象印 ZOJIRUSHI

ごはんの本当のおいしさをひとりでも多くの人に。

「象印食堂」「象印銀白弁当」

「象印食堂」担当 / 北村 充子(左)
「象印銀白弁当」担当 / 徳岡 卓真(右)

“おいしいごはんが、ここにある。”大阪・難波に2018年オープンした、ごはんレストラン「象印食堂」のコンセプトです。「象印の高級炊飯ジャーで炊いたごはんのおいしさを味わってもらう」プロモーションイベントとして2016年にはじめた取り組みが、当社初となる常設の飲食店として本格始動。さらに2021年には、冷めてもおいしいことが伝わる、ごはんが主役のお弁当屋「象印銀白弁当」を新大阪駅構内に開店。それぞれ手法は違っても「ごはんのおいしさを伝えたい」という想いをひとつに、プロジェクトを立ち上げた担当者からの声をお届けします。

STORY.

象印にしかできない店づくりを

「『象印食堂』をなんばに常設するので、立ち上げをお願いします」と声をかけられてからの北村は、勉強と試行錯誤の連続でした。これまでに商品企画担当などを経験し、新製品の企画には慣れたつもりでしたが、飲食店についてはまったくの素人。提供するメニューから食器類、内装、スタッフ教育まで…いちから準備することが山のようにあり、専門のコンサルタントや委託会社さん、社内関係者の協力のおかげで、ようやくオープンにこぎつけました。
通常の飲食店をめざすだけなら、すべてをプロに任せるのが一番なのでしょう。けれど、私たちが届けたいのは、象印だからこそつくりだせる、「おうちのように、おいしいごはんを食べるしあわせ」。店内のしつらえも高級になりすぎず、ホッとくつろげるムードに。おかずも奇をてらわず、どこでも手に入る食材に手間や工夫を凝らして、「すてき!家でもできるかな?」と思われることをめざしました。

皆さまから愛されるために

ごはんは「炎舞炊き」で炊飯し、飲み物は「タンブラー」でお出しする。さまざまな象印製品にふれる場所だからこそ、細部まで満足していただきたい。最初は社員としての責任感でしたが、季節変わりのおかずや食器など、ひとつひとつを吟味するうち、どんどんお店への愛情が深まっていきました。オープン以来、「このお店が、ひとりでも多くのお客さまに気に入っていただけるように」と、まるでわが子のように日々気をかけています。
「楽しかった」「また来たい」。お客さまにそう感じてもらえるかどうかは、お店の地道な努力と真心にかかっていると思います。基本業務はプロにお任せしていても、お客さまへの気くばりや品質管理は陰でしっかり支えていたい。ときにはいち利用者としてお店を訪れ、サービスの不備やご不満はないか、皆さんが楽しんでいただけているかなど、肌で感じるようにしています。

  • ▲ ごはんレストラン「象印食堂」(大阪・難波)

  • ▲ ずらりと並ぶ「炎舞炊き」で炊飯

日本のごはん文化を守りたい!

象印食堂のオープンから3年、こちらも当社初となるお弁当専門店「象印銀白弁当」が誕生しました。この事業の立ち上げには、担当者である徳岡の個人的な実感が深く関わっています。それは、「外食やお弁当でもおいしいごはんを味わってもらいたい」という想い。じつは、入社以来ずっと炊飯ジャーの開発者として試食を繰り返すうち、すっかりごはんの味に敏感になってしまい、外で口にするごはんの味と、当社の炊飯ジャーで炊くごはんの差に驚いていたのです。
また、開発担当時代から「日本人のお米離れ」も強く実感していました。さらに、店舗開発のための調査を通して、「ひょっとして街中においしいごはんが少ないから、ますます米離れがすすむのでは?」「気軽に買えるお弁当を通して、ごはんの本当の味を伝えられたら!」。そんな気持ちがこうじて、新しい事業を社に提案することにしたのです。

お米の洗い方にも隠れたこだわり

「象印食堂」の人気が追い風となり、提案が通ったのはよかったものの、まったく未知のお弁当事業。お米マイスターさんとのお米探しや、ごはんがすすむおかず選びなど、北村に「象印食堂」のノウハウを分けてもらいつつ、二人三脚で詳細を詰めていきました。とくに「ごはんのおいしさ」にはこだわり、冷めるにつれて弾力とみずみずしさが残るオリジナルブレンド米を選びぬきました。
さらに難題だったのは、事業として採算性を向上させるため人件費を抑えつつも、象印ブランドとして、ごはんのおいしさを保つこと。その味わいを落とさず運営効率を上げるために考えた秘策のひとつが、自動洗米機の共同開発です。ライステクノプロダクト株式会社とともに、大量のお米を効率よく丁寧に洗える、独自のプログラムを搭載した自動洗米機を開発。電子顕微鏡で見ても、象印が推奨する手洗いと同レベルの精度を実現しました。

  • ▲ “ごはんが主役”のお弁当専門店「象印銀白弁当」(JR新大阪駅3階)

おいしい!の声で、今日もがんばれる

コロナ禍の影響はあったものの、おかげさまで「象印食堂」は、ときに行列ができるほどの人気。「象印銀白弁当」の売り上げも上々で、行楽や会議弁当を予約されるリピーターさまも増えています。
新しいチャレンジゆえの苦労はありましたが、製品とは違うかたちでお客さまの声にふれられるので、これまでにない喜びを味わっています。「ほんまにおいしかった」「難波に来たら、いつもこの食堂ばっかり」「お弁当を食べた妻から、おいしかったからまた買って帰ってと言われました」など。お客さまからの嬉しいお言葉ひとつひとつが、今日もきちんとおいしいものをお届けしよう!というやりがいにつながっています。

ごはんから広がるコミュニケーション

お客さまと同じ目線で、いろいろな人気店のメニューやお弁当を食べ比べるうちに、私たち自身、これまで見過ごしていたごはんの奥深さに気づきました。そのひとつが「盛り方」や「詰め方」です。同じごはんでも、お茶碗へのよそい方やお弁当箱への詰め方で、食べるときの味わいが驚くほど違ってきます。「象印食堂」では、そうした「おいしいごはん」についての知識を深める教室やセミナーなどを通じて、おいしいごはんを味わっていただくためのノウハウもお伝えしていきたいと思っています。
また、「象印銀白弁当」では、自治体とのコラボレーションで、ご当地食材を使った「地のもん弁当」を開発。ごはんを通して地域の食文化を活性化させるお手伝いができるようにと願っています。「象印食堂」や「象印銀白弁当」を立ち上げたことで、人と人をつなぐコミュニケーションとして、食という存在の大きさをあらためて実感しました。これからもその真ん中にごはんがありつづけるよう、おいしさに磨きをかけていきたいです。

SECRET STORY.

象印食堂・
象印銀白弁当の
「ここだけの話」

徳岡 卓真

「子どもの頃から、当たり前のようにわが家にあった象印。業態は広がっても、ずっと日常風景の一部でありつづけてほしいと願っています」

徳岡 卓真/「象印銀白弁当」担当

北村 充子

「“象印だから大丈夫でしょ”とお客さまからも言っていただける安心感が、私たちの誇り。
これからも大切にしていきたいです」

北村 充子/「象印食堂」担当

所属部署・内容は取材当時(2021年10月)のものです。