土井先生の総評
今回のテーマは「わが家自慢の煮物・煮込み料理」です。おかげで、とても楽しく審査できました。調理時間の長い煮物は、少しの食材をみんなで一緒に食べる。きちんと火をいれることで、消化がよくなる。生や炒め物に比べても、とてもやさしいお料理だと言えるのです。ゆえに、どんな煮物をつくろうかと思って、(コンセプト)、素材を組み合せて煮る、そしてお料理の出来上がりという道筋のなかに、いろいろな物語、センス、楽しみ、おいしさが感じられるのです。なぜそうするのかという食材の選び方(組み合せ方)や食材と人間との関係に何がしたいのかと言うことが見えてきます。感じたことは、コンテスト名に自慢料理とありますが、単に作る人の自慢であってはいけません。私たちの暮らしの伝統やアイデンティーを尊重するところに、普遍性が生まれてくるものです。