ZOJIRUSHI

いろんな暮らしにぴったりのきれいなうるおい、揃えました。

「スチーム式加湿器」

設計開発担当 / 植田 真生(左) 
商品企画担当 / 安藤 裕樹(右)

象印がスチーム式加湿器の発売をスタートしたのは1996年、いまから約30年近く前のことです。電気ポットの技術を活かし、一度沸とうさせたきれいなお湯の蒸気で部屋をうるおす加湿器は、時代をこえる定番の商品に。さらに近年、その「お手入れのしやすさ」などが再注目されたのを機に、より幅広いライフスタイルに応える新ラインアップを開発することになりました。優れた長所はそのままに、機能やデザインをより向上させた、企画・設計メンバーからの声をお届けします。

STORY.

象印から加湿器が生まれた理由は?

「象印の加湿器が評判らしい」。そんな噂を耳にして「え、象印が加湿器?」と、意外に思った方もおられるでしょう。じつは私たちの「スチーム式加湿器」には、ある商品の技術がふんだんに活かされています。それが、象印を代表する商品のひとつ「電気ポット」です。
電気ポットと同じくタンク一体型なので、フィルター要らずでお手入れカンタン。沸とうさせた清潔な蒸気を、たっぷりお部屋に届けられます。お湯をすばやく沸かす技術をはじめ、「倒してもこぼれにくい」安全面での工夫をしっかり継承。さらにフタ開閉機構は電気ポットの構造に加え、追加でロック部品を設けることで、より安全性を高めました。
もちろん、「センサーで快適な湿度にコントロールする」「長時間加湿しつづける」といった加湿器に必要な性能もばっちり。買えばファンになってもらえる優れた商品なのですが、「象印=加湿器」のイメージが浸透しないまま、安価で簡易的な加湿器に押されがちな時代もありました。

みんなに「ちょうどいい」加湿器を

いい商品なのに、なかなか注目されなかったこの商品。そんな状況が変わってきたのは、10年ほど前からです。ちょうどインターネットの口コミサイトやSNSが活性化。これまで表に出てこなかった「購入したお客さまのリアルな声」とともに、「清潔でお手入れしやすい」象印の加湿器への評価が広まってきたのです。
多くの方に注目されたことで、購入を検討するお客さまの多様なニーズも見えてきました。「もっと大きなリビング向けのものが欲しい」「寝室に置いても邪魔にならないサイズがあればいいのに」など。せっかく興味を持ってくださったみなさんの、幅広いライフスタイルに応えるラインアップを揃えたい。そう考えて、従来からあったベーシックタイプに加え、コンパクトとハイパワーの2つのタイプを新たに開発することになりました。

小さいからこそシンプルに美しく

コンパクトタイプは、寝室などの小さな個室向け。おやすみ中にもずっと使えるように、「小さくても約8時間連続で運転できる」ことを必須の条件としました。もちろん、サイズをコンパクトにしても、蒸気の温度を下げる構造や製品の強度といった安全性は従来品同様に保つ必要があります。そこで、スケルトンの試作品をつくって全体の構造や部品構成を見直し、いちから設計し直すことに。その過程で底に凹凸の少ないタンクを採用したため、洗いやすさも向上しました。
さらに、このタイプでこだわったのが、寝室などのパーソナルな空間にふさわしい「デザイン性」です。容量に合わせて機能もコンパクトに絞り込むことで、すっきりしたフォルムと操作パネルを実現。温かみのあるオフホワイトのほか、寝室の壁紙色として人気上昇中のグリーン系を、カラーバリエーションに加えています。

  • ▲ 新たに開発したコンパクトタイプの加湿器

  • ▲ 凹凸の少ないタンクで洗いやすさも向上

新機能が光るフラッグシップモデル

ハイパワーの方も、ただ既存のモデルを大容量にしたわけではありません。目に見える大きな違いが、中央についたデジタルパネル。じつはここに、象印の加湿器「最上位モデル」としての機能が凝縮されています。まず電源を入れると、内蔵センサーで計測したお部屋の湿度を1%単位で表示。タイマー設定もデジタル表示でわかりやすいうえ、タンクの水が少なくなると、空っぽになる前にサインで知らせてくれます。
いずれも、大きなリビングで使っていると「便利だな」と実感できる機能ばかり。「できるだけ誤差なく測れるように」「快適な湿度を保ちつづけられるように」。精度にこだわり、品質にこだわった結果が、お客さまの新たな評価につながっていく。そんな期待と責任を感じながら、ひとつひとつの機能を追求していきました。

  • ▲ フラッグシップモデルの加湿器

  • ▲ お部屋の湿度やタイマー設定がデジタル表示でわかる

健やかさをずっと届けたくて

小さな寝室でも、大きなリビングでも、どこで使ってもうれしい新機能として、両タイプに搭載したのが「静音モード」です。これまでのように「沸かすときの音を抑える」だけでなく、「加湿中の音まで抑える」仕組みを実現。湿度だけではなく音も含めて、心地よい環境をつくりだすことにこだわりました。
もちろん、最も基本となる安全性や耐久性も、両方に共通したこだわりです。満水から空になるまでの連続運転を繰り返したり、本体の丈夫さを試したり、あらゆる利用シーンを想定したテストを念入りに実施。いつも安心して使ってもらえること。ずっと健やかな日々を支えられること。それこそが何よりもお届けしたい、大切な価値だと意識しつづけています。

めざすは、加湿器といえば象印

既存モデルをベースとしながらも、機能やデザインでチャレンジを取り入れた、この新しいスチーム式加湿器。発売前のため、お客さまに気に入ってもらえるかがわかるのはこれからです。
これまでにない機能をカタチにしたことで自信がつき、「もっとできるかも」「やってみたい」という次の可能性も見えてきました。まずはラインアップが充実したのをきっかけに、みなさまの暮らしに合う私たちの加湿器を使っていただきたい。そして、ひとりでも多くの人に「清潔で安全な加湿器なら、やっぱり象印」と思っていただけるよう、これからも挑戦しつづけます。

SECRET STORY.

象印ものづくりの
「ここだけの話」

安藤裕樹

「安心・安全にこだわる象印。だからこそ、保守的になりすぎないよう、広い視点とバランスを意識して、新たなものづくりに取り組みたいです」

安藤 裕樹 / 商品企画担当

植田真生

「量産しても品質を保てるように、生産現場まで行って精密なセンサーなどの取り扱いを対面指導。ひとつひとつが象印の顔になるので、気が抜けません」

植田 真生 / 設計開発担当

所属部署・内容は取材当時(2024年8月)のものです。