• TOP>
  • JOURNAL>
  • STAN.にまつわる言葉たち。vol.3 STANCE

STORY03

STAN.にまつわる言葉たち。vol.3 STANCE

STAN.にまつわる言葉たち。vol.3 STANCE

STAN.って、ちょっと不思議な製品だと思います。

特別に派手なわけではなく、特別に高機能なわけではなく、特別に安いわけでもない。

それなのに、多くのお客様に支持され、愛用されている。

どうやらSTAN.には、従来製品とは
少し異なる「魅力」があるようです。

なぜ、「特別」ではないSTAN.が、
ここまで愛されているのか?

答えは様々でしょうし、もしかすると、正解はないのかもしれません。でも、それを知ろうとすることは、決して無駄ではないと思います。

この連載は、STAN.に関わった人々の言葉をまとめたものです。

STAN.にまつわる言葉を通じて、STAN.の魅力と、「その魅力が生み出された理由」を探求していきます。

STAN.の3つのキーワード

1 STANDBY あなたの暮らしにスタンバイ。2 STANDARDスタンダードをつくり続ける。3 STANCEそれが象印のスタンスです。

まずはじめに、「STAN.」という名前の由来にもなった3つのキーワードをご存知でしょうか。

これらを掘り下げることは、すなわち、STAN.を深く理解することに繋がるはずです。

今回は、STANCE「スタンスを伝えること」をテーマに、印刷(パッケージ・レシピブック制作)・広報・販促の皆さんにお話を伺い、

大規模な広告展開をしなくても、多くのお客様に気づいていただき、愛用していただけている理由を紐解いていきます。

インタビュアー:渡辺平日
イラスト:星野ちいこ
編集:『STAN.にまつわる言葉たち。』編集部

INTERVIEW
01

イメージを思い描けていたから

豊田晃久

パッケージ担当とよだ てるひさ豊田晃久

実は、STAN.プロジェクトが立ち上がる前から、「もっとパッケージをシンプルにしたいね」という意見はあったんです。でも、様々な制約や課題があって、なかなか実行には移せませんでした。

--なるほど。今回のプロジェクトが、新しい挑戦のきっかけになったのでしょうか?

ええ、そうですね。デザインや設計だけではなく、販促面などもしっかりディレクションしたSTAN.だったから、ここまでシンプルにできたと、個人的には思っています。

--詳しくありがとうございます。新しいことをするにあたって、大変だったことはありますか?

んー……。これがほんとうにスッスッと進んでいったんですよ。

やっぱりデザイン担当をされたTENTさんに、世界観やビジュアルを事前に共有していただいていたのが大きかったですね。

イメージを思い描けていたから、スムーズに進行できた。
自分はそう考えています。

「コマーシャルのための箱」にするべきではない

--「パッケージをできる限りシンプルにした」ということですが、デザインしていく上で、どのようなことを気をつけられましたか?

STAN.シリーズの世界観を崩さないように注意しつつ、パッケージをデザインしました。

表現が難しいのですが……。単純な「コマーシャルのための箱」にするべきではないと感じたんですね。それはSTAN.らしくないなと。
そういう考えから、通常ですとパッケージに機能などのセールスポイントなども盛り込みますが、今回はあえて省略しました。

INTERVIEW
02

お客様もよりシンプルなものを求めている

鈴木芳則

パッケージ担当すずき よしのり鈴木芳則

--パッケージに関して、なにか印象に残っていることはありますか?

炊飯ジャーを製造している大阪工場の方に「パッケージ、いいよね」と言ってもらえたことが印象的でした。

--それは嬉しいですね。会議のときにそう言っていただけたのですか?

いえ、通りすがりに声を掛けられたんですよ。

--なんと! それはますます嬉しいですね。

ええ。あとは「ほかの製品のパッケージも、STAN.みたいにしたらいいのにな」と言っていました。正直、私もそのほうがいいなと思っているんですけども(笑)

現実的には、すべてのパッケージを変えるのは難しいです。でも、時代の流れもあってか、お客様もよりシンプルなものを求めているように感じますね。

あなたが手にしているその製品が、その答えです

--鈴木さんにとって、「象印らしさ」とはなんでしょうか?

うーん、象印らしさですか。長くこの会社に勤めていますけど、なかなか言葉にはできないですね。年に1回は同じような質問を受けますが、そのたびに考え込んでしまいます(笑)。そうですね、「親しみやすさ」は、象印を表すキーワードだと思います。あとは「生活になじむこと」も重要な要素でしょうね。いや、難しいですね。「まさにいま、あなたが手にしているその製品が、その答えです」といった感じでしょうか。

INTERVIEW
03

ついつい想像力が掻き立てられます

岡本薫

ホットプレート・
レシピブック担当
おかもと かおる岡本薫

--レシピブックには、イラストレーターの小池ふみさんの作品が多数使用されています。小池さんのイラストをはじめて見たとき、どういう感想をお持ちになりましたか?

