五ツ星お米マイスター
金子さんに聞きました
「食べる水分補給」のすすめ!
夏に最適なのは“水”ではなく“ごはん”?
夏の健康の要はごはん!
「食べる水分補給」で体調管理を
- 「①糖質オフダイエットの落とし穴に迫る!「ごはんは太る」の勘違いとは?」
「②脳・身体のパフォーマンスを最大化する「ごはん」の力」を通して、ごはんを中心とした食べ方の重要性を理解できました。
ただ、夏は暑さで食欲が落ちてしまいますよね?ごはんをたくさん食べるのが難しい季節でもあると思うのですが、それでもごはんを食べるべきなのでしょうか? - 暑さで食欲が減退するのはわかるのですが、私は、夏こそごはんをたくさん食べてほしいと考えています!
- なるほど。それはなぜなのでしょうか?
- エネルギー補給はもちろん「水分補給」のためです。「ごはんで水分補給」というとイメージが湧きづらいかもしれませんが、ごはんは約60%が水分なので、お茶碗1杯のごはん(150g)を食べると約90gの水分が摂れます。飲み物とは違って、ごはんはゆっくり消化されながら身体に吸収されるので、効率的に水分補給ができるのです。水分補給の面では「食べる水分補給」も大切な役割を担っています。
- 水分補給というとお茶や水などの飲み物のイメージが強いのですが、それよりもごはんを食べるべきなのでしょうか?
- もちろんお茶や水も必要ですが、ごはんを食べずに冷たい飲み物ばかりを摂るのはおすすめできません。冷たい飲み物を摂りすぎると「胃腸の働きが悪くなり、食欲不振が悪化する」「身体にエネルギーが供給されないため、体温調節がしにくくなる」といった健康への悪影響につながる可能性があります。
- なるほど。水分補給といわれると「とにかく飲み物をたくさん摂ろう」と思ってしまいがちですが、ごはんもしっかり食べる必要があるのですね。
-
そうなんです。ちゃんと水分補給をしていたはずなのに、熱中症になってしまった人も聞きます。“こまめな水分補給”という言葉をよく耳にするため、水だけを飲んでいれば大丈夫と思っていませんか?汗をかくと水分だけでなくミネラルやビタミンも不足してしまいます。「食事をせずに冷たい飲み物ばかりを飲んでしまっていることが関係しているのでは?」と私は感じています。
「冷たい飲み物をたくさん飲む→胃腸が弱くなり食欲がなくなる→食欲がないため食べない→食べないから体温調節や体力の維持が不十分になり体調不良になる」といった悪循環に陥っているのかもしれません。熱中症のリスクを低減するために、食べ物から栄養素と水分を一緒に摂ることも大切です。
- 確かに…。水分補給という意味でも、身体の働きを活性化させるという意味でもごはんを食べることは重要ですね。
- ごはん以外にも、例えば夏に旬を迎える食材は水分を多く含んでいる傾向があります。トマト・キュウリなどの夏野菜やモモやスイカといった夏の果物、寒天やわらび餅などの水菓子もありますね。水だけで水分補給をするのではなく、ごはんを中心に旬の食材をたくさん摂ることが大切だと思います。「しっかり食べて、こまめな水分補給」ですね。
夏のごはんの食べ方のコツは?
食感を選べる「わが家炊き」もおすすめ
- ごはんを中心とした「食べる水分補給」について理解できました。
とはいえ、暑い時期にごはんをたくさん食べるのは割としんどいですよね…。
何かおすすめの食べ方はありますか? - おすすめなのは、夏野菜カレーや麦とろごはん、お茶漬けなどですが、特に宮崎の郷土料理「冷や汁」のような食べ方がおすすめですね。「冷や汁」は、冷やしたごはんと「魚・豆腐・きゅうり・大葉」などの食材を使って、冷たい「出汁」をかけていただく食べ物です。爽やかで食欲がなくてもサラサラと食べられますし、栄養バランスも優れています。忙しい時は、「いなり寿司」もおすすめですね。おにぎりのように食べやすいですし、水分・炭水化物・タンパク質を効率的に摂れる優れた食べ物だと思います。
- 工夫次第で夏でもおいしくごはんを食べることができそうですね。
ちなみに、夏場のお米選びのコツなどはありますか? - 東南アジアなどのお米をイメージしてほしいのですが、日本のお米に比べて粘り気が少なく、全体的にパサパサしています。苦手な方も多いかもしれませんが、暑い時期は東南アジア系のお米料理の方が食べやすいんです。
日本には300種類以上の銘柄があり、食欲の無い時におすすめしたい、歯ごたえのあるお米や粘りが少ないお米もあるので、食べやすい銘柄に変えてみてもいいかもしれません。でも、そのようなお米を選ぶのもなかなか難しいことだと思いますので、お近くの五ツ星お米マイスターに相談されるのをオススメします。
- 炊き方はどうでしょう?やはり水を少なめにするなど、工夫した方が食べやすいですか?
- そうですね。粘り気を抑えたり、だし汁などをかけて食べるとしても、少し食感がある方がおいしいと思います。ただ、ご自身で水分量を減らすのは調整が難しいので、水分量を調整するのではなく、炊飯ジャーのいろいろな炊き方(モード)で試して欲しいです。また、どのような銘柄のお米でも産地や気候によってお米の食感も変わってくるので、例えば、象印さんの「わが家炊き」メニューのような機能があれば、自分好みの食感に合わせられると思います。
「わが家炊き」とは?
象印の圧力IH炊飯ジャーに搭載されている炊き分け機能(一部機種を除く)。前回食べたごはんのかたさや粘りの感想を入力すると、炊き方を微妙に変えて食感を最大121通りから調整し、ご家庭好みの食感を実現する。(機種によって炊き分けられる範囲は異なります)
- 金子さんありがとうございました。ごはんを中心とした「食べる水分補給」の重要性やメリットについて理解できました。ごはんって本当にすばらしい食材なのですね。
- ごはんの魅力に気づいていただいてうれしいです!ごはんは脳や身体を動かすエネルギーの源であり、ダイエット食にも夏の水分補給にも適した食材です。「ごはんは太るイメージがあった」という方は、今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ『1日2合のごはんを食べる!』を実践してみてください。