象印マホービン株式会社およびグループ会社である象印ファクトリー・ジャパン株式会社の技術が、国立科学博物館が選定する2026年度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に選定され、「中せんなしエアーポット」と「ガラス製魔法瓶用の真空二重瓶製造装置」の計2件が登録されました。
これに伴い、2026年9月29日に国立科学博物館にて「登録証授与式」が行われ、両社の社長が出席しました。
「未来技術遺産」登録内容
押すだけポット「中せんなし『みェ~る』」 AAB型
本製品は、お湯を入れたり捨てたりする際に「中せんを毎回着脱する手間」をなくし、毎日の使い勝手を格段に向上させた「中せんなし」のガラス製エアーポットです。
従来のエアーポットは、断熱と注水の役割を兼ねた「中栓」を給排水のたびに着脱する必要がありました。そこで本製品では、断熱部分をフタ側に固定し、お湯を汲み上げるパイプを前方に配置するという画期的な構造を採用。中せんの着脱作業を不要にしました。
この画期的なアイデアと構造は業界へ広がり、現在のステンレス製魔法瓶にも受け継がれ、今日のエアーポット文化を創出した製品として高く評価されました。

押すだけポット「中せんなし『みェ~る』」 AAB型 (左)外観写真、(中央)カット断面部分、(右)断面構造図
ガラス製魔法瓶用の真空二重瓶製造装置
(1)絞り瓶製造ライン (2)両口瓶製造ライン
本装置は、1965年に設置されたガラス製魔法瓶の「真空二重瓶(中瓶)」を製造する設備です。
昭和の高度経済成長期、生活様式の変化に伴い「一家に一台」へと広まったガラス製魔法瓶の大量生産を可能にし、全国の家庭への普及を支えました。さらに1983年には、お湯の残量が一目でわかる「水量表示窓付きエアーポット」の登場に対応した製造ラインも構築し、製品の進化に貢献しました。
長年にわたり熟練の技術者による丁寧なメンテナンスを重ねることで、当時の優れた設計精度を現在も維持。高品質なガラス製品を今なお量産し続けている極めて重要な製造設備として高く評価されました。

ガラス製魔法瓶用の真空二重瓶製造装置 (左)絞り瓶製造ライン、(右)両口瓶製造ライン
「登録証授与式」の様子
国立科学博物館の真鍋真館長より、登録証および記念盾が授与されました。また、館内には、今年度「未来技術遺産」に登録された13件についてのパネル展示も行われています。(10月18日(日)までの期間限定となります。詳しくはこちらをご確認ください。)


「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」について
独立行政法人国立科学博物館では、我が国の科学技術や産業技術の発展を示す重要な科学技術史資料や、国民生活、経済、社会、学術や文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料の保存と活用を図るための調査・研究を行っています。これらの調査・研究をもとに、科学技術史資料のうち、「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当する資料を選定し、「重要科学技術史資料登録台帳」に登録するものです。
国立科学博物館 産業技術史資料情報センター:https://sts.kahaku.go.jp/
※本記事の内容は、掲載日時点の情報です。