私たちがイメージしていたとおりの仕上がりで、とても嬉しく感じました。スッと心に入ってくるような優しいタッチが、STAN.の「寄り添う」というコンセプトにぴったりだなと思って。

--STAN.の世界観を保ちつつ、さらにそれを広げてくれていますよね。

ええ。小池さんの絵を見ていると、「この人たちはどんな会話をしているんだろうか?」とか「なにを作ってるんだろうか?」とか、ついつい想像力が掻き立てられますね。

「いつもの日常」から「少し素敵な日常」へと想像を広げてくれる、そんな温もりのあるイラストだと感じています。

ちゃんと届いたんだ

--知人や友人などから、STAN.についての感想を聞く機会はありましたか?

残念ながら、身近にSTAN.を使っている人がいなくて、感想を直接聞いたことはないですね。

ただ、STAN.へのレビューは熱心にチェックしています。私、レビューサイトを見るのが好きなんですよ。STAN.が発売されて以来、毎日毎日、レビューをチェックしていました(笑)。

--レビューをチェックしていて、なにか発見はありましたか?

従来製品とはユーザーの年齢層が違うなと思いました。というのも、30代から40代前半のお客様からのコメントがいつもより多かったんです。それに気づいたとき、「ちゃんとターゲット世代に届いたんだ」って実感しましたね。

「レシピブックが素敵だった」と

これまで多くのレビューを見てきましたが、印刷物やレシピブックについての感想は、ほとんどないんですよ。当然といえば当然なのですが、やはり主役は製品自体で、それ以外は「脇役」のようなものなんです。でも、STAN.シリーズでは、「レシピブックが素敵だった」と、お褒めの言葉をいただけて……。

繰り返しになりますが、印刷物やレシピブックって、レビューで言及されることはめったにないんです。ましてや、褒めてもらうことなんて、いままでに一度もなかったです。ですので、「全レシピ作りたくなるような素敵なレシピブック...」というレビューを見かけたときには嬉しくて泣けました。微力ながらも「幸せ」を届けられたような気がしたんですね。

INTERVIEW
04

「できる」にフォーカスした提案

加堂真理子

ホットプレート・
レシピ開発担当
かどう まりこ加堂真理子

レシピブックを制作するとなったとき、私は「こんな短い納期じゃ、できないよ」って思いました。特に心配だったのは撮影ですね。当時、レシピ開発の担当は私ひとりだったこともあり、大阪工場から遠く離れた東京での撮影ロケをTENTさんに提案していただきましたが、「ロケをするのはかなり厳しい」と正直に伝えました。

そのとき、アートディレクターの種市さんが「イラストを使うのはどうですか?」と提案してくださったんです。「それならできると思います」って。その一言で場の空気がガラッと変わりましたね。

それまでは重苦しい雰囲気だったのですが、「できるやん」とか「たしかにそうやね」とか、みんなが口々に言いはじめまして(笑)。

種市さんが「できる」にフォーカスした提案をしてくださったおかげで、私も「できること」にフォーカスするようになれました。あのやりとりは、いま思い出してもなんだか嬉しくなりますね。

それから、SNSを参考に調理シーンからメニューを選定して、子育て中の社員に、お子さんと作りたいメニューをヒアリングしたり、試行錯誤を繰り返してレシピを作り上げていき、短い納期でしたが、30レシピを開発することができました。

皆で作り上げたレシピのプロセス全てが新鮮

レシピが完成し、校了まであと2週間というタイミングで、レシピを大幅に変えることになったんですよ。もう、目の前が真っ暗になりましたね。

パニックになりかけてたときに、レシピブック担当の岡本さんが「大丈夫やから」って言ってくれたんです。「なんとかなる」って(笑)。
あの一言には救われました。それでなんとか気を取り直して、レシピの修正に取り掛かったんです。周りの人達のサポートもあって、レシピの最終調整を終えることができました。あれはもうほんとうに大変でしたが、皆で作り上げたレシピのプロセス全てが新鮮で「楽しかった」です。

今、沢山のお客様に喜んで頂けていること、心から嬉しく思っています。

INTERVIEW
05

「ものがたりのあるレシピブック」を

種市一寛

FLATROOM
アートディレクター
たねいち かずひろ種市一寛

最初にSTAN.のプレゼンをおこなったとき、レシピブックについても提案させていただきました。

レシピブックって、製品を購入するとついてきますよね。だから、STAN.を選んでくださったお客様に対し、その世界観を伝えるための「方法」 のひとつとして、重視すべきだと感じたんです。

より深くSTAN.の世界観を伝えるために、「ものがたりのあるレシピブック」というコンセプトで進めてみてはどうかと思いました。そこから、「ストーリーを感じていただくなら、写真よりイラストのほうがよさそうかも」とか、いろいろと想像を膨らませていったんです。

あなたのためのものですよ

なんとなくSTAN.って、大々的に宣伝をするとか、有名な方を起用してPRしてもらうとか、そういうプロモーションはそぐわないような気がしていて。もちろん、製品によってはそういうやり方を選ぶべきでしょうが、STAN.に関していえば、違う道があるなと思いました。
「みんな見て見て!」というより、「あなたのためのものですよ」とじっくり丁寧に伝えていく。そして、嘘をついたり誇張したりすることなく、ありのままの姿を見せていく。それがSTAN.らしいやり方じゃないかと思いますね。