2022年12月取材時点の情報です。 / Photo:下城英悟